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料理家を職業とする私がおせちを作らない理由


料理家の五十嵐ゆかりです。

この記事を書くと、永久に私にはおせちレシピ開発のお仕事はこないことでしょう…。

でも、書きます。


叔母の手伝いで毎年欠かさずおせちを作っていた

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叔母の手伝いで、子どもの頃から一昨年までは毎年欠かさずおせちを作っていました。

叔母と一緒におせちを作るのが楽しいんです。年末の楽しみ。

でも、私自身はおせちは作りません。お餅は焼きますが。


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おせちを作るとき、叔母の家では裏山の竹を切って箸置きまで手作りしすることも。

この箸置きに刺さっている葉も、後ろに見える葉も、ゆずも全部叔母の家でとれたものです。すごい…。

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毎年仕事納めをした後に、29日くらいになると叔母の家に行ってなますや栗きんとん等のおせち作りを手伝い、年明けの親戚が集まるときにはお雑煮作りや食卓づくりを手伝うのが恒例でしたが、昨年は感染症対策で帰省しないため手伝いもなしでした。

そのため昨年はまったく作りませんでした。


料理家を職業とする私がおせちを作らない理由

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料理家を職業にしている私がなぜ「おせちを作らない」かと言うと、ゆったりとくつげる時間を確保するため。

1年全力でがんばったあとの年末は、おせち作りで慌ただしくせずただただゆったりとくつろいだ時間を過ごしたいなあと思うから、作らないと決めています。

くつろぎの時間は誰かがもたらしてくれるものではなく、自分でつくるものだと思っているので、そんな思いからの選択でもあります。


行事を大切にするのであれば「作る」ことが全てではない

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お正月という行事を大切にするのであれば、「作る」ことが全てではない。そう思っています。

購入したおせちを、それぞれの料理に込められた意味を感じながら味わうこともおせちの味わい方のひとつと思います。お店や通販で美味しいおせちが購入できることがありがたく、しあわせなことだと思っています。


「作らない=行事を大切にしていない」ではない

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おせちを作らない=行事を大切にしていない。というわけではない。

作るか作らないかは自由な選択であり、作りたければ作る。くらいの気持ちでいます。

作りたい、作ろっかな、作ってあげたいなどの気持ちで作るのではなく、作らねば!という気持ちでおせちを作るのであれば、私は作らないことを選択したいと思うのです。


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そんな理由から、私はおせちレシピはほとんど作らず。

お正月に関連するレシピを作るときは、余ったお餅レシピの開発に徹しています。

もし、おせちを作らねば!と義務のように考えていたら、その作らねば!はほんとうに?と考えてみると、実は作らなきゃいけないなんてことはないんじゃないかなと思っています。

おせちを作らず、帰省もせずで、例年よりものんびりと年末年始を過ごすことができました。

いつもなら年末年始を慌ただしく過ごして、気がついたら仕事始め…だったのですが、たっぷり時間がある分、来年はどんな一年にしようかなあ?目標でも立てようかなあ?なんて考えたり、紅白歌合戦をみながら家族とのLINEで二階堂ふみさんの司会が素敵だね。なんてやりとりしたりして盛り上がっていました。

気持ちは移り変わってゆくから、ここに書いたことは今の自分の選択であり、今後また気持ちが変わることもあるかもしれませんが、自由に、しなやかに、その都度選択をしていけたらいいなあと思います。


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