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第25回九州オールレディース大会②

大会2日目の朝、6時に起きるつもりが4時過ぎに目覚めてしまった。
早々に荷物をまとめ、ダラダラゴロゴロ過ごして6時半の朝食タイムまで時間を潰した。

いざ部屋を出ようと思って鍵を探すがどこにもない。
片付けた荷物を全部引っ張り出して、布団も全部めくって、探せるところは全て探したが見つからない。
仕方なくスリッパをドアに挟んで朝食に出かけた。

さっさと食事を済ませてもう一度探してみるけどやっぱりない。
観念して早めにチェックアウトし、鍵を無くした旨をフロントに伝える。
すると、「外に鍵が刺さったままでしたので防犯の面からお預かりしております」とのこと。
自分が悪いけど、それならそうと張り紙なり電話なり教えてくれよと焦った時間を恨んだ。

7時過ぎにはホテルを出発し、コンビニで飲料と氷を調達。
7時半にはグランドに到着した。

この日の1試合目、準決勝の相手は強豪の山口海響クラブさん。
9年前に始めて参加したこの大会で1度だけ対戦経験があるが、初日に3試合したこともあって散々な結果で負けた。

今回久しぶりの強豪、海響クラブさんとの対決。
移動のバスの中でインスタライブの話になり、急遽今日の試合を配信することに。
文明の利器は凄い。
インスタ担当の綾乃ありがとう。こうして愛媛から遠く離れた場所で試合をしても、応援してくれる人たちに見ていただけるのは嬉しいことだ。

軽くアップを済ませ、準備はほぼ個々に任せた。
のんびり過ごす子、しっかり準備する子、特徴がよく出た光景だった。
時間がないと焦った割には試合開始時間が30分遅かったので、なんだかんだで帳尻は合った。

さてこの試合も後攻をとる。キャプテン紗央里コイントスの調子がいいらしい。

1回表、
マウンドにはもちろんゆみちゃん。
2つの三振とセカンドフライの三者凡退で抑える。

1回裏、
トップバッター紗央里が四球で出塁し、2番詩音のバントが絶妙なとこに転がり内野安打で出塁、ノーアウトランナー1.2塁のチャンスを作った。
3番もえぴのセカンドゴロで詩音が2塁でアウト、この隙をみて3塁へ進んだ紗央里がホームを狙うもギリギリタッチアウト。セーフのつもりでホームに滑り込んだら想像以上にキャッチのタッチが早く強く、予期せぬアウトだったらしい。
タッチの大事さを痛感する。
結果はアウトだったが、回の浅いうちはこうやってどんどん攻めた走塁をして欲しい。
この回無得点。

2回表、
ワンアウトからヒットを許すも、しっかり後続を打ち取って2塁を踏ませない。

2回裏、
5番なっちゃんがエラーを誘って2塁へ進む。
6番かのんには送りバントをお願いし、ワンアウト3塁で7番綾乃。
これは願ってもないチャンス。迷わずスクイズのサインを出した。
ところが、バッター綾乃も、ランナーなっちゃんも私のサインをフル無視ですよ!!
綾乃は目が合って頷いたし、なっちゃんは心配だったから2回もサインを出したのですよ!
2人とも無視しやがって!と私は一人で大騒ぎ。

綾乃は「いや、出してないって!!」と打席から反論。
もう私と出した出さないのバトルです。
ベンチを見たら、ゆみちゃんはやれやれという顔をしていたし、1塁ランコーにいた町田さんもちゃんとわかってた。

サインの見落としはゲームの支配権を放棄しかねない。
私としては、そろそろサイン来るだろうなと選手たちには予測していてもらいたい。
ただ目の前の打席や塁に立つのではなく、戦略も頭に入れてプレーしてくださいよ!!
良い投手と対戦するなら尚更。ヒットはそう簡単に打てないのだから。

ツーアウト3塁となり、8番宇都宮さんはショートゴロでチェンジ。
しかし宇都宮さんも、海響さんのエースの球を転がせられるからすごい。

3回表、
エラーでランナーを許すも、ここもしっかり抑えて素晴らしいピッチング

3回裏、
9番ゆみちゃんがヒットで出塁するも後が続かずこの回も無得点に終わる。

4回表、
またもエラーでランナーを出し、今度は犠打で2塁へ進められるも、やっぱり抑えてくれるナイスピッチング。そしてフィールディングもピカイチね。

4回裏、
相手の悪送球でツーアウト2塁と棚ぼたチャンスも生かせずまたも無得点。

5回表、
ここは三者凡退で抑える。
ピッチャーライナーよく取った!

