円安と異次元の金融緩和そして異次元の総理大臣

円安が止まらない。
かつて私はフィリピンに旅行した。いや、それ以前に学生時代、大学の先生に引率されてフィリピンに旅行している。その当時、日本はバブルの時代であった。通算すると何回フィリピンに旅行したのか解らないが、時代に分けて言うと40年前、4年前、そして現在はフィリピンの女性に介護を依頼している。そして経済的には40年前は明らかに日本はフィリピンと比べて先進国であった。先進国と言う定義は私には解らない。ここでは物価が安かったことを言う。大学の学校の先生は「フィリピンは革製品が安い」と言っていたので、先生の言うように革靴を買った。確かに安かったが、一年くらいで壊れてしまった。まさに日本と同じように「安かろう、悪かろう」であった。そして4年前、フィリピンに行った。ホテルのレストランでカレーを食べたら1000円、ほぼ日本のココイチと同じ値段である。今はフィリピンのお手伝いさんに言わせると「日本は物価が高い」という。
これを私なりに解釈すると、日本人の生活レベルはフィリピンより低いことになる。
生活物価とは解らない。ビックマック指数はあるが、ハワイでもフィリピンでもマグドナルドを見たことが無い。ハワイでは地元のハンバーガーショップが軒を連ねている。フィリピンでもマグドナルドはあるらしいが、私の眼には入らなかった。しかし、ホテルのレストランのカレーが1000円、ひなびた食堂のランチが6,7百円を考えると、ほぼフィリピンと日本と同じ物価であると思う。しかし、これも比較にならない。フィリピンではひなびた食堂の値段であり、日本では小ぎれいなガストの値段である。はっきり言えることは、ほぼ生活水準は日本と同じレベルであるだろうと言うことである。

さて本来の異次元の金融緩和になる。
完全に異次元の総理大臣による、異次元のゼロ金利政策は失敗であった。

日本は伝統的に異次元と言う言葉が大好きである。

義経は鵯越の戦いで、壇ノ浦の戦いで圧倒的に有利な平氏を破った。
信長は桶狭間の戦いで圧倒的に有利な今川を破った。
関ヶ原の戦いでは有利なはずであった石田三成が家康に敗れた。
日露戦争では圧倒的に有利なバルチック艦隊を日本海軍が破った。

圧倒的に有利な敵を少ない軍で破ることが日本の伝統であった。これこそ異次元の総理大臣の言う異次元の勝利であった。しかし、ことを詳細に検討すると、からなずしも運だけでは無かった。考えようによっては決して異次元の作戦では無かった。
異次元とは異次元の総理大臣の言うような「めちゃくちゃ」な作戦ではない。しかし、異次元の総理大臣はめちゃくちゃに政治を行っても何とかなると思っている。異次元の総理大臣は「聞く耳を持っている」と自慢そうに言っていた。異次元の総理大臣だからめちゃくちゃに言ってもかまわないと思っているのだろうか。しかし、よく考えると異次元の総理大臣の意味はよく解る。聞く耳とは、国民の意見を聞く耳ではなく、派閥の意見に耳を貸すと言う意味であろう。国民無視の異次元の総理大臣は、消費税をあげること、民衆から血税を奪うことに必死である。私は異次元の総理大臣の支持率が低迷している一番の原因は「増税メガネ」という言葉に異次元の総理大臣は酔いしれているとしか思えない。
異次元の総理大臣は「リスキリング」と言う言葉が大好きである。本当に異次元の総理大臣はリスキリングを考えているのだろうか。

かつて父が言っていた。
「国鉄に入社した東大出の職員も最初切符切りから始める」
異次元の総理大臣が「リスキリング」と言うなら、自分から率先して工場労働者となるべきである。異次元の総理大臣がリスキリングというなら自分からリスキリングを実践して工場労働者になって、それから再び選挙を経て総理大臣になったらどうだろう。先進国であるスウェーデンでは国会議員も現役の工場労働者がいると言う。異次元の総理大臣は無責任にリスキリングという言葉を発するべきではない。だから国民は嫌うのである。異次元の総理大臣もリスキリングをして、本を読んだり、メディアの動向を知り、自分がいかに国民に嫌われているかを理解するべきである。普通の精神なら国民から嫌われていることが理解出来たら、すぐに辞職するべきである。これが民主主義である。

