アウトドアのブーム(2)

スノーピックの女性社長が退任したというニュースを目にしました。退任理由は、既婚男性とプリンし、妊娠したから…とニュースには記されていました。(念のため、企業ブランド名はわざと間違えています)

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スノーピックの直近5年間の株価の推移です。個別株をやらないので、株価と業績が、どれだけリンクしているのかは知りません…が、業績については、それほど悪くないようです。

その元社長(同社の3代。祖父が初代で実父が2代)が、3代社長として就任したのが、2020年6月。株価は500円前後の頃です。そこから2021年後半には4000円へと爆上げしています。

3代(元)社長は、アパレル事業を拡大させると言って、鳴り物入りで就任した印象があります。就任前後からテレビや雑誌でも取り上げられることが多かったです。ちょうどアウトドアブームがバブル期へ突入し、これまでアウトドアをしない人たちまでが、キャンプ場などへ出かけるようになった時期とも重なります。就任直後には、新型コロナの影響で、感染リスクが低いレジャーということで、キャンプ需要は増大。アウトドア業界にとっては、追い風となり、noteでも散見されますが、新興アウトドアブランドも次々と立ち上がっています。

今の円安もですが、急騰したものは急落する可能性が高いです。スノーピック株価も、2020春の500円前後から2021年冬の4000円前後なので、急騰と言えるでしょう。現在の2100円前後は、急落したとも言えるし、調整が入っているだけともとれそうです(未来は誰も分からないので…)。

今回の3代(元)社長の退任は、この株価下落の責任を取った…ということかもしれません(公式には、株価下落、または業績不振などを理由にはしていませんし、業績不振だったかも分かりません)。

ただ、自分の推測というか感想を記すと、株価の急騰も急落も、3代(元)社長の功績でも責任でもないような気がしています。単にアウトドアブームに合わせてバブルが膨らみ、そして萎んでいった2年ちょっとの期間を、たまたま社長だっただけかなと。強いて言えば、アフターブームを見据えた準備が整えられなかった責任は、ないとも言い切れません。

ただ、ほかのアウトドアブランドも、似たり寄ったりなんじゃないか…と推測しました。

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↑ 総合アウトドアブランドの、コロンビアの株価です。ピークは2021年4月の110円前後です。そこから現在の71円前後へ……急落と言えなくもないかな。

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↑ ノースフェイスを擁するゴールドウイン。2019年からはかなり安定していますが、いちおうピークは同年9月でした。ただ、ゴールドウインの場合は、ノースフェイスやマックパック以外にも、ヘリーハンセン(海)、スピード(水泳)、カンタベリー(ラグビー)、C3fit(ジョグ)など、さまざまなブランドを持っているので、いわゆる山系のアウトドア企業とは異なります。数年前からの異常とも思えるノースフェイス人気にも、それほど過剰反応せず(無駄な投資拡充をせず)、手堅い経営をしているような気がします(ど素人予測ですけどね…)。

その点で、モンベルの株価を見たいところですが……同社は上場していないんですよね。ということで、アウトドア部門を目立って拡充していたように思えるアルペンを見てみると…

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2021年8月の2100円前後がピークだったようです。ただ、アルペンも、キャンプだけではないという意味では、リスク分散…されているようには感じます。株価も、正常に戻っただけと、言えなくもないかなと。

思い出したので、追加でワークマンです。

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ピークは2019年年末の10,000円前後で、今は1/2以下ですね。かつてぼくがアウトドアをしていた時には、ワークマンの雨具などを使っていました。ただ、同社の最近のアウトドア参入には良いイメージがありません。事業拡大は当然必要でしょうけど……それがレッドオーシャンにしか見えないアウトドアで良いのか? という感じがしています。まぁでも商品ラインナップを大きく変えたわけでもないし(変えつつはあった感じですけど…テントなど…)、全国数店舗をアウトドア仕様にして新規出店したくらいだったから、このままブームが去っても、同社の痛手は少ないのかな…。

なにが言いたいかといえば…

なんだったっけなぁ……アウトドアブームは、そろそろ……ね?

1-2年前と比べて、株価や業績が落ちているのはアウトドア業界だけではなさそうです。新型コロナで、良かったところは、いまピークアウトした感じがしますし、逆に新型コロナの悪い影響を受けたところは持ち直しているところも少なくないでしょう。

そして、スノーピックですが……。ここはもう4-5年前から、少し好調過ぎたような気がします。具体的には、信者=ファンが急増しました。それは悪いことじゃありません。ただ、(言い方が悪いですけど)会社が悪ノリした気が……個人的にはします。製品のラインナップや、会員制度などで。逆に信者になれないと、買えないような製品価格になってきている気もしています。

その状態で、3代(元)社長が、なぜかプリンしていたという理由で、(いちおう自主的に)退任することになりました。いっしょに副社長も、しかも自主的に、数ヶ月10%減給というのも、ニュース記事を読んだ限りでは解せませんでした(だって社長のプリン退任で、なぜ副社長も減給する? 社長のプリンの責任を、副社長も負うってこと? それともやはり業績不振だから社長は退任するのか? それなら副社長も…というのも、分からないではない)。

まあ、スノーピックのファンや株主に対して、プリンしていた社長が責任を負うというのは、分からないでもないです(ぼくがプリンを責めるつもりは、もちろんありません)。クリーンというか、意識高い系というか…そういうブランドイメージを傷つけた…傷つける危険が大いにあるからです。その意味では、文春(なのかは知りませんが)…週刊誌などで報じられる前に、自ら身をひいたの…かも…しれません。

とはいえ、そろそろアフターブームを、各社が当然考えていることでしょう。なかなか打開策は思い浮かばないでしょうけど。

でも……スノーピックは良いとして(だって、どう考えても、ぼくをターゲットにはしていないブランドだし、優良顧客にはなり得ないので…)、ほかのアウトドアブランドやショップには、できるだけ生き残ってほしいと思います。ブームが完全にピークアウトしたら、ぼくも少しですが、貢献したいと思います。そういう人も、少なからず居るんじゃないかなあ。



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