SYDEKICKとは 3
TRECUEというオンラインサークルを主催してまして、まぁ、名前だけあるわけですが。こちらでもEASYの話をすこししたことがあります。で、TRECUEのディスコード・サーバの方に、大まかに次のような質問をいただきました。
というわけで、今回はそのあたりの話にしようと思います。
まず簡単に答えるなら、「 "SYDEKICK" は名前通り "SYDEKICK" です」となります。まぁ、これだとわからないんだろうとなと思いますので、そこからにします。
"SYDEKICK" はSDKであり、System Development Kitです。ですから、どのモジュールを用いるか、どのようにモジュールを組み合わせるか、どのようにモジュールを改変するか、そしてどのようなモジュールをユーザが追加するか、そのすべてがユーザに託されています。このあたり、Software Development Kitと結局同じです。SDKを使ってなにを作るかはユーザの望み次第ですし、SDKに用意されている機能を使ってなにかを作ってもいいし、用意されている機能を変更して使ってもいいし、なんなら自分でそこのコードを書いてもいいといった具合です。例えるならブロック玩具をイメージしてもらうのがいいかと思います。
対して、EASYはどうでしょうか。こちらはまだ大して進んでいませんので簡単な話にします。EASYはサンドボックス (砂場) をイメージしてもらうのがいいと思います。いろいろとユーザに自由はありますが、こちらが用意した範疇に収まるように遊んでくださいといったところです。この立場だと、サンドボックスが強烈に狭い場合も、世の中にはあります。ただし、EASYではそんなに狭くするつもりはありません。サンドボックス型として一番に挙げられるのはGURPSなわけですが、そこまで細かいルールを設定するつもりもありません。ただ、EASY-Lでは意図的に、充分な量のルールを用意しないことにしています。足りない部分は演繹や帰納や経験により適当と思えるルールを適用したり、作ったりしてくださいということがあります。そのため、EASY-Lの段階ではSYDEKICKとの違いはわかりにくいかもしれません。EASY-M、EASY-Hとなって行くと、違いがわかりやすくなると思います。
では、共通点はどこなのでしょうか? それは、主体はユーザであるという点です。ですから、ユーザがSYDEKICKやEASYで遊ぼうと積極的に思わなければ、SYDEKICKもEASYもなんの役にも立ちません。言ってしまえば、よくある出落ちのTRPGではなく、スルメのようなTRPGを目指しているという点はまったく同じです。ただ、観測の範囲での話になりますが、日本のTRPGユーザには出落ちのTRPGやシナリオの方が好まれるようではります。たしかに、PCがなにをしたらいいのか、GMはなにを用意したらいいのかというあたりがわかりやすくはあります。
ならば、なぜSYDEKICKやEASYは出落ちTRPGを目指さないのでしょうか? これも単純な話で、あくまで個人的にはと言っておかないとうざい話になってしまいそうですが、出落ちTRPGは嫌いだからです。嫌いというか、「それってTRPGじゃない方が面白くなるよね」といったところです。それ以外というかある意味やはり出落ちTRPGではあるのですが、原作付きであるとか、原作にフリーライドなTRPG ―― 後者はとくに同人では ―― も存在しますが、これは個人のポリシーとしてやらないことに決めていますので論外です。
そういう個人的な考えもあり、SYDEKICKとEASYは出落ちTRPGには絶対にしないと決めているわけですが。これは、先にも書いたように、積極的に遊ぼうと考えるユーザを必要とします。ここがSYDEKICKとEASYの決定的な弱点です。ただまぁ、分かってくれる人が地球上のどこかにはいるみたいなので、それでかまわないと考えています。
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