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中尾ミエ 喜寿ライブ

 中尾ミエさんが喜寿を記念したコンサート「77th Birthday Live:No Time At All~人生もっともっと楽しまなくちゃ~」が2024年2月9日(金)に東京・有楽町の「I'm a show(あいましょう)」に開催された。
 昨年6月6日が77歳の誕生日で、それを記念したコンサートを開いたところ大好評だったための「アンコール」開催だという。
 同12日(月・祝)まで続く記念ライブの初日を鑑賞した。
 ステージ後ろの大スクリーンに「At the time of pretty little baby」との文字が出て、中尾さんの子ども時代の写真が映し出された。


 中尾さんが歌った一曲目は「Welcome to my show」。
 そして紫色のドレスに身を包んだ中尾さんが次に歌ったのは「帰って来た女」。歌い終わると中尾さん「あっという間に77歳になってしまいました」などと話すと「デビュー曲を」といい「可愛いベイビー」を歌った。
 これはコニー・フランシスの「Prettly Little Baby」のカバー曲だ。
 1962年、中尾さん16歳の時、リリースされた「可愛いベイビー」は大ヒットを記録し、中尾さんは一挙にスターの座を射止めた。


 スクリーンの映像は中尾さん、伊東ゆかりさん、園まりさんの「3人娘」の写真となった。デビューの翌年、結成されたが「3年くらいしかやっていなかったけれど、印象が強かったらしい。20年くらい経ってから再結成しました。みんな健在ですから、また集まれるかも・・・」と中尾さん。
 ここからは中尾さんも出演していた人気テレビ番組「ザ・ヒットパレード」や「シャボン玉ホリデー」などの主題歌も演奏されていく。

洋楽カバーのメドレー
 中尾さんが「私の全盛期」といってカバー曲のメドレーとなった。
 シルヴィ・バルタンの「アイドルを探せ」、フランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」、米映画の主題歌「バイ・バイ・バーディ」、もともとはイタリアの楽曲でエルビス・プレスリーの歌で知られるようになる「この胸のときめきを」と続いた。
 次に披露されたのは「スターダスト」。
 続けて中尾さんが初めて詞をつけた曲で「三つの自画像」。作曲は森山良子さん。次のような歌詞がある「16歳の自画像には 勝気な目の少女がいるわ 精一杯背伸びして 大人と肩を並べてる」「25歳の自画像には 大人の香り気取る私 マニュキアを替えるように いろんな恋を着こなして」。
 中尾さん自ら「自伝のような歌」だといっていた。
 中尾さんは渡辺プロダクションに所属していた。当時の「ナベプロ」は向かうところ敵なしの大芸能プロ。所属タレントも多士済々だった。
 中尾さんは1961年以来30年間ナベプロに所属したのち、30年間、そこを離れた後、2019年に再びナベプロに復帰した。
 中尾さんとゲストのモト冬樹さんは二人で、ザ・ピーナッツの「情熱の恋」、もともとはポール・アンカの作品だがロカビリー・ナンバーとして日本では多くの歌手に唄われた「ダイアナ」を披露。

ナベプロの錚々たるメンバーたち
 ここからは3人娘の楽曲となり、まず伊東ゆかりさんの「小指の思い出」、続いて園まりさんの「逢いたくて逢いたくて」。
 ここでナベプロのお笑いスターたちに目を転じて、クレージーキャッツの「スーダラ節」、ドリフターズの「いい湯だな」を歌った。
 ここからさらにナベプロ特集。
 小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」、タイガース「シーサイドバウンド」、布施明「シクラメンのかほり」、キャンディーズ「春一番」、トワエモア「誰もいない海」、ワイルドワンズ「想い出の渚」といった懐メロが続いた。
 こうしたスターたち、ヒット曲の数々を聞くにつけて、当時のナベプロがいかに巨大な存在であったかが分かる。
 モト冬樹さんのほかにミュージカル「ビビン」で中尾さんと共演した尾藤イサオさん、正司花江さん、光枝明彦さんも駆けつけた。
 中尾さんが77歳、正司さんが88歳、光枝さんが86歳で、モト冬樹さんと尾藤さんの二人が最年少で80歳。
 みなで「ぼけてなんていないぞ」という歌。
 途中、花江さんがギターのテクニックを披露した。ベンチャーズ風な「テケテケテケ」を弾いた後、「かしまし娘のテーマ」となった。
 かしまし娘の歌江さんが今年1月19日に94歳で亡くなったばかりでもあり、花江さんの健在ぶりに大きな拍手が起こった。
 「(12日に)このライブが終わるまでは生きていてください」と花江さんに声をかけると、彼女は「生きてるわい!!」。

大いに気を吐いた尾藤イサオさん
 それから途中に「尾藤イサオコーナー」とでもいえるような時間も設けられて、プレスリーが大好きな尾藤さんは「All shook up」「Jailhouse Rock」「Lucille」「Can't help falling in love」を熱唱した。
 さらに続けて尾藤さん自身の大ヒット曲「悲しき願い」。
 中尾さんの歌に戻って、しみじみと歌い上げられたのは「片想い」と言う作品。ある音楽祭でこの歌が他の歌手に歌われているのを耳にした中尾さんが一目ぼれ(!?)して、「奪い取った」のだという。
 もともとは1971年にシングルとしてリリースされたが売れず、77年に再発されておよそ18万枚のヒットを記録したのだという。
 そして、今回のライブのテーマでもある「No Time at All」という歌が、トレーニングする人たちがスクリーンに映し出される中、歌われた。
 そう、腹筋を鍛える様子などが映されたが、中尾さん自身ミュージカル出演の際に身体を鍛えたといい、ステージでの動きは軽快だった。
 アンコールは「誰かがあなたを愛しているから」で締めくくった。
 


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