必勝!! 闘将ブレードオーガはどうすればよかったのか

注:筆者はカイザー刃鬼に対する理解が浅いです。・・・というか筆者は戦慄派です。

また、ところどころカード名やアーキタイプの略称を使用しておりますので見づらい点が多々あるかと思われます。


先日アルティメットクロニクルデッキが発売された。毎日新規カードや再録カードの情報を心待ちにしていたプレイヤーも少なくなかっただろう。

…………しかしどうも、筆者の周りでは「デッドディザスターの出来はいいけど刃鬼の方はイマイチ」「これ何年前のデッキだよ」とブレードオーガの収録内容に対して不満を抱いているプレイヤーが多いように思われる。筆者も正直に言うとその一人だ。どうしてブレードオーガはの収録内容は不評なのか、どのようにすればデッドディザスターのように高い評価を受けることが出来たのか考えていこうと思う。

まず結論から話そう。ブレードオーガが評価されない理由は主に3つあげられると筆者は考えている。

1.一部の新規カードが弱く、それらはカイザー刃鬼を強化しているとは言い難い。また、ツインパクトを軸にした新たなカイザー刃鬼というニーズに応えたものではなかった

2.再現性が低く、カイザー刃鬼においてよく採用されていたカードが一部収録されておらず、古参プレイヤーの望んでいた内容ではなかった

3.同期のSSS!! 侵略デッドディザスターが強すぎた

……他にもデュエキングパックの方にカイザー刃鬼を強化するにあたって有用なパーツ(《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》や《ドンドン水撒くナウ》)が殆ど持っていかれてしまったといった要因、サイゾウミスト1枚のみの収録でゼロカゲが2枚収録されているといった要因もあると思われるがここでは割愛させて頂きたい。

では早速これから本題に入ろう。

1.一部の新規カードが弱く、それらはカイザー刃鬼を強化しているとは言い難い。また、ツインパクトを軸にした新たなカイザー刃鬼というニーズに応えたものではなかった

闘将ブレードオーガに望まれていたのは言うまでもなく、カイザー刃鬼の強化である。そして、カイザー刃鬼を強化するためには2つの方法があるのではないかと筆者は考える。

①カイザー刃鬼そのものをリメイク

②カイザー刃鬼の取り巻きを強化

さて、これらの方法について見ていこう。

①カイザー刃鬼そのものをリメイクする

既存の切り札の欠点を補うカードをデッキに切り札として収録するという方法だ。これは初期のクロニクルデッキでよく取られた方法である。

アルカディアス系列の「コストが重い」「光のカードを使う相手には効果が薄く、自分も制約を受ける」という欠点を補う切り札として「G0による踏み倒しが可能」「自分には一切制約がかからない」「文明を問わず相手にロックをかけられる」という欠点を補った《精霊王アルファリオン》はその典型例であろう。(他には《悪魔神バロム・クエイク》や《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》等が挙げられる)。という訳でこのようなカードを切り札として据えればよかったのではないかと筆者は考えた。

《「常勝」の頂 ブレード・オーガ》
無色 クリーチャー コスト9
レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/ゼニス
パワー11000

■このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のシールドを数え、その回数相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った数、コスト8以下のハンターを1体、自分の墓地、マナゾーン、または手札からコストを支払ったものとして召喚する。
■W・ブレイカー

(注:このカードはあくまでも筆者が脳内で30秒で考えたオリカである。)

このようなカードが新規収録されていれば間違いなく闘将ブレードオーガの評価は高くなっただろう。・・・しかしこのようなカードを刷るのは難しいと言わざるを得ないのが現状である。

GP1stのベスト8の景品であり、CS版ですらかなりの値段がついているカード(これはデッドゾーンにも言えることであるが)のほぼ上位のカードを刷り、ほとんど使われないカードにしてしまうのは色々と問題があるように思われる。《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》でもあれだけの騒ぎになったのにそれがGPベスト8のカードだったらどれだけやばいことになるか………想像するだけで恐ろしい。(まぁ最近はウォズレックでハンデスされない《クリスタル・メモリー》が採用されることも少なくないが)

というわけで、②のカイザー刃鬼の取り巻きを強化する方針はどうだろうか。実際に闘将ブレードオーガはこの方針を採用していると思われる。

《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》や《リュウセイ・天下五剣カイザー》は評価されているし、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》や《聖闘の精霊龍 セイント・カイザー/ライブラ・シールド》のように呪文面を唱えて墓地にいったハンターをカイザー刃鬼で踏み倒すというデザインは良くできていると感じた。………しかし、カイザー刃鬼の取り巻きを強化するという方針そのものは間違っていないのにどうして今のような状況に陥っているのだろうか?

