虹の橋🌈を渡った愛犬くうと私の後悔final

くう頑張ったね、10年間ありがとう。

ウ〜〜アァ〜〜ア〜〜

くうは夜中になると苦しそうに、今まで聞いたこともない声をあげるようになっていました。

お水を自力で飲むことも出来ず、首を支えてあげて私の手に付けた水で舌を湿らせることで水分を摂らせる。そんなことしか出来ない、何もしてやれない、苦しい日々でした。

もう長く一緒に居ることは叶わないのかもしれない、そんな弱気な気持ちも出てきてしまう私。

それでも1日でも長くそこにいて、頑張ってほしい。

まだ行かないで。まだ連れていかないでください、、、。

そう毎日祈るしかありません。

色々な感情が入り混じりながら過ごしていましたが、そのときは日曜日の夜中に突然にきてしまったのです。

その日は朝から、あの苦しそうな声をあげたくう。苦しそうで、悲しそうで見ていて辛かった。

撫でたり、声をかけたり、抱きしめたり。

皆んなが片時も離れず、そばに居ました。

夜になって皆んなが就寝しようとすると、またあの苦しそうな声が、、。

数日あげていたその声でしたが、その日はなぜか、

「今日は皆んなで一緒に寝ようか？」

そう娘に声をかけて、リビングに布団を敷いて皆んなで一緒に寝ることにしました。

くうとのお別れが近づいているのが分かったわけではなく、それがいつになるか分からず怖かったから。

布団を敷き横になり、私の顔の前に横たわるくうのお腹を撫でながら眼を閉じて、呼吸を感じていました。

呼吸はとても荒く、お腹が大きく動いていて辛そうなのが伝わってきます。

娘は座ったまま、くうの頭を撫でていました。

そんな私達に、突然その瞬間が訪れてしまったのです。

一緒に寝よう、と布団を敷いて横になってから5分も経っていませんでした。

お腹の大きな動きが急に止まった、その瞬間を感じ、

「くう！？」

と私が飛び起きると同時に、娘も大きな声をあげました。

「くう、やだっ」

歩くことも、立つことすら出来なくなっていた手足を、まるで全力で走っているかのように3回動かして、穏やかに遠くを見つめるように動きを止めてしまったくう。

泣き叫ぶ娘。

「くう大丈夫、大丈夫だからね。大丈夫。」

まだ眼に命の灯火が残るくうの頭を、私はそう声をかけながら懸命に撫で続けました。

大丈夫、怖くないよ、皆んなそばにいるからね。
大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫だよ。

、、、、そのままくうは静かに息を引き取りました。

私達が皆んな一緒に寝る、その時を選んでくうは旅立ったのでしょうか。

両隣にびったりと私達がついている、その時を神様が選んでくれたのでしょうか。

最期は、お外を走り回っている楽しい時間を思い描いて、動かなかった手足を動かしていたのでしょうか。

あっという間に、それでも穏やかな最期。くうは綺麗な顔をしていました。

動きが止まってから数分間、私達の声が聞こえていたと思います。

泣き叫ぶお姉ちゃんとのお別れは、辛かったでしょうね。

くうの眼から命の灯火が消えていくのを感じながら、自分の大粒の涙でくうの姿がぼやけて見える。

逝ってしまうんだね。よく頑張ったね。

ごめんね。何もしてやれなかった。

もっと一緒に居たかった。

くう、ありがとう。10年間楽しかった。

食べるのが何より大好きだったね。

ぽんたにおもちゃを取られても怒らない、優しいお姉ちゃんだったね。

人が大好きで、誰にでも懐く愛らしい子だったね。

もっともっと一緒に居られると思ってた。

寂しい。悲しい。苦しいよ。

この日、くうの命の灯火が尽きてしまった。

翌日、動かなくなったくうと一緒に、溢れる涙が止まらない時間を過ごしました。

亡くなっているとは思えないほど、くうの身体はとても柔らかく、[愛されて亡くなった犬は死後硬直しない]という、何かで見たおぼろげな情報が頭に浮かび、少し救われました。

残された弟ぽんたは、くうが旅立ってから一度もくうを見ることをしませんでした。お別れしな、と傍らに連れていくのですが、視線をずらし距離を取り背中を向けるのです。

悲しい顔をして、くうに背中を向けるぽんた。

あんなに毎日近くで見つめていたのに。

寂しいよ行かないで、そう言いたかったんだよね。

火葬するに至っても、ぽんたはくうを見ることも近づくこともないまま。

認めたくなかったのかな。お姉ちゃんが旅立つことを受け入れられなかったんでしょうね。

その姿がまた切なくて、悲しくて。

お花に囲まれたくうのことも、ぽんたは見ようとすることを避けてのサヨナラ、、。

ぽんたのお別れの仕方は不器用でした。

ありがとう、くう。安らかに。

動物は、亡くなったあとに虹の橋へ旅立ち、大好きな飼い主がやってくるのを待っている、というお話があります。

私は、そのお話がとても好きです。

綺麗な虹を間近に見ながら、お友達と真っ白い雲の上を楽しく駆け巡る。痛み、苦しみから解放され、美味しいものを好きなだけ食べ、大好きな飼い主さんが来るのを待っている。

健気にひたむきに生きるこの子達、最期旅立ったあとに待っている素敵な世界。

虹の橋🌈くうもきっと、そこに行くんだ。


しばらく待っててね。ぽんたはまだ行けないけど、ママもお姉ちゃんもまだ行けないけど、優しいくうだからお友達出来るよね。
いっぱい遊んでいっぱい食べて、また会える日は必ず来るよ。

またね、くう。お疲れさま、ありがとう。

花とオヤツに囲まれるくうの亡骸の横に、そんな手紙を添えて、手を合わせました。

あとがき

最後まで読んでいただきありがとうございました。

くうの病気が発覚して、手術、闘病、旅立ち、たった2ヶ月で起きた出来事。頭が追いつかず、現地味がなく苦しい毎日でした。

くうが逝ってしまって涙ばかりの毎日でしたが、noteを思い出し、恐ろしいスピードで起きた我が家のくうの旅立ちを文章で残したい、そう思いたち書くことにしました。

愛犬とのお別れは、本当にツラい出来事です。

話せないこの子達の病気が発覚したとき、それが命に関わってしまったとき、最善の道を選べなかった自分を責めてしまう。

何が正しかったのか、何が間違いだったのか、正解は誰にも分かりません。

私もいまだ自分を責める日々ですが、心の優しいくうはきっとこう言ってくれるかもしれない。

ママ大丈夫、わたしは幸せだったよ、って。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おわり