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泣いたら負けだよ、なんてじゃあ生まれた瞬間負けてんだわ人類。気持ちだけは勝っていこうって…
馬鹿みたいだなって自分のことを思うのはきちんと俯瞰ができているんですか私。馬鹿みたいに生…
吐く息は白い、きぃん、と外気に浸透していく私は白く透明にはなれやしないというのに。人間な…
酸素と染色体を使うことで蛋白質を 透明に軟骨を青に骨を赤に染め上げる透明骨格標本。 …
希いはやわらかな音、ひかり。恒久的に胸に齎される、つきんと刺すような痛みはきっと多分、生…
篠突く雨が止んだなら秒と待たずに蝉時雨。鼓膜から流し込まれる季節。見上げれば、もう入道雲…
五月も末。そろそろ紫陽花の季節だなぁ、とからからに乾いたベランダで洗濯物をはたきながら物思う我。潤う要素がひとつも無い。紫陽花を瞼の裏に思い描く。青、水色、紫、薄桃色、白。紫陽花。ハイドランジア。この時期になると紫陽花で有名なとこ行こうよとせっついていた彼女を思い出す。タイミングを逃して結局一度も行けなかったけれど。今年は行けたのだろうか。有名な撮影ポイントで元気よくピースサインをする彼女が浮かぶ。気まぐれに写真でも送ってきそうだと思ってみたけれどそれはない。多分。洗濯物を干
君の所為だと叫んで部屋を飛び出して気がつけばいつもの埠頭公園にいた。名前がわからないまま…
いつか君にもらった花束はだんだんと枯れていった。水についた茎を斜めに切ると水の吸い上げが…
助けてください助けてください。頭のなかを文字が躍り狂って夜も眠れないのです。文字は春風に…
涙が止まらないんだと笑えば、無理はしないでねと返された。うん、まぁ真面目に相談に乗られて…
海月が揺らめく小さな水槽を見ていたら貴方の形の良い耳が沢山浮かんでいる光景を夢想したの。…
誰も責めてなんかいないよ。生まれ持った命だもの。好きに使いなよ。いつか死ぬんだから、それ…
幾年幾星霜、貴方を思えば貴方に再び逢えるのでしょうか。屍の肉を喰らへば自分が屍となった気さえして。暗い岩陰で月を眺める毎日です。ざぶりざぶりと反復する波は穏やかにある時は強い力で打ち寄せて気の遠くなるような年月をかけて岩場を削り取っていく。どうせなら私もじわじわと波に侵食されて、少しずつ形を失えたらどんなにか。けれども幾ら眺めても鱗も尾鰭も変わらない。裸の胸に手のひらを当ててみるけれども変わることのない鼓動がそこにはあって。白波けぶる朝がきて海面を月の光が照らす夜が来て幾星霜