5回裏、
ツーアウトから紗央里の2塁打でチャンスを作るも、ここも無得点。
毎回ランナーは出るもののホームが遠く、なかなか試合は動かない。

6回表、
ノーアウトからヒットで出たランナーをバントで送り、ワンアウトランナー2塁のピンチで迎える4番打者。
ここを注文通りの三振で抑えてくれた。
次のバッターを無事打ち取ったと思ったが、残念ながらエラーで痛い1失点。
ここで初めてゲームが動いた。
それでも気を取り直してまたも三振でチェンジにしたナイスバッテリー

6回裏、
失点直後の攻撃は大事。
またもなっちゃんが相手の悪送球を誘い2塁へ進むも得点ならず。
好投手から得点するには僅かなチャンスをこじ開けるしかないが、これがなかなか難しい。

7回表、
ワンアウトから2塁打を浴びるも、セカンドゴロと三振で抑えて、1対0と1点ビハインドのまま最後の攻撃へ。
1点を取るって本当に難しい。1点入ればポロポロと入る時もあるし、1点目をこじ開けるきっかけを打者に委ねるのか、サインプレイで動かして行くのかは、私なりに最善策を選択し続けていく必要がある。

7回裏、
8番綾乃がヒットで出塁。最初の汚名挽回ね。
8番宇都宮さん、セカンドゴロで1塁ランナーが入れ替れ変わり。
大事な同点のランナー68歳宇都宮さんから迷わず代走、72歳町田さんに行ってもらう。
1塁ランナーと1塁ランコーの入れ替わり。ばーばとばーばの入れ替わり。
お年寄りと侮る勿れ。ソフトボールとバレーボールと畑仕事で毎日毎日運動している町田さんは身軽。そんじょそこらのばーちゃんとは違うのだ。

ワンアウトランナー1塁。
9番ゆみちゃん、勝負強くレフト前に運び、ワンアウトランナー1.2塁とチャンスを広げる。
1番に返って頼れるキャプテン紗央里の打球はレフトオーバー。
2塁ランナーの町田さん、町田さんなら行けると踏んで私は必死でホームを狙うよう叫ぶ。
ホームでは際どいタイミングとなったが、ちょっと間をおいてセーフの判定。
代走大成功!!値千金!大きな大きな同点に追いつく1点が入った。

しかしこの判定が物議を醸して試合は中断。抗議と審判団の確認のため、あまりに長い中断に私はこの流れを断たれることを恐れた。
やっと打者がボールを捉え始め、まだまだいけそうなせっかく掴んだこの流れ。

塁上では相手のサードと3塁ランナーのゆみちゃんも雑談中。
2塁ランナーの紗央里は暇そうに座り込み。
すったもんだの結果、キャッチの走塁妨害のためにセーフという判定だとの説明があった。

あとから聞けば、町田さん自身は足が入っていたからセーフの自信はあったとのこと。
恐るべし、ばーばのクロスプレー。そして怪我が無くて何より。
チームのために走ってくれてありがとう!


尚もワンアウト2.3塁でバッターは2番詩音、四球で繋いでワンアウト満塁のビックチャンスをお膳立て。
ここで3番もえぴが犠牲フライを打ってくれて、ゆみちゃんがサヨナラのホームを踏んだ。
なんだかんだで決勝進出。
勝ってしまってびっくりだけど、ゆみちゃんの大活躍を筆頭に、チーム力が付いてきたなとしみじみ感じる。
たっくさんエラーもしたけど、ワイワイ楽しくソフトボールができたことが楽しくて幸せ。

