偽(ニセ)バブルを考える

今の時代はバブルであると評論家はうそぶく。本当に今はバブルなのであろうか。私は今はバブルの時代ではないと思う。強いて言うとニセバブルである。かつて私はバブルの時代を経験した。あの時代、少なくとも経済的な面に関してはバブルであった。バブルとは夢のある時代であると思う。今の時代は決して夢は無い。その意味でバブルではないのである。
突飛なことを言っても始まらない。その理由を述べたい。

第一に、次期アメリカ大統領はトランプに間違いないと思う。サルの国である日本は、バイデンが勝利すると思っている。トランプは共和党候補にも慣れないと思っていたサルもいた。これこそ「もしトラ」である。この言葉は今は絶滅寸前である。もしトランプがアメリカ大統領になったらサルの国日本はどうなるのだろう。この恐怖心が「もしトラ」と言う言葉で薄れることを希望したのである。戦前、日本人がアメリカの大艦隊を見て、「神風よ吹け」と念じたことと符合する。アメリカのB29を竹やりで落とすことを考えたこととも符合する。サルである日本人は、本当にB29を竹やりで落とすことが出来ると考えていたのであろうか。天皇が現人神であると本当に思っていたのであろうか。
「もしトラ」も同じである。トランプ大統領を日本人は恐れているのである。トランプが日本人が恐れる気持ちはよくわかる。しかし、恐れていても何も解決しないのである。「もしトラ」といって祈るしかないのであろうか。
私はトランプが大統領になると、日本の政治、経済は一変すると思っている。大統領も人間である。アメリカ人は日本人のように現人神など信じていないのである。
もっと具体的に言おう。かつての安倍総理大臣はトランプと親密な関係であった。もし、安倍総理大臣が存命なら、事態は全く違っていたかもしれない。安倍も人間であり、トランプも人間なのである。二人とも現人神ではないのである。ゴルフをして電話をして、日米関係を打破することが出来るかもしれない。しかし、今の日本はサルの国家である。異次元の総理大臣に外交交渉は出来ないのである。サルは祈るしかないのである。

もっと具体的に言おう。バイデンはその政治的手腕に問題がある。バイデンになってから戦争が絶えない。ウクライナ戦争は何時になったら収束するのであろうか。このままでウクライナ戦争は百年戦争になるであろう。戦争に正義も悪もないのである。勿論、後付けは簡単である。あの忌まわしい太平洋戦争も、サルに言わせれば、アジアの国々を西欧の帝国主義から守る戦争であったと後付けする。しかし、太平洋戦争は決してアジアの諸国を解放するための戦争では無かったことは明白である。勿論、結果としてアジアの国々は欧米列強の植民地から解放されたことは事実である。しかし、そのようなことをアジアの国々はサルの国に感謝していると思ってはいない。だからサルの国では、自国がアジア全体から感謝されていると誤解することとなる。サルの国は自国が正しいと信じて疑わない。そして世界中から愛される国家であると思っている。

話はそれたが、次期アメリカ大統領はトランプで間違いないと思う。サルの国が「もしトラ」という名前で、怨念をかけても無駄である。
どうしてトランプが次期アメリカ大統領になると日本にとって都合が悪いのだろう。どうして「もしトラ」という怨念の言葉で呪縛したのだろう。天皇が宮中で祭儀を執り行っても無駄である。
では日本にとってトランプはどうして脅威なのであろうか。バイデンがどうして都合がいいのだろうか。
その前に言っておきたいことがある。戦争は悪であると言うことである。絶対悪である。理由は要らない。理由は後付けなのである。太平洋戦争は日本軍がアジアの国々を解放するために行った戦争であると後付けしても、誰も納得しないだろう。
次期大統領がトランプであると言う理由がここにある。

戦争で一番儲かるのは、戦争をしないことである。これこそ日本帝国主義の起源であると言ってもいいだろう。日本は日清、日露の戦争で勝利した(正確には勝利したわけでは無いが、本題とは外れるので勝利したと仮に述べる)。しかし、日本帝国主義が本当に成功したのは第一次世界大戦であった。この第一次世界大戦こそ、日本帝国主義の起源である。
第一次世界大戦では戦線はヨーロッパに限局した。そして、太平洋の広大なドイツ領の島々を日本海軍はほとんど無傷で占領した。これに関しては日本国内で議論があった。明治の元勲はそのような火事場泥棒をすると、日本は世界中から非難されるだろう。火事場泥棒はいけないと警告した。しかし、東京大学、海軍大学を卒業したエリート(自称)は、今こそ絶好の機会である。第一次世界大戦で世界中の目がヨーロッパに向いている中、太平洋のドイツ領を無血で占領する絶好の機会であると譲らなっかった。そして、日本海軍は無傷で太平洋の島々を占領したのである。これ以後、明治の元勲の力は衰え、東京大学、海軍大学のエリート?の時代となるのである。

サルの国家では反省は無い。儲かればいいのである。
日本は弱小国家である。さらに科学技術も遅れている。すこし前まで、アメリカの半導体技術は今一であった。そしてウクライナ戦争で多くの最新兵器を無償提供した。このウクライナ戦争でアメリカ経済で繁栄したのである。そして資源もない、科学技術もない日本は、アメリカの援助でそれなりの繁栄をしたのである。

