日本共産党に告ぐ、日米安保条約を考える。

私は共産主義思想に共鳴している。何故なら、私たち世代(1970年代)は全共闘世代であったからである。
私たちの時代の学生は総て共産主義思想にかぶれていた。しかし、決して行動には移さなかった.行動はささやかにデモに参加して、シュプレヒコールを叫ぶくらいであった。そして体制を批判した。酒を飲むと、共産主義のこと、日本の将来を話題に出した。しかし、決して行動には移さなかった。

私のような学生を、活動家は「ノンポリ学生」と批判した。勿論、日本共産党を「民青」と言って強烈に批判した。
当然多くの学生はノンポリであった。しかし、ノンポリ学生こそ政治問題を語るのが楽しみであった。私たちの世代は政治問題を語るのが大好きであった。

私たちの時代は政治問題を語った。いつも「朝日ジャーナル」を小脇に抱え、音楽はビートルズであった。これが当時の若者のファッションであった。
頭の悪い私にとって「朝日ジャーナル」は難解であった。私には睡眠薬のようなものであったと言えよう。
ビートルズは聞きやすかった。聞いていると満足した。
私たちの世代はビートルズの二人のスターであるジョンとポールのどちらが好きかが、時々話題になった。
私の考えは、ポールの音楽がリズミックで聞きやすい。これに対してジョンレノンの音楽は歌詞は奥深い。

ジョンの代表的な歌は「イマジン」である。

極論を言うと、共産主義はマルクス、エンゲルスが作ったものではない。
共産主義とは理想の世界なのである。ジョンが高らかに歌った。

「イマジン、そこは天国も地獄もない。戦争は無い。皆が平等で満足する世界。これがイマジンなのである。」

即ち、マルクス、エンゲルスの共産主義と、ジョンレノンの共産主意義とは少しばかり異なるのである。共産主義者は、あの難しい「資本論」など読む必要はないのである。(私も読んでいない)
しかし、エンゲルスの「空想から社会」は名著である。
これをジョンレノンは歌にして高らかに歌った。これこそ「イマジン」であり「オール ニード イズ ラブ」である。

共産主義とは権威をぶっ潰すことにある。そして、最も大事なことは
〇戦争反対
〇皆が平等な世界である。

翻って日本の政党を考えよう。
この二つを理想としている政党は無い。勿論、歴史的にもまれであろう。しかし、日本人は伝統的に、私が言う意味で共産主義に限りなく近い。
これこそ平安時代、江戸時代など戦争が無く、ほとんど平等の世界であった。日本は伝統的に共産主義を受け入れてきたのである。

そして近代では一番共産主義に近かったのが、マッカーサーの民主化政策であった。
農地解放、戦争を否定した平和憲法である。
当時の日本人がマッカーサーを称えたのはこのことにある。

今の日本の政党でこのような理想的な政党は無い。
しかし、一番近い政党はある。これこそ私が学生時代毛嫌いしていた日本共産党である。
しかし、日本共産党にも多くの矛盾点はある。

 日本共産党は権威主義である。その党首の選出も不透明であり、共産党書記長は伝統的に永続する。

 これが最も大事なことであるが、本当に日本共産党は私有財産を否定しているのだろうか。共産党とは読んで字のごとく、産業手段の国営化である。工場は皆、国家のものなのである。このような時代錯誤的な名称を政党の公式名として使用している 日本共産党の真意が理解できない。もし、本当に日本共産党が共産主義を掲げるなら、ジョンレノンのイマジンをよく聞くことである。ジョンレノンのイマジンこそ、共産主義の原点である。

共産党は党名を改名するべきである。産業手段の国営化を否定するべきである。私有財産を認めるべきである。天皇制も認めるべきである。

今回、東京都知事選で、蓮舫が敗れた敗因の一つに、蓮舫が共産党と連合したこともあると、ある評論家が言っていた。
日本人は共産党を敵視している。この意味は共産党に対する誤解、(もしかしたら真実かもしれないが)から生まれていると思う。

今、貧困国の日本は国難にある。
戦後の日本は当初はアメリカのポチであった。今は台頭する中国におびえ、中国のポチになるか、アメリカのポチになるかの決断を迫られている。
(勿論、日本大国論で、日本はアメリカにも中国にも従属しないという理論もあるが、そのようなことは不可能である。もし、この政策を推し進めるなら、戦前の大東亜共栄圏となるだろう)
即ち、日本はアメリカに従属するか、中国に従属するかの2者選択を迫れれている。

私は学生時代「70年安保反対」でノンポリ学生としてデモに参加した。しかし今、私は日米安保条約こそ、日本が平和を守る一番の手段であると思う。


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