……正直に答えよう。こいつらが悪いと思う。いや、マジで。

《ナチュラトゥルー・トラップ》はカイザー刃鬼の強化に1mmたりとも貢献していない(ガチンコジャッジの勝率を高めるという目的があったのかもしれないが、それなら《龍幻のトラップ・スパーク》や《無法のレイジクリスタル》等もっと適任がいたハズであろう)。しかも有用性の高いステゴロカイザー/お清めシャラップが3枚収録なのに対してこのナチュラトゥルー・トラップは4枚も収録されている点も評価の低さに拍車をかけている。

ザオヴァナインカイザーはカイザー刃鬼から踏み倒すことが出来る呪文封じであるがガチンコジャッジで勝利しなければ呪文を封じることが出来ず、しかも返しのターンの呪文を封じることは出来ない。ガチンコジャッジという不確定要素があるにも関わらず、《勝利宣言 鬼丸「覇」》ほどの強力なリターンを持っていない。(殿堂入りしているカードと比べるのも酷な話だが)ついでに強力なリュウセイ・天下五剣カイザーが1枚のみの収録であり、ザオヴァナインカイザーみたいなカードを収録する位なら天下五剣の2枚目を収録して欲しかったプレイヤーも少なからずおり、更にヘイトを集めているように思われる(主に筆者とか筆者とか筆者とか)。

この2枚がそこそこ有用なカードであれば闘将ブレードオーガの評価は180度とまではいかなくとも、150度程度は変わっていたのではないだろうか。

例えば、この2枚がこのようなカードだったら今よりは闘将ブレードオーガの評価は高かったのではないだろうか。

《セブンス・ワイルド・カイザー/ナチュラトゥルー・トラップ》

自然 クリーチャー コスト6

ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ハンター 7000

■W・ブレイカー

■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を自分のマナゾーンに置く。

■自分のターン中、種族にハンターを持つクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。

自然 呪文 コスト7

■S・トリガー

■相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。


《ザオヴァナイン・カイザー》

光/水文明 クリーチャー コスト9
キング・コマンド・ドラゴン/ハンター 9000

■W・ブレイカー

■相手は呪文を唱えることが出来ない。

■相手はDスイッチを使えず、D2フィールドを展開できない。

(注:これらのカードは筆者が脳内で30秒で考えたものです)

また、《ナチュラトゥルー・トラップ》はハンターを持つクリーチャーとのツインパクトにして欲しかったという意見をちらほら目にする。闘将ブレードオーガ収録の新規カードのうち、いち早く情報が公開された《聖闘の精霊龍 セイント・カイザー/ライブラ・シールド》を目にして、呪文面を唱えて墓地にいったハンターをカイザー刃鬼のcipで踏み倒すという新たなカイザー刃鬼の誕生を期待していたプレイヤーも多かったであろう。しかし、ツインパクト軸の新たなカイザー刃鬼を誕生させるだけのカードは発売されず、ユーザーの期待を裏切ることとなってしまったのである。

2.再現性が低く、カイザー刃鬼においてよく採用されていたカードが一部収録されていない

ご存じの通り、闘将ブレードオーガにはピクシー・ライフや不敗のダイハード・リュウセイといったカイザー刃鬼が環境に君臨する上で欠かせない存在であったカードが一部収録されていないのである。
そもそも2015年以降毎年夏に発売されているクロニクルデッキは古参へのサービス的な側面もあるように思われる。昨年のクロニクルデッキであったゼニス頂神殿の評価が芳しくなかった一因として、環境で活躍した自然文明によるマナ加速からゼニスに繋げる所謂ターボゼニスではなく、天門ゼニスという見たことも聞いたこともないデッキであったことが具体例として挙げられる。

カイザー刃鬼というアーキタイプは愛好者も多く、彼らにとって、カイザー刃鬼において必須であったカードが収録されていなかったことは不満だったのではないだろうか。彼らはE3~DSあたりで活躍した白刃鬼のような構築を望んでいたが、彼らの望んでいたものとは違ったものが発売され、評価の低下を招いたと思われる。

総じて、ツインパクトを活かした新たなカイザー刃鬼を期待していたユーザーのニーズにも、古参ユーザーのニーズにもブレードオーガは応えることが出来なかったのである。

3.同期の天災デッドディザスターが強すぎた

……これは収録内容ではなく、外的な要因である。《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》3枚+《リュウセイ・天下五剣カイザー》+《怒流牙 サイゾウミスト》に加えて、シャワーや吸い込むといった汎用カードセットが合計で4000円と考えれば決して悪い買い物ではない(あくまでも筆者の主観だが)。同時に発売されたデッドディザスターは発売からすぐに環境トップにまでのぼりつめ、品切が数多く報告されている程の人気商品であり、ブレードオーガはどうしてもデッドディザスターと比較されてしまう。そして相対的に評価は低くなってしまうのだ。極端な話、同期が去年のバルガ龍幻郷かゼニス頂神殿だったならもっと高い評価をされていたと筆者は考える。

総括

これが筆者なりに分析した闘将ブレードオーガの評価が芳しくない要因である。

《「常勝」の頂 ブレードオーガ》のようなカードが新規収録されていなくとも、もし《ナチュラトゥルートラップ》や《ザオヴァナイン・カイザー》がもっとまともなカードだったら、もし《ピクシー・ライフ》や《不敗のダイハード・リュウセイ》が収録されていれば、もし同時発売のデッキの出来がそれ以上に悪ければ・・・今よりも間違いなく評価は高かっただろう。

感想等ございましたら筆者のTwitterかコメント欄にてお願いします。また、戦慄派の筆者はカイザー刃鬼に対する理解が浅いため間違いや指摘があれば是非ともご鞭撻賜りたいと思っています。

・・・これまで散々ブレードオーガに喧嘩を売っていたので最後に少し媚を売ろうと思う。また、これは筆者の予言でもある。

《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》は半年後に1枚1000円いってそう(再録がなければ)

ほんとうにおわり

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