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昭和歌謡フェス「八方祭」

 新宿2丁目のディーヴァ3人から成る「八方不美人」が豪華ゲストを招いて懐かしの昭和歌謡の数々を歌い上げる「新宿昭和歌謡フェス 八方祭」。
 その音楽イベントが2024年1月12日(金)、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA(渋谷区千駄ヶ谷5-24-2タカシマヤタイムズスクエアビル紀伊國屋書店新宿南店7F)にて行われた。
 定刻になると会場に流れていた中原理恵の「東京ららばい」の音量が上がって暗くなった。そこに現れたのは八方不美人の3人で、彼らはオリジナル曲「愛なんてジャンク」を力強いボーカルで歌った。
 続けて歌ったのは「罰をくらえ愛で」。そして3人がエスムラルダ、ドリアン・ロロブリジーダ、ちあきホイみの順に挨拶をした。「お腹がいっぱいになるまで昭和歌謡をあなたに楽しんでもらおうと思います」。
 ここでなぜ彼ら(?)が昭和歌謡に魅かれるのかの話があった。


 そして八方不美人の昭和歌謡ショーの開幕だ。
 ピンキーとキラーズの「恋の季節」、ジュディ・オングの「魅せられて」、沢田研二の「勝手にしやがれ」が次々と歌われた。
 ここで趣向を変えて、テーマを決めての選曲となった。ここでのテーマは「この歌詞にしびれる」で、3人それぞれ好きな歌詞の曲を選んだ。
 まずドリアンがチョイスしたのは梅沢富美男の「夢芝居」で、作詞は小椋佳。スクリーンに歌詞が映し出された。
 特に好きな歌詞は「けいこ不足を幕は待たない 恋はいつでも初舞台」というところだという。「恋は稽古出来ません。毎回相手が変わるから」。
 次にホイみは岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」を選んだ。作詞は山川啓介。特に好きな箇所は「この都会(まち)は戦場だから」。
 ホイみにとって都会(まち)とは新宿2丁目のことを指し、「新宿2丁目」と書いて「まち」と読ませるという。
 エスムラルダが好きな歌詞の曲は渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」。2丁目のおかまがよく歌うという。作詞は伊藤アキラ。好きな歌詞は「あなたが本気で愛したのは 絵になる港の景色だけ」というところ。
 「曲はインパクトあるけれど詞をよく読んだ人はいるのかどうか」。
 説明が終わるとそれぞれが自分の選んだ曲を歌った。

タブレット純の歌謡漫談がバカうけ
 それから特別ゲストのタブレット純が登場した。
 一曲目は敏いとうとハッピーブルーの「よせばいいのに」。
 歌い終わるとタブ純さんはさっそくギャグをかました。「最近、にせアルフィーといわれています」「浅草橋の飲み屋に一人で入ると「奥さん、日本語しゃべれるの?OK?」。入って2秒で間違いが2つです」。
 会場が大爆笑となった。
 続けて「日常でよせばいいのに」というお題でいくつかのネタを歌った。これまた観客は大喜びで大いに沸いた。
 タブ純さんもまんざらでもない様子でうれしそう。
 ここからはタブ純さんが自ら描いた似顔絵を見せながら物まねを披露した。永六輔、伊東四朗、田中角栄などなど。
 漫談から歌に戻って藤圭子の「新宿の女」。
 それからタブ純さん愛用の楽器「ギタレレ」の話になった。
 タブ純さんはアドリブが繰り出されることについて、「浅草東洋館の10倍くらいのお客さんで舞い上がってしまいました」。
 ムード歌謡についての説明の後、「昭和のお色気といえば」としての前置きから中条きよしの「うそ」をエスムラルダが歌った。
 「うそは遊び人でないと歌えない世界。日々、相当お尻を痛めたんじゃないの」とタブ純さんが文字通り突っ込んだ。
 ここで八方不美人とタブ純さんの4人で「星降る街角」を踊りながら歌った。その最中に、タブ純さんは隣のドリアンに迫って頬を手で挟むとキスをした。突然のことでみな驚いたが、すぐに会場は爆笑に包まれた。
 しばしトークが続いた後、タブ純さんはステージを後にした。

平山みきが「真夏の出来事」を熱唱
 次のテーマは東京。まずは美空ひばりの「東京キッド」。そしてザ・ピーナッツの「東京の人」、藤山一郎の「東京ラプソディ」、ちあきなおみの「赤とんぼ」、笠置シヅ子の「東京ブギウギ」と続いた。
 次なる特別ゲストはベテランの平山みきと間宮真貴の二人だった。
 まずはピチカート・ファイブ3代目ボーカリストとして知られる間宮が「東京は夜の七時」を歌った。
 続けて黄色い衣装に身を包んだ平山みきが代表曲「真夏の出来事」を披露した。誰もが聞き覚えのあるハスキーボイスに酔いしれた。
 平山と間宮の二人は最近一緒に歌っているという。そして現在配信中の曲が2月14日にCDでリリースされることになったという。
 まず「ステージで初めて歌います」という「ホットな地球」が一曲目、続けて「アーチスト」というカップリング曲が2人によって披露された。
 ここからは八方不美人による「怒濤の昭和歌謡メドレー」となった。
 寺尾聡「ルビーの指輪」、小柳ルミ子「おひさしぶりね」、布施明「君は薔薇より美しい」と昭和歌謡の名曲が続いた後、3人が一緒に「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)を熱唱した。
 アンコールは八方不美人のオリジナル曲「地べたの天使」
 ゲストの3人が再びステージに戻って来た。タブ純さんは赤いドレスで頭には赤いバラ。八方不美人もセクシーなスリットが入ったチャイナドレスを着ていたが「やられた」という風情だった。
 そして全員で尾崎紀世彦の「また逢う日まで」を歌った。
 タブ純さんは胸からチリ紙を取り出すと最前列のお客さんたちになぜか(?)配っていた。幕が下りたのはオープニングから2時間半後だった。

 
 
 

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