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夫や父であり続けることが辛すぎる1日

家族が寝てくれると、やっと独りになれる喜びがあります。妻や子が嫌いなわけではないです。むしろ好きですよ。

ただ、昨日一昨日あたりから、頭が痛いんです。いつもは頭の前の方が痛いんだけど、今回は後ろの方が痛い……というか重い感じというか……。

うぐぐぐぅ……と……何かに殴られるような激痛ではありません。なにか圧迫感というか……脳を握られているような……そんな不快さが続いています。

原因は、あれだろうなぁというのはあります。思い出したくないことが、無意識に頭の中を巡るんです。

うぅぅん……その不快さを止めないと、また大変なことになると、薄々気がついています。だから独りでカフェへ行き、目をつぶります。こう言う時に家族と一緒にいて、常に話しかけられて返事を求められる状況に耐えられません。だから外へ逃げ出すんです。それでも、その得体の知れない不快感が止まらなくて、焦ってきます。

次の日は、朝から大事な用事があるのに、夜眠れずに焦る……そんな感覚に近いかも。

止めなきゃ、止めなきゃ……

そう思えば思うほど止まらないんです。

焦るな、焦るな、止まるから、きっと時間が経てば止まるから……。

頭の中が ぐわんぐわんとしてきて、焦りが増します。

くそっ…くそっ…なんでこんなことになった? って、悔しさが増していって、ポロポロと涙になって溢れてきそうです。情けない……なんでこんなんなっちゃったんだろう。

午後は家族と過ごしました。ずっと独りになりたいと思いながら、妻や子どもと一緒に過ごしました。大事な家族と過ごすことが、辛いです。息子が公園で遊んでいるのを目で追いながらも、頭の中は他のこと……具体的な何かではなくて、ただひたすら脳に負荷を掛けられているような状況です。脳が外部からハッキングされて、何の意味もない複雑な演算を永遠にさせられ、CPUに無駄な負荷をかけられ……システムダウンしそうな雰囲気です。

ときおり笑顔の息子が駆け寄ってきて、僕に見せたいものがあるから、こっちへ来て欲しいと、僕の手を引きます。

そんな時は本当に泣きそうになります……頼むから放っておいてくれ……今は息子に合わせて笑うのすら辛いんです。「あぁわかったわかった……行くから……お願いだから引っ張らないで……」と言いつつ、本当は息子の手を思いっきり振りほどいて「あっちで一人で遊んでくれ! いまそんな気分じゃねえんだよ!」と怒鳴りたい気分なんです。

でもなんとか父親として踏みとどまります。そうした無理がどんどんどんどん積み重なっていきました。同時に頭の後ろの痛みも、どんどん激しくなっていきます。

幸いだったのは、妻がママ友と話をしていてくれたこと。おそらく僕の異常には気がつかなかっただろう場所に、いてくれたことです。

そのあとは、家族だけでショッピングへ出かけました。相変わらず脳の6-8割は、なにか無意味な回転をし続けていて、残りの2-4割だけで妻と子どもに応答しています。明らかにおかしいっていう自覚はあるけれど、なんとかバレていないはず。なにせ僕は、いつも何か違うことを考えていて、妻によく叱られるので、受け答えが遅かったり変だったりすることも、珍しくないんです。だから今日の異変も気付かれていないはず……。

でもなにか無性に身体がポカポカとして、いらいらした感情が止められません。油断すると、妻や子どもに、そのイライラをぶつけてしまいそうで……だから早く独りになりたい……目をつぶって眠ってしまいたい……独りになりたい……お願いだから独りにさせてくれ……ずっとそう考えながら、歩いていました。

帰宅してからも変わりません。トイレへ行き、独りになります……でも、息子がトイレのドアを叩きながら「はやくでてきて! いっしょに〜〜しようよ!」と叫んでいます。家族がそうそうに風呂に入ってくれ、やっと束の間の独りの時間。そのあとは自分も風呂に浸かり……止まれ! 止まれ! 止まれ! と……。顔を湯の中に押し当てたり、バサァバサァとお湯をかぶったり、汗をかけば不快な気分も一緒に気化してるれるんじゃないかとも思うのですが……なかなか甘くないです。シャツのカラーについた皮脂汚れのように、一瞬は目立たなくなるけど、乾くと黄ばみが現れる……そんなことの繰り返しです。

もう茹だって倒れるっていう寸前に、いやいや風呂から這い出て、身体を拭き服を着て、食卓に着きました。妻が作ってくれた食事と、子どもの(別件で良いことがあったので)嬉しそうな笑顔が救いです。できるだけ笑おう……笑え…笑え……。

今はやっと家族が寝てくれました。

これを書き始めた時よりも、僕もだいぶ落ち着きを取り戻しています。

とにかく必要なのは睡眠です。それを認識できているだけ、まだ大丈夫……と自分を励まします。まだ狂ってない……いや狂ってるけど、まだ正常を取り繕えるレベルのはず……まだそこまで壊れていない……大丈夫……大丈夫……寝よう……眠らないと……明日の朝には消えていてくれますように……お願いだから消えてください……目の前から居なくなってくれていますように……


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