勝利の余韻に浸る時間など全くなく、急いでベンチ移動。
次の試合へ心の準備をする暇もないほどめちゃくちゃ急かされて次の試合時間を決め、オーダー用紙も慌てて書いて、キャプテンがコイントスを始めたところに小走りで持参した。
自分ではちゃんと書いたつもりだったが、大変申し訳ないことに土居さんの名前を書き忘れていた。
大いに反省。決勝戦でベンチに入れず申し訳なかった。
大事な試合ほど、ちゃんと全員の前で読み上げることを徹底しなければ。

決勝戦のベンチは今大会初の1塁側。個人的には3塁側が好きだけどこればかりは選べない。
対戦相手は佐賀県の岩岡整形外科Redwingsさん。
佐賀と言えば杵島クラブさんだったな。杵島さん以外の佐賀県のチームを初めて見た。
新しくレディース登録したチームのようで、今大会初参加で決勝まで無失点で駆け上がってきたらしい。

ゲーム前ノックをみて、機敏で元気でカッコいいフィールディングに格の違いを見せつけられる。
けど、こういう強いチームと対戦できることはとても大きな経験。
怖さもあり、ワクワクもあり、もうなるようになれ~という気持ちになるものの、決勝で恥ずかしい試合をしたくないという思いもある。

決勝戦はベンチ前に全員が並び、一人一人放送で選手紹介をしてくれる。
これには身が引き締まる。
相手チームの方々がお茶目で会場の空気が和らぐ。
なんとなく名前を聞いていたら、4番ライトで片岡美結さんがいるではないか!

昨年JDリーグのビックカメラを引退され、レギュラーで活躍していたし、若いのに勿体ないなと思っていた素晴らしい選手。
突然の状況にびっくりしたが、対戦できる喜びも同時に湧いてきた。

この試合も後攻。
そしてもうここまで来たら紗央里はアップするまでもなく、ピッチャーはゆみちゃん一人に託す。
ここにいたみんな、ゆみちゃんに“おんぶに抱っこ”を決め込んだ。

1回表、
不運な内野安打でトップバッターの出塁を許すと、2番の送りバントを野選でいきなりノーアウト1.2塁を作られてしまう。バッターランナー走るのも速い!
3番打者もバント攻撃、これでようやくアウトが一つ取れたが、ランナーはそれぞれ進み2、3塁とピンチは広がる。
フルカウントまで追い込んだが、4番の片岡さんにタイムリー、5番打者にもタイムリーの連打で効率よく2得点されてしまった。
しかしここで踏ん張れるのがゆみちゃん、三振とショートライナーでしっかり後続を断つ。
初回で2失点。

1回裏、
ここでランナーを出しておきたいところだが、内野ゴロ3つであっさりと三者凡退。
厳しい試合になりそうな予感。

2回表、
この回の先頭バッターをエラーで出塁させると、このランナーの盗塁阻止に成功。
ナイス綾乃もえぴコンビ。
しかし一難去ってまた一難。またもエラー寄りの内野安打で出塁される。
なんとか後続はセンターフライ、サードフライでこの回無失点。

2回裏、
ワンアウトから5番なっちゃん。強烈なサードへの打球が何度もファウルになる。
相手ベンチの自チームのサードへのヤジが面白かった。粘って四球を選ぶなっちゃん。えぐい打球を打つが、打ち急ぐこともなく選球眼がある選手。意外とバントも上手です。
6番かのんも内野安打で繋ぐも後が続かず無得点。
しかしファーストライナーを打つ町田さんが凄すぎる。守備でのカバーもばっちりのスーパーおばあちゃん。

3回表、
ゆみちゃんには珍しく四球が二つ、握力も限界だろうなと思ってたら、握力はまだ元気らしい。腱鞘炎の手首が辛いとのこと。
みんな口々に「ゆみちゃんにバイト辞めさせて!」と私に言ってくる。
バイト先のアイス屋さん、ニュースにもなった「よくばりフェス」で手首がイカれたらしい。
申し訳ないけど、投げてもらうしか選択肢はない。ごめんね。
球数が増えてきたものの、この回も無失点で抑える。

