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春のRZ350R

ヤマハRZ350R「このバイク」との付き合いは、もうすぐ5年になる。1983年に製造されたこのバイクは当初人気が出ず、今となっては珍しいバイクになってしまった。

私が思春期に憧れていたバイクだったことから、リベンジライダーになって手に入れた。

購入するときのエピソードもある。

最初は、名古屋で程度の良さそうな車両を見つけた。広島から実際に見に行くと伝えた日、タッチの差で売れて買い逃した。

それからも探し続け一年後、東京八王子に、良さそうなRZ350Rがあると仲間から聞いた。
丁度、東京出張があり、早々と用事を済ませて八王子へ、片道小一時間かかる。
風邪が治りきらず、熱っぽかったのを覚えている。
見た瞬間しびれた。カッコいい。前のオーナーが大事にしていたことが感じられる車両だった。私が中学生の時に発売されたバイクだ。今までよく大事にされていたものだ。
「その時に写真を撮ってもらった。憧れのRZ350Rに跨る子供のように嬉しそうな顔をした私」。貴重な写真になった。
遠くから来た私に店に方も優しく、長話しているうちに夕暮れになってしまい帰りは駅まで車で送ってくださった。

購入を即決せずに帰ったが、それから頭から離れなくなり、後先考えず購入した。

地元でメンテナンスを依頼する店を探すのには苦労した。簡単な整備で東京に送り返すわけにはいかない。

10店ほどバイクショップを回ったが、旧車だということで引受けてもらえず途方に暮れながら半年が過ぎた。

ある日、小さなバイクショップを見つけ店主に話したところ、快く引受けてくれた。店主は私より少し年上で無類のバイク好き。同世代なので私のバイクにも詳しく、懐かしいと嬉しがりブログにもアップしてくれた。

バイクを買ってから5年、6000km乗った。完全に趣味として楽しむものだから大した距離ではない。
天候、仕事、体調、家族、親がと、いろいろな事情で乗れなくなる。

そんなことを乗り越えて、自分のバイクとの時間を持てたときは格別だ。

バイクを手に入れてよかった。季節や時の流れを感じることができる。


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