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第3回山本優さん講習会

第3回となるの山本優さんを招いてのソフトボール講習会。
言わずと知れた東京五輪2020、SOFT JAPANの不動の4番で神ゲッツーと言われたプレーも見せた鉄壁のサード。
引退後はトップ代表のコーチや、U-15の監督、地元強豪高校のコーチ、中学生クラブチームの監督。数々の指導実績を積み重ねられている凄い方です。

2/17(土)午後、寒い北海道より暖かい愛媛へご来県くださいました。
今回は、いつもメールのやり取りをしている、とっても親切な柳原マネージャーにも来ていただきました。

陶街道ゆとり公園のグランドを全面予約していたので、半面で講習会、対面でジュニアの練習を。
選手たちは先に集合し、グランド準備とウォームアップ。

講習会は、まずアップの時の意識やキャッチボールで意識していることなどを聞かせていただき、ボールを投げるのに必要な胸郭を開くストレッチなどを少し。
これが全然動かない!山本さんが簡単にやっていることが選手たち誰もできない。
柔軟性は日々の努力です。
日々コツコツ積み重ねる努力ができる選手が伸びますね。
最近私がスワローの選手や子供たちによく言っていること。
技術や筋力や持久力は一流の選手に勝てなくても、柔軟だけは一般人でも勝てる可能性がある唯一のもの。
柔軟性が上がればパフォーマンスも上がるし怪我も防ぐことができる。
頑張らない手はないですよね。
家で、一人で、ほんの少しの時間でできること。
これが年間通せば大きな差になります。個々の意識の差が見える一番の指標かもしれません。

さて話は戻って、次は早速キャッチボール。
捕球、投げ方の気になるところを個々に指導いただき、最後はクイックの練習を。
つい前のめりになりがちですが、後ろ重心で軽いステップで投げる。
教えてもらいながら、なんとか選手たちできるようになりました。

次は本日のメインイベントである個人のバッティング指導。
まずはロングティで見てもらいます。
右打者、左打者、間の作り方、選手それぞれのタイプに合わせた技術指導で、これが面白いように全員、劇的に良い打球が飛ぶようになるのです。
特にあゆみんはえぐかった。あれだけ打てたら気持ちいいだろうなっていうくらい。

最初は指導を受ける子だけを帰らせて他は守備につけていましたが、これはみんな聞かなきゃ勿体ないと思い、ばーばたちに守備をお願いして選手全員を打者のところに集めました。
柳原マネージャーも山本さんのグラブを手に守備へ。
ほんとありがとうございました!
一応、一応山本さんの高校の部活の先輩ですからね。元ソフトボーラーってことで安心してお任せしました。

個人のバッティング指導も、他の選手が言われていることをみんなで共有すれば今後お互いチェックしながら練習できます。
まあしかし、これはほんと魔法ですよ。
ちょっとしたアドバイスですぐに化ける選手たち。

瞬時に選手の特徴を見極め、そこ子に合ったスタイルを提案し、会話しながらより良い方法を導いていく。
最初は緊張していた選手たちも徐々にほぐれていくのですが、約1名最初から友達感覚で軽く質問する詩音はさすが。
なっちゃんも目に見えて良くなったね。バッティングが器用になった。

ばーばたちの球拾いが忙しくなったことで、対面で練習中の砥部クラブジュニアの気の利くコーチ陣が子供を連れて守備についてくれました。

1球ごとに1人ずつ守るスタイル。
いつも同じ子の前で山本さんのアドバイスが入り、いきなりえぐい打球に変わって飛んでくるものだから、子供たちは“覚醒タイム”と呼んで盛り上がっていたと後から聞きました。
守っている子供にもわかるくらい、目に見えて違いがあったということ。

アウトコースの打ち方、セフティ、スラップにまで及んで聞きたいことを教えて頂く。
まさか右打ちの山本さんが左のスラップできるなんて思いもよらず。
聞けば子供のころは左打ちだったそう。
いやいや、私子供のころ右打ちでしたが今は右で打てませんから。

