【競馬予想】2023年 阪神カップのゆるっと展望予想

■阪神カップ

阪神内回りながらも角度の急な1〜2コーナーを通らず、緩めのカーブを曲がるだけなので総じて前半が早くなるラップ傾向にある
そのためやはりテンを強める米血が大事にはなってくるが、1400mと生粋のスプリンター血統には距離が長く、逆に中・長距離血統のディープ産駒からも勝ち馬が出ている通り、サンデー系等からある程度のしなやかさを取り込んでいる事も重要で、どちらかというとマイラー寄りの馬に有利

また、阪神1400mは同条件の阪急杯(+近年は改修工事の都合で阪神開催されていたスワンSなど)も含め、連覇や連続馬券内の馬が出やすい典型的なリピーターコースであり、他の施行距離やレース場ではとんと走らない馬が激走しやすいため、その手のタイプを見つけておく必要がある

この両点に合致するのがフジキセキの血
連覇したキンシャサノキセキや、2着→翌年1着で連続連対しレコードを出したイスラボニータが代表例で、イスラボニータが2着になった2016年ではキンシャサノキセキ産駒のシュウジが1着でフジキセキ系がワンツーフィニッシュを飾った
その前年となる2015年もフジキセキ直仔のロサギガンティアが優勝と、とにかく暴れまわっている

フジキセキが他のサンデー系と異なるのはLe FabuleuxIn Realityを持つ点で、この組み合わせは日本でも年々重要度が上がっているUnbridledも持つ構成で、米国的な突貫力をほどよく引き出してくれる

一方でフジキセキは母系の奥にThe Tetrarchのクロスを抱えるなど、サンデーの中のMahmoud的しなやかさを弄る仕掛けもあり、この両面性の維持が阪神カップではおそらく重要なのだろう

そう考えるとフジキセキの血を持たないながら連覇していたリアルインパクトはサンデー系+In Reality持ちで、Nothirdchanceのクロスによりサンデー内の米血をさらに弄ることでディープ産駒ながら1400m戦に対応できるスピードと追走性を実現した形と言える

他の連覇馬としてはサンデーを持たず、阪神1400mでは無類の安定感を見せていたサンカルロもいるが、こちらも母方にIn Realityを持ち、父・シンボリクリスエスのThe Tetrarch的な素養も強化する構成で、基本的な血統ベクトルは同じ

こうした点を鑑みれば今回の出走メンバーのなかでも一昨年、昨年と連続連対しているグレナディアガーズは今回も有望株で、上述したUnbridledがデインヒル内のMan o'War(In Realityがクロスを内包する根幹部分の一頭)に呼応し、サンデーに近い血を持つBlushing GroomクロスとLe Fabuleuxの父であるWild Riskの強調を同時に行うことで、このレースに重要な性質をしっかり発現させている

他に上位人気のアグリもMahmoud的しなやかさの強調は物足りない気はするものの、In Realityの強調は行われている影響か阪神1400mでは抜群の安定感があり、今回も一定の評価はしたい(阪神カップに比べて海外血統が走りやすい阪急杯の勝ち馬なのである程度割引が必要かもしれないが)

穴馬の中ではグレイイングリーンが面白い

ディープ×UnbridledにIn Realityを追いがけした血統で、Nasrullahも取り込んでいるためMahmoud的な要素も強化
今年の阪急杯でも4着と健闘しており、ディープ系の活躍実績があるこのレースでは割り増し評価してもいいはず
現状のこの人気で買えるなら万々歳だろう

なお有馬記念は出走メンバーにドンピシャ血統がいないと思ってるため、今回は割愛

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