3回裏、
この回トップバッターゆみちゃんがヒットで出塁する。
投げて打って走って大活躍のゆみ様様。
紗央里の死球でワンアウト1、2塁と流れが少し見えかけた。ここで1点は取っておきたいところ。
内野のレベルを考えると送りバントは危ないと判断、詩音にはバントエンドランをお願いした。これはファウルとなり、結果的に進塁打(ランナー2人のスタートも素晴らしかった)で、ワンアウトランナー2、3塁のまたとないチャンス。
これはサインプレーで確実に1点もらおうと考えていたが、カウントが整う前にレフトフライに倒れ、待てのサインを出さなかったことをとても後悔した。
この失敗が勝敗に響くくらい、そうそう得点のチャンスは現れてはくれないし、タームリーヒットもそうそう出るものでもない。
この場面が2日間で私の一番の反省点だった。

これだけ内野が上手いとゴロゴーもアウトの確率が高い。
守備が固いチームから1点取ることは、全国に向けて大きな課題。
虎の子のランナーを確実にホームに返せなければ勝機はない。
そしてこの回も無得点に終わる。ここまで2対0

4回表、
三振、ショートフライ、センターフライの三者凡退で抑える。
セカンドベース当たりにふらふらと上がったフライを、もえぴが悲壮感というがひっ迫したような声で他を寄せ付けず取りに行った。もうこれ以上エラーは出したくないもんね。

4回裏、
相手バッテリーの思惑通りなのか、3人連続でショートへ転がされる。
またショートが上手いから抜けるかなという当たりも捌かれてしまった。
ご愛敬で1つエラーはしてくれましたが、この回も得点のきっかけが掴めない。

5回表、
バントヒットで出塁を許す。毎回のように先頭バッターが出塁するのがしんどい。
次のバッターのピッチャーゴロは野選となり、またもノーアウトランナー1、2塁。
相手チームの足の速さにうちが付いていけてない。
普段のレディースの試合なら間に合うところが全部間に合わない。

ここで迎える4打者にセンター前ヒットを打たれたが、ここはホームを狙う2塁ランナーを紗央里がホームアウトに仕留めてくれた。さすが!
まだまだピンチは続いて、5番打者はショートへ内野安打。大きく飛び出した2塁ランナーに気を取られたあやてぃん、まんまと2塁ランナーを追いかけてしまい、その隙に3塁ランナーをホームに返してしまった。

「練習していないことはやらない、色気を出さない、諦める勇気を持つ!」
詰めた練習ができるわけでもないので、この3つは今年何度も言ってきた。
ランナーを貯めてもホームを踏ませないことが最優先!
なかなか練習に参加できていなかったあやてぃん、全国までに失敗できてよかったよ。
次はよろしくお願いしますね。

6番打者を三振でやっとツーアウト、されど満塁のピンチは続く。
進塁打とヒットでこの回3点目を取られた。
ミスして、走られての3失点、クリーンヒットは2本ながら、隙の無い攻めが強いチームの証。打者一巡の猛攻を浴びてこれで5対0
2点なら何とか追いつけるかも?という心を打ち砕く中押し+ダメ押しの3点だった。

5回裏、
もうこうなったら、今大会1失点もしていないチームから1得点することを目標に掲げる。
この回トップバッターのゆみちゃん、今度はセフティを決めて塁に出る。ほんと全てに手を抜かない選手。
しかし後が続かずこの回も無得点に終わる。

6回表、
ここはピッチャーフライ、三振、サードフライの三者凡退に抑える。

6回裏、
ネクストバッターサークルが相手ベンチ前のなっちゃん、相手チームの方に何やら話しかけられている。年齢を聞かれている模様。
若さに興味があったのか、なっちゃんに興味があったのか。
こういう交流も九州大会ならではの雰囲気でいいなと思う。

ツーアウトからかのんのヒット、綾乃の四球でランナー1、2塁。
チャンスで9番町田さん。気付くのが遅れたが、柄の似たバットで間違って重いバットを使っていたので、軽い方を持ち直すことを勧める。
相手ベンチからも、「お母さん頑張れ!」の掛け声。その光景が微笑ましい。
この回も無得点に終わる。ランナーは出すもののホームベースが遠い遠い。
5対0のまま最終回へと突入した。

7回表、
2つの三振と、ヒットを挟んでサードゴロで無失点に抑える。
これで次の攻撃への流れを作る。

7回裏、
ワンアウトから1番紗央里の右中間への2塁打でチャンスメイク。
詩音の進塁打でツーアウトランナー3塁。
3番もえぴのセカンドへの当たりが内野安打となり、ようやく1点取ることができた。
長かった。
最終結果はこの1得点でゲームセット。5対1で敗れた。