参加した9人がひと通りティバッティングが終わるまでに1時間強。
次はピッチャーを付けてフリーバッティング。
先ほどの指導の復習を兼ねた応用編。
バッターだけでなくキャッチにもアドバイスをもらいながら、これも1時間以上たっぷりと。

時間が余れば山本さんにノックを打ってもらおうかと目論んでいましたが、そんな時間は余らないくらい目いっぱい見てもらうことができ、あっという間に3時間が経過。
最後は個々に学んだことを各自報告してもらい、山本さんからは、しっかりと間を作って打つことを再度念押ししていただき講習会は終了。
片付けの時間が押してしまい、慌ただしく整備と片付けをしつつ、サインを貰いたい人はしっかりサインを貰って1日目が終了しました。

翌朝は、なっちゃん・ゆみちゃんの母校であり、毎年練習試合の相手をしてもらっている西条高校さんへ。
ここでもメインはバッティング指導。
前日の大人以上に緊張する生徒たち。
ティバッティングを一人一人丁寧に見ていただき、これがまた様々なアプローチで修正していく。指導の引き出しがマジで凄いです!!

誰一人として同じ指導はなく、その子に合ったスイングを提案し、小さな声の返事を聞き返しながら選手本人の感覚を探る。
「自分主導で気持ちよくプレーしていいのはピッチャーだけ。バッターは気持ちよく振っても当たらないと何にもならない。ピッチャーの投げるボールに合わせないと打てない。」
とかくバッティング練習は気持ちよく打って良しとしがちですが、結局試合ではピッチャーの球が打てないと話になりません。
再度気持ちを改める言葉も聞けました。

最後は金メダルを見せていただき、これには先生方も保護者さんも大喜び。
触ってもいいよと言われ固まる生徒たちに、お茶目ないじりをしてひと笑い取って気持ちをほぐす。

最後は写真撮影会。
集合写真の後に流れ作業のようにツーショット写真を。
そうこうしているうちにバタバタと時間が来てしまい、午後の部に合わせて移動です。

あまりに的確にサクサク指導されるものだから、何か見るポイントでもあるのかと尋ねたところ、指導ポイントはバッティングをちょっと見ただけでわかるのだとか。
その感覚が私も欲しいです。無理だけど・・・

午後からは砥部町に戻って砥部クラブジュニアがお世話になりました。
ソフトボールを始めたばかりのちびっ子が多く、個性豊か過ぎて心配していましたが、そんな心配も何のその。
山本さん子供の心を掴むのがうまいです。
目線を合わせて話す、わかりやすく伝える、とにかくみんなに話しかける。
柔らかい口調で冗談も交えながらの指導。

先ずはキャッチボールを始める前の体の動きを確認したのですが、ちびっ子にもわかるように説明してくださることで、子供たちがしっかり話を聞いて実践しているからすごい。
ちょっとやんちゃな子も真剣に言うこときいていました。
キャッチボールを見ながら、こういう子にはこういう練習方法もありますよと教えていただいたり、一番の悩みだったどうしても肘が下がってしまう子も、あっさりと解決してくれていて何をどう指導されたのかあとから教えてもらいました。

事前に相談していたこともしっかり覚えてくれていて、そのことに感動。
バッティングも一人ずつ見てもらい、「今の年齢ならこれで良くて、もう少し大きくなったらこういう部分を見てあげてください」と先のことも教えてくださり、指導者側も本当に勉強になりました。

休憩中には自主的に質問した子へのショートバウンド捕球の指導が始まり、そこに子どもたちも大人も集まり自然に輪ができました。
グラブをしゃくり上げないよう、前に出すイメージを素手で何度も繰り返す。
山本さんがオリンピックで使用していた大切なグラブを体の前に置き、それより前で捕球する練習を重ねます。