アメリカは伝統的にモンロー主義の国である。このモンロー主義が崩れたのは中国である。アメリカは極東は中国に、そしてヨーロッパはEUに任せるつもりであった。しかし、極東で大事件が起きた。中国が共産化したのである。極東の盟主は居なくなった。途上国である日本はどうすれば良いのだろうか。残念ながらその方法は無い。資源もない、科学技術もない日本にその術はないのである。例えば、日本の生命線である東南アジアの石油ルートを中国が押さえたらどうなるのであろうか。

かつて日本海軍は山本56を中心として、世界一の戦艦、大和を建造して、真珠湾テロを起こした。しかし、山本の考えとは裏腹に、世界は大艦巨砲主義から航空機中心の時代へと変わっていたのである。
今や、大艦巨砲主義から、科学は半導体に移行している。半導体こそ最先端の技術である。私もサルの一人である。半導体のことについて何も知らない。しかし、サルにもサル知恵がある。
半導体に関しては、すでに先進国である台湾が、九州にその拠点の一つを移したと言う報道がある。台湾がどうして九州にその拠点の一つを移したのかは疑問である。国家防衛と言うのが一番の理由であるだろう。しかし、小さい理由に、最新の台湾の半導体の技術が仮にサルの国である日本に漏れても、台湾はサルには半導体を作れないと踏んだのではないか。勿論、最高の機密はサルには教えないことは前提である。
そしてサルはもう一つの方法を考えた。北海道に国産品の半導体工場を作ると言うのである。私はその考えを鼻で笑っていた。国産品で半導体が出来るはずはない。
日本には日本の国是がある。
「これこそ、安かろう悪かろう」の国産品である。話はそれるが、今日本はバブルに沸いている。この理由こそ、円安である。円安で奇跡的に、一時的に日本景気は持ち直した。これこそ今のバブルの正体である。円安で奇跡的に日本企業は回復した。安かろう悪かろうの工業製品の輸出が伸びたのである。幸いなことに日本は農業国である。私に言わせれば、これはおかしな話である。日本は農業国であると言うサルの論理で、コメ一粒たりとて輸入は禁じている。このようなサルの論理が世界に通用するはずはない。

トランプはその政権構想で、中国に関しては60%、他国に関しては10%の関税を主張している。日本は農業国であるという理由で、農業の自由化を拒否してきた。しかし、このようなサルの論理がトランプに通用するのであろうか。

鉄は国家の基幹産業である。特に先進国、工業国では基幹産業である。アメリカ国民は怒っていると思う。いまでこそ、反日ではないが、いずれアメリカで反日運動が起きることは間違いない。今回のUSスチール買収計画がその引き金になるかもしれない。

私がトランプなら、新日鉄を買収するだろう。簡単である。新日鉄の鉄鉱石、石油の輸送ルートを新日鉄が守ればいいのである。新日鉄ではなく、日本政府も同じである。日本の自衛隊が、広大なシーレーンを中国から守ることは完全に不可能である。アメリカがシーレーンを守っているのである。日本のような弱小国家が、世界と対峙することは不可能である。スイスやスウェーデンのような科学立国とはわけが違う。そのスウェーデンも、ロシアの恐怖に耐えられず、EUに加盟した。

日本で一番大事なことは国際協調である。日本の国是である異次元は絶対にいけない。日本が先進国かどうかは解らない。しかし、人口が多いから先進7カ国に入っているのである。
例えば、金融問題である。先進国は金融引き締めをして、物価の上昇を抑えようとした。しかし、日本は金融緩和した。これこそ異次元の金融緩和である。この金融緩和には大きな問題がある。日本は農業国であるからである。先進国の多くは工業国である。食料は輸入に頼っている。しかし、日本は農業国である。コメの値段もそんなに暴騰したわけでは無い。先進国のインフレと、日本のような途上国のインフレとは次元が異なるのである。
物価で一番大事なものが食料品である。日本では米である。農業国である日本がゼロ金利政策と言う異次元の政策で、乗り越えたのである。これは政府や日銀が偉いのではない。この未曽有の国難に耐えた日本国民が偉いのである。そして一番の理由は日本が農業国であったこともある。あの未曽有の時代に、食料には不自由しなかったからである。

トランプが大統領になったら世界は一変するだろう。日本はもっと儲けようとして国産品の半導体を北海道に作ろうとしている。日本の技術で国産品の半導体は不可能である。半導体はあらゆる分野で必要である。勿論、軍事的にも必要である。国防と言う観点からも最重要な産業である。
日本で半導体の開発技術があるはずはない。北海道の国産の半導体は不可能である。北海道の半導体工場は優れたアメリカ人の技術者が関わっていると報道された。もし、トランプが大統領になったら、半導体技術は国家機密として日本には教えないだろう。勿論、日本に部品はともかく、技術者も派遣しないだろう。そしてシーレーンもアメリカは守ってくれないだろう。日本製鉄が自力で鉄鉱石や石油を調達するしかなくなる。まさに太平洋戦争の前夜と同じ状況となるだろう。そして戦艦大和を建造するのだろうか。勿論、異次元の総理大臣も、戦艦大和を作ることは無いだろう。おそらく、アメリカからイージス艦を買うのだろう。そして軍国日本を作るのであろう。もう止めよう



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