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『ハウルの動く城』で、城は薪で動いてたけど、どれだけの薪が必要なのか!?

web用『ハウルの動く城』タイトル画

 宮崎アニメといえば、印象的なのは「浮遊感」である。『ナウシカ』のメーヴェも、『ラピュタ』のタイガーモス号も、『魔女宅』のホウキも、風に乗って空を飛ぶ描写がとても心地よかった。
 ところが『ハウルの動く城』の「城」は歩く! この映画には原作があって、その『魔法使いハウルと火の悪魔』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/西村醇子訳/徳間書店)という小説によれば、どうやら城は浮遊しながら移動している。なのに、アニメ版では、ギシギシと轟音を立てながら、4本の足で歩くのだ。
 スバラシイですなあ。まことに感覚的な視点だけど、お城にはやっぱり大地を踏みしめて歩いてほしい!
 しかも科学的にヒジョ~に興味深いのは、その動力源が明らかになっていること。荒れ地の魔女の呪いで老女になったソフィーは、旅先でハウルの動く城に出くわした。寒さに耐えかねて城に入ると、火の悪魔.カルシファーがいて「契約に縛られて、ハウルにここでこき使われてるんだ。この城だって、おいらが動かしてるんだぜ」と訴える。カルシファーは、暖炉で燃えている炎のような姿だけど、目と口と両手があって、ときどき薪を食べていた。つまり、4本足で歩く城の動力は薪(注1)
 これはホントに面白い。そして気になる。動く城はかなりの大きさに見えたけど、そんなモノを薪で動かすなど、できるのだろうか?

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