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竹工芸の工房がnoteはじめました。

はじめまして。兵庫県の伝統的工芸品「有馬籠ありまかご」を製造している株式会社くつわの轡克憲くつわかつのりと申します。
この度、公式サイトのリニューアルに伴い、noteを始めました。
noteでは、竹工芸のこと、お店のこと、ものづくりのこと、などを書いていきたいと思っています。
あまり更新できないと思いますが、竹工芸にご興味をお持ちの方は、お時間が許すようでしたら読んでいただけると幸いです。


私たちについて(自己紹介)

私たちは、兵庫県神戸市にある「有馬温泉」で竹工芸品の製造をしているメーカーです。
メーカーといいましても、いくつものオートメーション化された大型設備が動いている「工場」のようなものではなく、職人の手作業により昔ながらの技法を用いて1つ1つ制作している「小さな竹工房」です。
創業以来、神戸市有馬温泉の地で、茶道で好まれるお花籠や、竹箸、カトラリー、竹の生活雑貨などを、コツコツとつくっています。

兵庫県指定の伝統的工芸品「有馬籠」

私たちは、兵庫県知事指定伝統的工芸品「有馬籠」の唯一現存している製造元です。
有馬籠とは、安土桃山時代に発祥した竹工芸で、豊臣秀吉や千利久に愛された温泉地「有馬温泉」で栄えました。当時は、暮らしに根ざした実用性のある「竹ざる」や、茶道具の「花籠」などが製造されていました。
職人の数も70名程度と多く、湯治客の土産物としても好まれていたようですが、次第に衰退し、現在では「くつわ」の工房のみとなりました。
有馬籠の歴史については、また改めて、notoでもご紹介できればと思いますが、ご興味のある方は公式サイトをご覧ください。

私たちがつくっている製品

伝統的工芸品に指定されている「花籠」は、伝統技術を継承しながら、数十種類に及ぶ製品を制作しています。
よく誤解されますが「有馬籠」という名前の製品があるわけではなく、有馬地方で制作されるお花籠や竹工芸品を総称して「有馬籠」と呼びます。
現在でも、茶道御家元御好品をはじめ、茶人さんに愛される花器をつくっています。
他にも、有馬籠伝来の編み方でつくった「お弁当箱」や「整理籠」「網代ハンドバック」など、数多くの編組製品の制作をつづけています。

有馬伝来網代編みの小物入れ

竹ひごを編み上げて制作する花籠やお弁当箱以外にも、竹を材料にした「竹箸」や「カトラリー」などもつくっています。
竹は熱伝導率が低く熱くなりいくいので、スープスプーンなどの素材に適しており、細く削ってもしなやかで折れにくい性質から、食事箸などにも向いています。

新作の拭き漆箸

竹工芸以外の取り組み

弊社では、竹工芸品の製造販売以外にも、「ものづくり」や「観光」に関する仕事をしています。
2006年に有馬温泉のお土産物や縁起物(招き猫)を販売する「招き屋」を、2015年に暮らしの道具や美粧品を販売する「hetekara」をオープンしました。

とくにhetekaraでは、竹工芸の事業を営む中で知り合った他業種の職人さんやメーカーさんと協働し、新しい製品の開発に力を入れています。また、外部のデザイナーさんなどの力を借りて、現代の暮らしにあったお店づくりをしています。

最後に

当社では、これまで、竹工芸の職人が制作した製品を直営店でお客様に販売するという事業を中心にしてまいりました。
それはこれからも変わることはありませんが、近年は、全く業種の異なるメーカー様と協働したものづくりや、企業ノベルティの受注などにも注力しています。
これは、少しでも日本の伝統的な竹工芸の魅力を知っていただくことができればと考えているからです。

noteを通しても、竹工芸のこと、ものづくりのことについて知っていただければ幸いです。


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