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【透析の後がしんどい】血圧が低い透析患者さん、ドライウエイトは適正ですか?

透析患者さんによくある血圧低下のお話。

透析の後は、しばらく気だるさが残りますが、それは異常ではありません。

ところが透析の後半になると、いつも血圧が低くなり、足がつり、頭痛や吐き気がある。

透析の後、起き上がろうとすると目の前が真っ白になって、すぐに帰れない「立ちくらみがひどい」。

透析した日は、ぐったりして次の日まで動けない「動く気がしない」。

そんなことはありませんか?

そんなときはドライウエイトを見直す必要があります。

ドライウエイトが変わる理由

腎不全になると、尿が今までのように出なくなります。体に溜まった水分を透析でドライウエイトを目標に、除去します「除水」。確認のため、もう一度ドライウエイトについておさらいをしておきます。

ドライウエイトとは「体液量が適正で、透析中過度の血圧低下を生ずることがなく、かつ長期的にも心血管系への負担が少ない体重」と透析医学会は定義しています。

難しくて、患者さんはおろか、透析に詳しくなければ医療従事者でも分かりにくいですよね。

分かりやすく説明すると、体の水分量が丁度良い。透析中、ドライウエイトまで除水しても気分が悪くなるほど血圧が下がらない。血圧が高すぎず心臓や血管に負担が少ない体重です。

ドライウエイトは主治医が、透析患者さんの身体を勘案して決めます。

ところが、このドライウエイトが曲者で、透析患者さんが、痩せたり太ったりすると変わってきます。

腎臓の機能が正常なら、太っても痩せても、体液量が適正になるように調整できます。しかし透析療法では正常な腎臓のように体液量を適正に調整することはできません。

透析患者さんは適正な体液量になるように、適宜ドライウエイトを見直さなければならないということです。

透析患者さんが太ったら、ドライウエイトを増やさなければ脱水になってしまいます。痩せたらドライウエイトを減らさなければ水が溜まってしまいます。

健康な時を思い出してください。体重を測った時、いつも同じではなかったはずです?おそらく太ったり痩せたりした経験があると思います。

それと同じでドライウエイトもあなたの食生活や健康状態によって変化します。

先程も説明しましたが透析療法は適正な体液量なるようになるように、ドライウエイトを「医師または自分が」調整しなければなりません。

繰り返しになりますが、ドライウエイトは、透析患者さんの体液量の増減に合わせて変える必要があります。

なぜ、血圧が下がってしんどくなるか?

食欲が出て太ってくると、筋肉や脂肪の割合が増えます。今までのドライウエイトのまま透析で水を抜く「除水」と体液量が少なくなって脱水に起因する症状が現れます。

体液量が減ったとき起こるつらい症状

水分管理「体重増加量が透析間2日空きで5%以内」ができているのに透析中に血圧が下がる。

透析していないときも血圧が低い。

透析の後半、声がかすれる。

何故か以前より、体重増加量が多くなってしまう。

透析後半に足がつる。

立ちくらみがよくある。

透析後、しばらく動けない「以前よりしんどい」。

便秘する「便が固くなる」。

喉が渇く。

肌がカサカサになる。

そんなときは身近な透析スタッフに相談しましょう。

詳しいスタッフ「主治医」があなたの、つらい血圧低下が改善するようにドライウエイトを修正を検討されるでしょう。

多くの場合、太った分だけ「太ったと思われる分」、ドライウエイトを増やせば、脱水や低血圧の症状は軽快します。

まとめ

透析患者さんはドライウエイトを適宜調整しながら、減塩をはじめとした自己管理を習慣にすることで、自分に適したドライウエイトが分かるようになります。

それまで、透析スタッフに相談しながら自己管理を実践しましょう。今まで通り元気に日常生活を送ることができるようになります。


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