さて本題の異次元の金融緩和である。
日本はバブルの時代が今でも続いていると思っている。いまだに日本はアジアの先進国であると日本人は信じて疑わない。確かに日本は大国である。何故なら人口が多いからである。人口の多い国、資源の多い国が大国であるかもしれない。日本的な考えでは日本より人口の多い国がすでにアジアに存在する。これこそ中国でありインドであり、インドネシアである。現在、GDPや科学技術の大国はアメリカ、中国は不動である。次に科学技術に優れたドイツ(ドイツは人口では大国日本に遠く及ばないが、日本より技術は優れている)
そして韓国、台湾は日本より半導体は優れている。しかし、技術で勝っても人口が少ないから、GDPでは日本に及ばないだろう。だから韓国、台湾は大国とは言えない。

どうして異次元の金融緩和が失敗したのであろうか。これこそ日本の国家社会主義政策にある。国家社会主義では政官財(政治家、官僚、財界)が三位一体となっている。勿論裁判所も例外ではない。すべてが一丸となり国家社会主義にまい進する。

私は国家社会主義を否定しているわけでは無い。民主主義と国家社会主義とは相いれないものではないからである。
どのような政体をとっても、政府は国民の平和と利益を守らねばならない。

今のトランプ大統領候補は、戦争が大嫌いのようだ。アメリカ国民の利益を守るために、メキシコからの難民を排除して、アメリカ国民の利益を守ろうとしていると思う

これに対して異次元の総理大臣は、自分の利益、官僚の利益のみを追い求めている。国民がどんなに異次元の総理大臣を嫌っても聞く耳を持たない。選挙で勝利し、自民党独裁政権を守ることのみを考えている。
異次元の総理大臣は何を考えてるか意味不明である。

そろそろ本題に戻ろう。異次元の総理大臣と異次元の日銀は、異次元の金融緩和を愚かにも行った。金利ゼロで銀行を運営すれば、日本に円はじゃぶじゃぶになる。しかし、異次元の総理大臣はあくまでも異次元である。じゃぶじゃぶになった日本の円は、当然先進国であるアメリカや中国に流れる。安い円、貧しい日本はアメリカなど先進国にとって理想的であった。
安い物価の日本にインバウンドと言う言葉が発生した。私が学生時代、当時の途上国であるフィリピンで円の価値の強さを実感した。聖徳太子の日本円は外国では憧れとなった。フィリピンの空港に飛び立つとフィリピン人が日本人に群がった。聖徳太子の日本円が欲しいのである。現在、円は聖徳太子から貧相な福沢諭吉に代わった。勿論、福沢諭吉が悪いわけでは無い。
今、円の肖像画は渋沢栄一に代わった。渋沢栄一など私は名前だけしか知らなかった。「景気の気は気分の気」であると言う。お札が変わったことで日本は沸いている。お札が変わっても、総理大臣が変わらねば何の意味もない。今こそ人心を一新してお札も総理大臣も変わるべきである。

日本は変化する時期である。チェンジする時期なのである。小さくても良い。途上国でも良い。国民が安全で豊かな国家を築くべきである。中米のコスタリカ、ヒマラヤのブータンなどが理想国家である。国力は弱いが、国民が豊かな国家である。

ある評論家が言った。
「日本は江戸時代の日本に戻るべきである」
江戸時代は戦争が無かった。士農工商と言う身分制度は幕末には商人が力を持っていた。貧乏な武士は「武士は食わねど高楊枝」とうそぶいた。そして、その下級武士から商人から西郷隆盛が現れ、坂本龍馬が現れたのである。勝海舟も例外ではなく、下級士族で貧困であったと言う。