次にグラブを付けてやってみようと言われ、咄嗟に目の前の山本さんのグラブを取ろうとするナイスキャラの子。
思わず山本さん、「それ私の!あなたのグローブ持ってきなさいよ」とツッコミが入る。
その子、左利きなんですけど放って置いたらグラブはめていたのでしょうか。不思議です。

次にランナーのスタートの確認とみんな苦手なスライディングの練習を。
突然のお願いにしばらく思案されていましたが、すぐに指導を開始。
子どもに分かりやすい伝え方で、これまで全く出来なかった子も数分で出来てしまうというマジックでした。

最後は質問タイム。
聞きたいことがある子が順番に質問し、それぞれに丁寧に答えて下さりました。

小学校低学年、高学年、高校生、大人
レベルと年齢に合わせたアプローチが本当に素晴らしく、その引き出しは無限かと思うほど膨大な量。
かなり勉強されていることが伝わるし、日本ソフトボール界のトップレベルにいる方の知識を分け与えてもらえることがこの上なく贅沢な時間でした。
定期的に見てもらうことで、選手の可能性をもっともっと引き上げることができると実感。

「子どもの指導方法はもっといいものがあると思う」という貪欲な言葉からも、指導者としてまだまだ知識を欲している姿に、私は感服しきりでした。

「レギュラーでも補欠でも平等に教えてもらう権利はある。」
雑談の中で山本さんがおっしゃっていましたが、学生競技カテゴリーこそ、このような専門的な指導に来ていただくことが望ましいと思います。
磨けば輝くダイヤの原石たちの才能を、開花させるきっかけ作りになるように思います。

何歳で伸びるかは人それぞれ。
全員に平等に機会を与えることで、思いもよらない子が化ける可能性もある。
特に小学生の指導においては大人の頭数が必要で、多くのチームが多くの指導者を抱えていることと思いますが、中学高校になると顧問の先生1人というパターンも往々にしてあると思います。
指導者1人できめ細かな指導は難しいですよね。

今や元オリンピアンが様々な場所で、様々なカテゴリーを対象に指導されています。
こういう素晴らしい活動が、個人活動に終わってしまっているのが非常に勿体ないです。
スポーツ庁事業のアスリーチのような活動を、ソフトボール界がまとまって事業として行い、全国を回ってくれたらいいのにと思うのが私の勝手な意見です。

積極的に活動している地方協会もあれば何もないところもある。
住んでいる地域で指導格差が生まれてはなんだかモヤモヤしてしまうし、ソフトボールの楽しさを普及しきれないような気がしてなりません。
今私は、自分のチームと自分が関わるジュニアチーム、そしてお世話になっているチームにその特別な経験をして欲しくて、こうして講習会を開いています。
いずれは、教えてもらいたいと思っているソフトボーラーが自由に参加できる講習会も出来たらいいなと漠然と考えています。
まずは愛媛県からソフトボールを愛する子どもを増やしていきたい!
ちょっと大きな夢ですね。

この2日間、技術的な指導でもかなり目から鱗でしたが、何と言っても山本さん自身の人柄が本当に素敵で、人間味溢れる姿に初めて参加した人たちがすっかりファンになっていました。
保護者の方からの感想でも、「チャーミングで魅力的な方ですね。私もソフトボールやりたくなりました。」とありました。

持っている知識を惜しげもなく与えて下さり、誰が相手でも変わらないそのブレない指導を目の当たりにし、私自身尊敬の念を改めて抱きましたし、少しでも盗める指導方法は盗もうとたくさん動画も撮らせていただきました。

山本さん、柳原さん、遠路より本当にありがとうございました。
雪景色の北海道から今年一番の暑さの愛媛に来ていただき、体調を崩されないか心配でしたが、後日練習方法の動画を撮影して送ってくださるというお土産までいただいて、私はもう感無量です。

教えて頂いたことを生かして、まずは来月の全国予選で北海道行きを決めます!
真夏の北海道で最高の時間をスワローの子たちと過ごしたい。
もちろん遠征を旅行だと思っているばーばたちも一緒に!