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自分で作る書類:帰化の動機書

帰化の動機書の書き方


これはいわゆる作文です。「なぜ帰化したいのか?」を書いていきます。ただ、今の気持ちをだらだらと書けばいいというものではないので、要点を整理しながら論理的かつ気持ちがこもった形で書いていきましょう。
要点整理シートを最後に掲載しているので、これを使って整理してください。このnoteでは普通帰化をターゲットにしているので、働いている社会人が中心の要点シートになっています。後日、主婦や学生用の要点シートも公開できればと思っています。
帰化の動機書のWordテンプレートも用意しましたが、これは手書きでなければなりません。要点が整理出来たらそれを元に下書きをし、テンプレートを印刷してボールペンで清書してください。この書類は、これまで作成してきた書類との整合性をとるところがたくさんあるので、後半の方で作るほうがよいでしょう。

何を書けばいい?

帰化の動機書はある程度記載することが決まっています。以下の内容に沿って記載していきましょう。これまで説明してきた7つの帰化要件を満たしていることを作文するイメージです。

生年月日、国籍

「私は、<昭和〇〇年〇〇月〇〇日>に、<韓国のソウル特別市>に生まれた<韓国人>です。」

生年月日や出生地は、帰化許可申請書と一致していますか。

日本に来る直前の学歴・職歴

「<韓国のソウル大学>を卒業後、<韓国の自動車会社>に勤務しましたが、」

履歴書(その1)と一致していることを確認してください。

日本に来たきっかけ・日本に来た日

「平成〇〇年〇月に退社し、<日本への留学のため><平成〇〇年〇月>に来日しました。」

来日した日が、履歴書(その2)と一致しているか確認しましょう。

日本に来た後の学歴・職歴

「来日後、日本語学校で半年間日本語を学んだ後、平成〇〇年〇〇月に<東京大学>に入学しました。大学では機械工学を専攻し、平成〇〇年〇〇月に同校を卒業しました。
創業後は、<△△自動車株式会社に入社>し、自動車エンジンの研究開発に携わっています。」

履歴書(その1)と一致していることを確認してください。

現在の職場での様子

「入社して8年が経ちますが、研究成果や後輩の指導などの実績が認められ、昨年より主任として研究チームのリーダーを任せられています。これによって仕事の幅も広がり、ますます仕事にやりがいを感じています。」

会社で認められていること、仕事のやりがいなどをポジティブに記載しましょう。

日本コミュニティへの浸透具合

「また休日には、大学で知り合った日本の友達と、オーケストラの定期演奏会を開催したり、地域ボランティアで少年サッカーの指導をするなど、毎日充実した日々を過ごしています。」

日本コミュニティになじんでいることをアピールしましょう。近所の人と仲良くしているなど、ささいなことでも大丈夫です。また社会貢献していることがあればぜひ書きましょう。

現在の家庭の様子

「私は、平成〇〇年〇〇年に韓国人の「知優」と結婚し、平成〇〇年〇〇月に長女「瑞潤」を授かりました。家庭は円満で家族3人で楽しく暮らしています。子どもは日本の高校に通っており、たくさんの友達に囲まれて充実した学生生活を送っています。」

家庭円満であることや、子どもがいれば、子どもが日本の生活に根付いていることなどをアピールしましょう。
親族の概要と矛盾がない記載となっているか確認してください。

素行の状態

「私には前科もなく、納税義務を果たし、善良な生活を送っています。」

履歴書(その2)と整合性をとってください。もし前科がある場合は、反省している気持ちを記載しましょう。
感謝状などをもらったことがある場合は、ぜひ書いてください。

日本が好きな理由

「来日当初、日本語が全く分からない私に日本の人々はとても親切にしてくれました。また、先進国としてただ経済的利益を追い求めるだけでなく、環境や資源に配慮した社会が構築されています。人々も勤勉かつ礼儀正しく親切で、人間として学ぶことがとても多いです。」

日本に住みたいと思った気持ちを書いてください。

帰化したい気持ち

「このような素晴らしい国でこれからも家族とともに暮らし続け、お世話になった日本の人々や社会に少しでも貢献できればと考えています。
どうかご許可を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」

本国に帰る意思がなく、日本人として生きている心構えを伝えてください。
さりげなく日本に貢献できるということを加えるとよいです。
また、最後に日本的な締めの文を入れると、日本の慣習になじんでいることもアピールできますね。

作成日と署名

文末の右隅に記載してください。

まとめ

帰化の動機書は、本当に帰化したいのかという気持ちを確認するだけでなく、日本語の書字能力もみられます。日本人に確認してもらい、誤字がないか、言い回しでおかしなところがないかも確認してもらいましょう。日本語教師の立場からすると、外国人にとって日本語での作文は、一番難易度が高い作業です。せっかくの機会なので日本語の書字能力も高めていきましょう。
また、作成を他人に手助けしてもらった場合も、こちらに書いた内容をしっかりと理解しておかないと、審査官からの面接に答えられず審査に影響することがあるので十分に読み込んでおきましょう。

論理的かつ心をこめて

ではチェックシートを使って要点整理からはじめてください。


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