しゃぶしゃぶ

私は後先のことを大して考えて人生を送ってません。良くも悪くもその場のノリで行動することが大半です。ただ、「なんとかなるさ」とは口では言ってますが、本心では「何とかするんだ」と思ってます。なんとかなるんじゃなくて、なんとかするんです。自分の軽率な行動で起こしたミスは、当然ですが自分で尻拭いしなければなりません。
あと、その場でテキトーなことを言ってそれを忠実に守り続けているパターンもすごく多いです。前に「お前まだやってんの!?」と言われたことがあります。

ガンダムなんて一生見ない!

ある友達(仮にAくんとしましょう)と、喧嘩しました。私とAくんはそんなに仲が良いわけではありませんでしたが、悪いわけでもなく普通の友達でした。
ある日Aくんが、俺に向かって「ガンダム知らないやつは全員人生損してる!」と言い出しました。Aくんはガンダムの大ファンで、よくグッズを身に着けています。ガンダムがない人生が信じられないんでしょう。私は元来そういったロボットアニメにあまり興味がなかったので、「まあ、人それぞれだよね」と答えました。するとAくんは「お前のことだよ、人生損してるの。」と言いました。その瞬間短気なハンゾーくんは一瞬で頭に血が登りました。そしてこう言い放ちます。
ガンダムなんか知らなくても人生が損しないことを俺が身を以て証明する!俺はもうガンダムなんか見ない!
ああ、いくら興味がないとはいえ何を言い出すんでしょうか。するとAくんはややショックを受けたような顔で「い、いいよ、見なくて…」と言いました。その日以来Aくんとは口を利いていませんが、Aくんはあのとき俺に何を思ったのでしょうか。ちなみに、その日から今日の日まで私はガンダムのコンテンツには一切触れずに生きてきました。私にはどうやら変なところで意地を張る癖があるようです。

素手しゃぶしゃぶ

私が小学生の時「はねるのトびら」という番組で「ババデミー大賞」というコーナーが放送されていました。ロバートの馬場裕之さんが、「おババ映像」という意味不明なチャレンジをしていくコーナーでしたが、私はこのコーナーの大ファンでした。
時は流れて中学生。仲良しグループで遊んでいたときです。私はふと、ババデミー大賞を思い出しました。懐かしい。その中で「素手しゃぶしゃぶ」というのがあります。名前のとおり、素手でしゃぶしゃぶを作るというもので、火傷する以外の未来などありません。
私は何を思ったのか突然、「俺、素手でしゃぶしゃぶできるよ!」と言い出しました。日本一のバカ爆誕です。すると友達は「え!見せて!見せて!」と言ってきました。そりゃあそうです。友達が急に「素手でしゃぶしゃぶできる」と言ったら見たくなるに決まっています。友達は悪くありません。キッチンに移動して素手しゃぶしゃぶ開始。牛肉を手で掴んで熱湯煮えたぎる鍋に肉を落とします…が、しゃぶしゃぶなので、肉を「しゃぶしゃぶ」しなくてはなりません。私は沸騰したお湯に手を入れました。するとどういうことでしょう。熱いんです。沸騰したお湯って熱いんですね、初めて知りました。その感覚を受け取る前に、私の優秀な脊髄がすぐ反応してくれました。「死ぬ気か?」と。
驚いたのは友達です。友達か急に素手でしゃぶしゃぶをすると言い出し、沸騰したお湯の中に手を突っ込んだのですから。気が狂ったとしか思えません。
私は手をポン酢につけて冷やしました。ババデミー大賞本家と同じです。バカなんでしょうね、私。ちなみに肉は食べました。美味しかったです。次の日、指の関節を曲げるたびに“ピキピキ”と音がするようになってしまい、結局病院に行くことになりました。

私みたいに行き過ぎたことを言うとそれをやらざるを得なくなったとき非常にピンチです。お気をつけて。人生慎重に生きましょう。

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