パパ活

最近、パパ活にハマっています。以前は子供などに興味がなく、子供もママばかりに興味を示して、パパのぼくには無関心のようでした。それが4歳だか5歳頃に、幼い頃のぼくがハマったアニメを一緒に見るようになってから、彼はパパのぼくに興味を示すようになりました。というより「昔からいつもいた、このおっさんが、ぼくのパパらしい」と、気がついたのかもしれません。

それからのこと、わがままなパパは、家で彼がテレビを見ている時に、無慈悲にも「おい息子よ、それ、つまらないからほかのに変えてよ」と言います。当然、彼は「え…見てるんだけどぉ〜」と不平を言います。「見てるのは知っているさ。でも、つまらないから、パパも楽しめるのにしてよ」と言います。

最初は泣きじゃくったり、しつこく抵抗してきましたが、わがままパパは泣こうが喚こうが気にしません。それで諦めたのか、ある時から彼は「これだったらパパも楽しめるんじゃない?」と、テレビ番組やネット動画配信から探し出して、提案してくるようになりました。「うーん…びみょうだなあ」と言えば、また「これなんかどう?」と。

最近ではパパの好みも分かるようになってきたし、わがままパパも「ほどほどにしないと、子供が卑屈な性格に育つかもな」と思い始めて、ほどほどのところで妥協するようにもなりました。

それで毎週、何曜日はこのアニメを、何曜日はこれを、などとルーティンで2人で見るコンテンツもできました。また、2人が好きな映画を見に、なんだかんだで何度か行っています。

また、夜に帰ってきてパパが見たいテレビがあったりすると、すかさず「おい息子、宿題はやったのか?」などと、いきなり教育熱心になったりします。「ええ〜」とぐずりながらも、勉強しはじめるため、今のところ学校の成績も悪くありません。それもこれも、ぼくが教育熱心だからだぞ! とは、さすがに妻には言いません。

時々は就寝前に、息子が図書館で借りてきた本を、章ごとに代わりばんこに読み聞かせし合ったりもします。以前は、綺麗事ばかりで蕁麻疹が出そうな絵本を読んでいて、ぼくは興味を抱けませんでしたが、最近は息子の本のレベルも上がって、少しづつ楽しめるようになったからです。

そういえば背も高くなってきたので、できることも増えてきました。これまでは、ご飯のお代わりをしたい時は、自分で立ち上がってよそっていましたが、ある時からぼくは、意図的に息子に向かって「おかわり!!」と言うようにしています。はじめは妻が「え? なんで? 自分でよそってくればいいじゃん」と言っていましたが、そんな妻を無視して「ね? おねがい(笑)!!」と言って、嫌がる息子に茶碗をグイッと差し出しました。それから毎日、続けていくうちに、妻もなんとも言わなくなり、息子も嫌そうな顔をしつつも、あらがわなくなりました。

こんなパパに育てられて、いったいどんなヤツに育ってしまうのか、はなはだ心配ですが…というのは嘘で、まったく心配などしていません。まあどのみち、ぼくの遺伝子をたくさん継いでいる時点で、彼の将来は半ば諦めてもらうしかありません。その遺伝子だって、メリットとデメリットがあるわけで、メリットをどう活かして彼が生きていくのか? という話でしかないだろうと、無責任なパパは思っています。

将来「おまえのせいでオレは、こんなんなっちゃったんだぞ!」と苦情を言ってきたら。「そうかもな。すまんな。でも、親や過去のことは、諦めるしかない」とでも言ってあげたいと思う。

ああ、こういうのが少し前に流行った親ガチャっていうものなのか? そうであれば……まあやっぱり諦めてもらうしかないよなあ。

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