見出し画像

中村雅俊ライブ@錦糸町

 2024年2月1日(木)は中村雅俊73歳の誕生日。その日にすみだトリフォニーホール(墨田区錦糸1-2-3)で「中村雅俊 symphonic Live 2023-2024~What's next~」が開かれた。
 新日本フィルハーモニー交響楽団を従えてのコンサートだった。指揮は円光寺雅彦さんが務めた。サポートミュージシャンは大塚修司さん。
 オープニングは「思い出のクリフサイド・ホテル」。
 「根津甚八さんと刑事ものをやって、結構楽しい思い出です」と中村さん。「カーアクションがあってUターン、回転して戻るっていうあれやってたんですよね。俺あれが得意で、昔の車ってサイドブレーキがあって、Uターンしろっていわれたら、サイドブレーキを上げると同時にハンドルを回すんです。砂利を道路に撒いておくと回転しやすい」。
 そして、1975年から日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ「俺たちの旅」が50周年記念で映画として戻ってくると明らかにした。
 ここでそのドラマの挿入歌「ただお前がいい」と主題歌「俺たちの旅」を歌った。どちらも作詩作曲は小椋佳さんである。


 ここから北海道に何拍かした時の話になった。「朝からホテルの地下にあったカラオケで、よく歌ったのはサザンの「いとしのエリー」。エリーが年取ったら「年取った時のエリー」」と話した。
 それから名前の話になって、「東北って阿部という姓が多いんですよ。高校時代にれいじ君っていて、あべれいじですよ。アベレージだから、みんなからお前「平均」っていわれてました。それから「ちんすみれ」って人がいて、すみれはパンジー。だから「チンパンジー」」などと続けた。

お茶の水の駿台予備校
 ここで歌に戻り「ゆうひが丘の総理大臣」の挿入歌「海を抱きしめて」。浪人時代の話をした。「浪人してお茶の水にあった駿台予備校に通ったんだけど、そこに入るのにも試験があったんですよ。運よく午前部に入って、下総中山からお茶の水まで毎日通いました。寮では4人部屋でした」。
 「いつも4人で行動していて、ちょうど下総中山からお茶の水に行く間に小岩駅とかあって、アナウンスが「こいわ、こいわ」っていうと、ピンキーとキラーズの「恋の季節」のように「恋は、恋は」と4人で満員電車の中で歌うとみんながプッとなって、それが面白くてやってました」。


 2013年に中村さんが頼まれて、その2年前の東日本大震災で被災した宮城県東松島の2つの小学校が統合し誕生した市立鳴瀬桜華小学校のために作曲した校歌を披露した。
 中村さんはここで「これからのスケジュール」を披露した。今年6月に明治座で50周年記念講公演を開くこと、5月にアルバムを出すことを紹介した。アルバムはCD4枚組で、人気投票によって選ばれたベスト30がそのうちの2枚、残る2枚は「全部俺が作った曲」となるという。
 コンサートの前半を締めくくったのは初主演ドラマ「われら青春」の挿入歌にして大ヒット・シングル「ふれあい」だった。

 後半は「心の色」からスタートした。
 今年はデビュー50周年となる中村さん。その話になった。「ずいぶん長いことやって来たと思います。みなさんもずいぶん長いこと俺についてきましたね。デビューしたころ、「歌う青春スター」といわれてたんです。そしていまでもラブソングを歌っています」。
 「俺は文学座の研究生でした。「太陽にほえろ」のプロデューサーのオーディションみたいのを受けて、7人ぐらい残されて、セリフを言わされたりしました。まさか自分が選ばれるとは思ってませんでした。2週間ぐらいしたら「先生役をやらないか」といわれて、それから俺の人生が始まりました」。そう、それがテレビドラマ「われら青春」の先生役だった。
 「お芝居が出来ないのにいきなり主役ですよ。その時の生徒たちは驚いていたみたい。貧乏学生だった俺。「何でこの人が先生なの」って生徒たちは思ったみたい。でも今でも仲良くって忘年会をやっています」と話した。

寄せられた花@ロビー

 この後は「時代遅れの恋人たち」などを歌った。
 桑田佳祐さん作の「恋人も濡れる街角」に関しては「以前、桑田さんに書いてもらった「マーマレードの朝」が売れなかったのだけど「またやりたい」って桑田さんから書くと言ったという説と、俺が「書いてくれ」って言ったという話と両方ある。覚えてないんです」と話した。
 多分カラオケで一番歌われている中村さんの曲だ。

 次は中村さんが「大好きな詞の世界」という「家路」という曲を歌った。これは「過去の恋が正しかったのか」と悩んでいる歌である。
 ここからはアンコールに突入。最後の最後を中村さんは「マイ・フェイバリット」と呼ぶ、ファンである吉田拓郎さんに書いてもらった「いつか街であったら」。およそ2時間のステージの幕が下りたのだった。

すみだトリフォニーホール

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?