【競馬予想】2023年 安田記念&鳴尾記念のゆるっと展望予想

■安田記念

基本的に11秒台のラップが続くタフかつ直線で伸びる脚を求められるレースだが、去年は中盤に12秒台が挟まるややスローな展開になった一方、本来は中盤で12秒台が入りやすいはずのヴィクトリアマイルが昨年ではタイトなペースになり、安田とVMの逆転現象が起きていた面白い年でもあった

で、今年の安田記念は粒ぞろい&先行有力勢が多めということで、おそらく去年よりは締まったペースになりそうな印象がある
チャレンジャーながら府中マイルで悪くない持ち時計のあるウインカーネリアンと、大阪杯で逃げて中盤に11秒台を連発させたジャックドールが短縮して参戦、さらにマイルの先行粘り込みでは現役実績最強のソダシがいるので、まず緩むこともないだろう
もしスローにしてしまえばシュネルマイスターやソングラインといった後続勢が虎視眈々と待ち受けてるわけで、特に中距離ですらキレ味で足りないジャックドールはマイルなら尚更平坦ペースでの強みを手放したくないはず
枠も絶好な位置を引けたので、ゲートを出れば後は逃げや番手で走ることになるだろう

そうなれば大方の予想は比較的組み立てやすいレースになるが、問題はガイアフォースである
前走マイラーズカップに関しては血統的に京都が強く(Nasrullahを背景に春天レコードを作ったキタサンと、京都巧者のダンス一族)、影響が強く出やすい母父のクロフネが後押しして初のマイル戦でも2着に好走したが、スピードの持続力に加えてキレ味も要求される東京競馬場1600mだと果たして決め手で足りるのか
前走が中団から後半にようやくジワジワ伸びての2着だったので尚更に府中変わりは怪しく見える……が、良くも悪くも未だ未知数のキタサン産駒なので、終わってみたら馬券内でしたとなっても大きく驚きはしない

あとは道悪のマイネルラヴを考えてウインカーネリアンを買うべきかどうかだったが、さすがに枠がキツく思えるので今回は買わずに応援だけしておきたい

出走馬全体で見れば、キャリア全体の安定感と、去年のVMのようなミドルペース以上の実績から個人的にはソダシが最有力だが、馬場が天気次第ということもありシュネル、ソングラインの出番も普通にありそうなのが悩ましいか

■鳴尾記念

このレースは基本的にGⅠだと勝ち味に遅い宝塚記念には出ないような馬が集まる重賞だが、開幕週ということもあり時計自体は案外悪くない数字になりやすい
ラップは例年12秒前後がずっと続くような内容なので、血統的にはNasrullahや北米系などでスピードや持続力を確保しつつ、Hyperion(Gainsborough)あたりの血で粘り込みを図るのが基本形となる
特に鍵になっていそうなのはHyperionの中でもアメリカに渡って栄えたAlibhaiで、そこにMahmoudなどを程よく重ねた中団〜前目で粘り強い馬の活躍が多い
(シンプルに主流血統×米国牝系が強い同条件の大阪杯と違うのは、メンバーレベルの追走力差によるものか)

わかりやすい例が2020年のパフォーマプロミスが勝った年で、本格化前とはいえ持続力が武器の名牝・ラヴズオンリーユーと叩き合ってハナ差制した

パフォーマプロミス自身は母父にタニノギムレットがいるが、ギムレットはGraustarkの3×4持ちであり、Graustarkは母父にAlibhaiを擁している

他にMahmoudのクロスもあり、全体を通して粘り強さの裏付けがきっちりあるため、血統的に好走することは何ら不思議ではない

そういう意味では今年のメンツだとソーヴァリアントが比較的近い構成になっている

父はステゴから一代経たオルフェーヴルで、オリエンタルアートの部分がHyperionとNasrullahを継ぎ足してベースを保ちつつ、母父・シンボリクリスエスはタニノギムレット同様にロベルト系、且つAlibhai持ち。母母父がノーザンダンサー系という点も同じで、全体的に1世代押し進めたような形か
ソーヴァリアント自身、既に阪神2000mでは重賞のチャレンジカップを2連覇しており、持ち時計的にも疑う余地はほぼ無いため、個人的にはまず頭でいいと見ている

他に面白いかなと思ってるのはアドマイヤハダルだろうか

アドマイヤハダルは奥にトウショウボーイを持っているが、この馬がなんとNasrullah×Hyperion×Alibhai×Mahmoudと先述した要素を一頭でカバーしきっている

父・ロードカナロアの牝系にもAlibhaiは存在しているし、アドマイヤハダル自身はジャックドールの勝った2022年の白富士Sで2着に来るなどミドルペース適性も垣間見せているので、馬券内に入る素養は十分に持っているはず

血統面からもう一頭挙げるならボッケリーニも有力か

5代血統表右端のKey to the MintがGraustark持ちで、リアルシャダイもAlibhaiがあり、他の部分はキンカメ×サンデー×トニービンと日本主流血統を満遍なくカバーしている
全兄のラブリーデイが鳴尾記念覇者であることも裏付けとしては十分で、米国的突貫力の差でアドマイヤハダルの方が個人的に評価したいものの、こちらも外せない一頭になるか

あとは同じ前目の粘り込み型で上述の条件を最低限はクリアしているマリアエレーナもちょっと無視しにくい馬なので、買い漏らしたくない人はこちらを抑えるのもアリ


余談だが、鳴尾記念は過去20年まで遡っても良馬場以外での開催はないものの、98年までいけば不良馬場でサンライズフラッグが勝ったケースが見つかる
しかも1番人気のエアグルーブと2番人気のアヌスミラビリスを、7番人気の身で3馬身差つけて下す大金星

血統表もまた面白くて、先程挙げたリアルシャダイとトウショウボーイをそれぞれ父と母父に持っている

さすがに25年前となると現在とは馬場もペースも違うが、当時から既にそういう血が強いのは血統の不思議だ

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