数少ないチャンスを如何にモノにできるか。
毎度恒例の守備のバタバタタイムをどうやって無くしていくか。
現状の課題がそのまま出た試合内容となった。
全国前に良い経験を積ませていただき感謝。

初対戦の岩岡整形さん、凄い選手が揃ったチームだった。
センターに8本はさすがのバッティングセンス。こんなに外野に飛んだ試合を見たのは久しぶりだし、センター返しの徹底が印象的だった。
こういうチームをどうやって最少失点で抑えるかが全国に向けての課題。

しかし何はともあれ、慣れない暑さの中、2日間で4試合を完投してくれた上に、自ら塁に出る執念と工夫を惜しみもなく出し切ってくれたゆみちゃんに感謝。
守備でも本当に逞しく、この大会のMVPは間違いなくゆみちゃんだ。
大会打率4割4分、大会防御率1.75、投球数334球、23奪三振、四死球3(初日はゼロ)
“おんぶに抱っこ”のつもりが、終わってみれば“おんぶに抱っこに肩車にぶら下がり”状態のフルコンボだった。

そしてどんな当たりもささっと落下地点に入って簡単そうにキャッチしてくれるセンター紗央里は、ベンチのばーばも絶大な信頼を寄せる。
ライトを守る町田さんと宇都宮さんも、隣が心強かったに違いない。
そして最強打線でもライトに打たせない投球術。バッテリーの徹底した配球は素晴らしかったと思う。
エラーもたくさんあったけど、みんな上手になった実感がある。
大人になって、大して練習を積めなくても成長するもんなんだな。
ぼっこぼこのグランドはお手の物だしね。

閉会式と表彰式、久留米地区協会会長の挨拶で、「久しぶりの決勝進出で、古豪ここにあり!という姿を見せていただきました」という有難いお言葉をいただく。
チームを認識してくださっていたことも嬉しい。
準優勝の賞状、おしゃれなガラスのトロフィ、副賞で新球を1箱いただく。
ベンチ前から眺めるこの光景は何度経験してもいいもの。
それが大きな大会になればその喜びは尚更だ。誇らしい気持ちにさせてくれる。

19歳も72歳も同じグランドに立ってワイワイ試合が出来たこと、誰も怪我せず、倒れずに終えられたことが本当に良かった。対戦相手が素敵なチームだと楽しさも倍増。
やっぱり何度来ても楽しい大会だった。参加してよかった。

1日目が終わった時点で、トロフィ決まったぞと本部のおじさん(誰かわからず申し訳ございません)に声を掛けられ、長いほう目指して頑張れよと発破を掛けられた。
同じデザインのトロフィで、順位が上がる程長いものであった。
準決勝で勝った後には、トロフィ長いのもらえるぞと声をかけられ、開会式前に今年のトロフィかわいいから欲しいなと言っていたのを聞かれていたのかもしれない。
いざ勝ったら勝ったでびっくりされましたけどね。
何はともあれ、応援してもらえるチームで良かったなと思う。

これも宮内前々監督から積み上げてきた成果だとも思う。
そして私は愛想が無いので、選手たちの愛嬌、ばーばたちの愛嬌のおかげかな。

試合終了後、岩岡整形の監督さんがわざわざ挨拶に来てくださったので、片岡さんが居てびっくりしましたという旨の話をしたところ、あとから片岡さんがこちらのベンチに声掛けに来て下さり、その気遣いに感動した。
試合も終わったことだし、私は一ソフトボールファンとなって、写真を撮って下さいとお願いし、快く撮影していただいた。
うちの元メンバーの千優が片岡さんお友達だというのは以前から聞いていたので、その話を振ってみたところ、「どうりで見たことあるユニフォームだと思った」との返答が。
片岡さんに微かでも認識されていたチームとは嬉しいね。
元JDリーガーと同じグランドに立てるのもレディースの醍醐味かもしれない。