今日本に必要なのは優秀な人材である。優秀な人材とは確固たる信念を持った政治家である。西郷隆盛のような人材である。日本人が皆好きになる人材である。西郷隆盛の征韓論が正しかったかどうかは議論が分かれることである。西郷隆盛は国賊?として死んでもなお、鹿児島の人々は尊敬している。

私は今、日本国家社会主義は倒れるべきであると思う。イギリスのような先進国では議院内閣制は機能しているが、日本のような国家では機能していないのである。中国でもロシアでも選挙がある。しかし、日本と同じように機能していないのではないか。

結論
おろかなゼロ金利政策は完全に失敗した。日本の歴史の原則のように、ゼロ金利政策を誰が言い出したのか解らない。日本が先進国であるかどうかは解らない。しかし、人口が多いから大国であることは事実である。

ある評論家が「江戸期の日本が理想国家である」と言った。

この言葉は大きな意味を持っている。江戸期には日本の人口は3000万人ほどであったという。日本の人口が飛躍的に伸びたのは、明治政府の「富国強兵政策」で産めよ増やせよをスローガンにしたのである。本当に少子化対策が必要なのであろうか。ましてや少子化対策を口実に増税を考えている異次元の総理大臣の知能を疑う。異次元の総理大臣こそ真っ先に「リスキリング」の教育を受けるべきである。

トランプは異次元の総理大臣が日本の総理の続投を望んでいると思う。何故なら異次元の総理大臣はトランプにとってくみし易いからである。外交音痴の異次元の総理大臣はトランプの格好の相手になるだろう。
かつてのブッシュ大統領と小泉純一郎総理大臣、安倍晋三とトランプは緊密であった。アメリカの要求をある程度拒否した。
外交とはそのようなものである。過去においても現在においても日米外交は日本にとって最重要な国家戦略である。私の直感では(直感で申し訳ないが)トランプは在日米軍駐留費を増額するように日本に申し入れるであろう。外交音痴の異次元の総理大臣がトランプと政治交渉できるはずはない。アメリカの要求を100% 飲まざるを得ないであろう。

アメリカの情報は日本の情報とは全く違う。正確に言うと、情報の判断能力である。民主主義のアメリカでは、国家社会主義の日本とは考えが違う。選挙で民主的に選ばれた政府こそ、本当の政府であると思っているだろう。国民の支持率が30%の異次元の総理大臣の政府など、民主国家として認めないだろう。となればアメリカは在日米軍基地に法外な予算を要求するだろう。その時、小泉純一郎や安倍晋三ならアメリカと交渉するだろう。しかし、外交音痴の異次元の総理大臣なら交渉できないだろう。

日本は国家社会主義を標榜している。国家社会主義とは官僚主義と言うことである。これは資本主義、社会主義とは違う分類である。ロシアでは官僚主義をスターリン主義と言うらしい。中国では習近平思想を確立しようと必死である。ロシアも中国も、私に言わせれば国家社会主義である。

日本では東大閥である。京都大学でも官僚で出世は困難であるだろう。異次元の金融緩和も同じである。ゼロ金利政策は失敗であった。しかし、ゼロ金利政策を否定しない。何故なら代々の金融政策を日銀、官僚などお互いに協力して政策を立案しているからである。かつての日銀総裁を決して非難しないであろう。ゼロ金利政策をとった同じ東大出身の過去の日銀総裁の非難は出来ないのである。しかし、ゼロ金利政策は徐々に改善するだろう。アメリカが金利を下げることに関して躊躇している。アメリカは高金利政策を当面続けるようだ。日本にとって追い風であろう。先進国はインフレ抑制と言う理由で高金利政策、日本のような途上国は産業振興のために低金利政策と、先進国と途上国で経済政策が違ったからである。

しかし現在、異次元のゼロ金利政策を日銀は変更せざるを得なかったことは間違いない。これから日本の金利は徐々に上昇するだろう。そしてアメリカの金利は徐々に下がるだろう。そして数年後にはアメリカのような先進国と、日本のような途上国での金利差はかなり縮小するかもしれないが、これには数十年必要かもしれない。

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