じっくり準優勝の気分に浸りたいところではあったが、帰りのフェリー時間が差し迫っていたので急いで写真撮影を済ませ、急いで道具を片付け、バスは狭いし、更衣室もないし、近くにはBBQを楽しむ団体さんがいる中、植栽に隠れながら着替えを済ませた。
バスタオルをかざして若者たちのために目隠ししようと頑張ったが、風になびいてそれは何の意味も為さなかった。

時間はすっかり15時を回っていたが、まさか決勝に進むとも考えず食料は何も準備していなかった。
本当はゆっくり久留米ラーメンでも食べに行きたかったが、そんな悠長な時間はあるはずもなく。
試合中からお腹を空かせていたなっちゃん、ごめんなさいね。
暑さで食欲が落ちる子がほとんどの中、ちゃんと食べられる強さが体の強さに現れているのかな。

久留米駅であやてぃんとバイバイし、バスは大分県の佐賀関港へと向かう。
高速の山田SAでたった15分のトイレ休憩、お土産購入、昼食調達時間をとる。
ますます増えた荷物でバスの中は荷物まみれ。
時間厳守でバスは出発。

四国では見ることの無い火山の風景が珍しく、高速から見える由布岳や鶴見岳の景色が壮大で美しいなと眺めていると、「抹茶パウダー掛けとるみたい」と風情も何もない綾乃さん。
確かに新緑の若草に覆われた山はお茶の色そのものだったけど。
自然の雄大さとエネルギーを感じられるこの景色は何度見ても飽きない。

丁度いい時間に港に到着し、無事間に合ってほっとする。
港ではアイスを、フェリーの中ではカップラーメンを食す若者たち。
ババ抜きで盛り上がっていたが、謎に最後にカードが揃わず余る。
最初からカードが揃っていないのだと騒ぎ、持参したなっちゃんのせいにしつつ再チャレンジしてもやっぱり余ってしまうカード。
どうやら誰かが揃ってもいないのに下してしまっていたことが判明。
どうやったら数字の違うカードを見間違えるのだろうか。
その犯人はわからず仕舞いでトランプ遊びは終了した。

フェリーは順調に進み、予定通り三崎港に到着。外は雨が降ってきたようだった。
そして23時過ぎにようやく砥部に帰ってきた。
暗闇の駐車場に、「誰かおるよ!」とばーばが言うので、誰かの旦那さんがお迎え来とるんやないの?と返した。

ところがどっこい、そこには体を光らせる謎な人物が一人!
ななみんが、暗闇の中一人でお出迎えに来てくれていた。
「おかえりなさい」の横断幕のような紙を両手いっぱいに広げ、ボディに張り付けた紙に、「おつかれさまでした。準優勝おめでとうございます。」の文字とイルミネーションを光らせている。それはそれは斬新なお出迎えだった。
一瞬引いたが、これを準備してセッティングしたであろう姿を想像すると、あとからじんわりかわいいやつだなと思った。
手にもって広げるだけならありきたり。
体に貼り付ける発想と、体に電飾は私には到底思いつかない。
よく帰りの時間がわかったねと言うと、ゆみちゃんに帰り時間を探るつもりがバレたから秘密にしてもらっていたとのこと。
ゆみちゃん曰く、その探り方がバレバレだったらしい。ななみん、面白い子です。

バスから荷物を下ろし、道具を積み替える。
もうクタクタなので、とにかくみなさん体のケアをよろしく!とだけ伝えて解散した。
家に帰り付いたのは深夜1時前だった。

体はしんどくても、濃い週末を過ごせた満足感で気持ちは元気。
翌週からの仕事も頑張れるパワーをもらった九州遠征だった。

対戦相手の皆様、大会開催に尽力くださった久留米の皆様、安全運転で連れて行ってくれた運転手さん、行けなくても目一杯応援してくれたメンバー、インスタライブで応援してくれた関係者の皆様、そしてハードスケジュールで頑張ってくれたスワローの選手のみんな、本当にありがとうございました。

また一つ、チームはまとまり力を付けました。
あと2か月半で全国大会です。
今年の目標はベスト8を掲げています。
北の大地でうちの選手たちが躍動する姿を是非楽しみにしていてください。
ソフトボールが大好きな可愛い?女の子たちです。
愛媛から熱い声援よろしくお願いします!