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デザインマネジメント専門マガジン

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デザインマネジメント専門家 草野紀親がデザイン思考やデザインシンキングの学び方、そしてデザイン経営における役立つ情報をお届けします。デザインマネジメントは、経営において欠かせない…
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#ESG

「想い」のないところにデザインはない

日常生活の中で、物事を哲学的な視点で考察した経験はありますか?私たちが日常生活を通じて繰り返すさまざまな行動や選択、一日を始めるコーヒーの入れ方や出勤時の服装選び、夕食のメニュー構成など、これらの日常の細部にも、実は哲学的な背景や考え方が深く関与しています。皆さんは、このような日常の中での自らの行動や選択が、どのような哲学的要素や価値観に基づいているのかを意識的に考えたことがありますか? 例えば、私たちが毎日手にする家電製品やアクセサリー、さらには選んだ服装にも、機能やデザ

ブランドブックをつくろう!

ブランドブックは、ビジネスの独自性を鮮明に描き出し、その差異と魅力を効果的に伝えるためのツールです。 企業や製品のブランドは、その企業が重視する価値や理念を具現化したもので、企業のビジョン、価値観、そして文化を総体的に反映します。このブランドの持つ価値は、消費者の選択行動やブランドへのつながりには深い影響を与えます。「ブランドブック」は、ブランドの核心的なメッセージを洗練された手法で伝え、その価値を持続的に維持・発展させるための重要な戦略ツールとして機能します。 ブランド

ESGの時代におけるデザインマネジメントの役割と貢献

持続可能なビジネスを実現するためのデザインマネジメントの役割現代社会は、持続可能性が求められる時代に入りました。この背景の中で、デザインマネジメントは非常に重要な役割を果たしています。デザインは、視覚的な要素だけでなく、組織の文化や製品の全体的な構築にも関与し、ESG(環境、社会、ガバナンス)の原則を浸透させる役割を担っています。 ESGの原則を考慮したデザインは、持続可能なビジネスの実現に重要な役割を果たします。デザインは製品のライフサイクル全体で環境への負荷を軽減し、生

経済の持続可能性を追求する、ヘーゲルの事物の螺旋的発展の可能性

持続可能な経済の創造に向けて、ヘーゲルの事物の螺旋的発展ヘーゲルの事物の螺旋的発展を応用した持続可能な経済について考えましょう。 ヘーゲルは、事物は対立や矛盾を経てより高次の段階に発展していくという弁証法を提唱しました。この弁証法は、経済にも適用することができます。経済は単純な直線的な進展ではなく、対立や矛盾を解消しながら螺旋的な展開を経て発展していくという視点を持つことができます。この視点を応用して、マクロ経済とミクロ経済の両方から持続可能な経済の実現を目指すことができま

デザインリサイクラビリティの重要性と持続可能性への貢献

環境と未来をつなぐデザインリサイクラビリティ現代社会が持続可能な未来を追求する上で、デザインリサイクラビリティは不可欠な要素です。デザイン業界では、環境、社会、ガバナンス(ESG)と持続可能な開発目標(SDGs)に対する関心が高まり、デザインリサイクラビリティの概念が注目を浴びています。実際に、デザインリサイクラビリティを取り入れる企業は、環境への配慮を実現しながら競争力を高めることができます。さらに、デザインリサイクラビリティはイノベーションを促進し、新たなビジネスチャンス

環境と社会への思いやりを体現するサステナブルデザインとデザイン思考

サステナブルデザインとデザイン思考の関係性サステナブルデザインとは、製品、サービス、システム、環境、建築物などを設計する際に、社会的なニーズや環境への影響を考慮し、持続可能性を追求するデザイン手法です。 サステナブルデザインは、環境への負荷を最小化し、社会的な課題に対処するために、持続可能な素材の使用、エネルギー効率の向上、廃棄物の削減、再利用やリサイクルの促進などの方法を組み合わせます。これにより、製品やサービスのライフサイクル全体で、資源の使用量を最適化し、廃棄物の排出

世界が絶賛!デザイン思考によるプロダクト・イノベーション(Qドラム篇)

ESGを取り入れた社会的デザインとQドラム、持続可能な水運搬プロダクトの誕生途上国における深刻な水不足問題に対し、デザイン思考を駆使したプロダクト・イノベーションが注目されています。その中でも、Qドラムはデザイン思考を活かした持続可能な水運搬プロダクトとして、世界中で称賛されています。この取り組みは、シンシア・スミスの著書『世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある』でも取り上げられるなど、デザインの力が実を結んだ素晴らしい事例です。 デザイン思考から生まれたQドラムデ

デザイン マネジメントの導入について

デザイン マネジメントを導入すべき企業とは!?本記事では、デザイン思考やデザインマネジメントを導入した企業の事例をいくつか確認してきました。 どの事例もデザイン思考をもとに顧客や問題の本質を理解し、それらの需要を満たす、あるいは解決するためのデザインコンセプトを打ち出し、技術者にもそのコンセプトを一貫させてサービスや製品へと仕上げています。 さて今回は、デザインマネジメントを導入すべき日本の企業について考えてみたいと思います。 まずは、過去にヒット商品を生み出し、すでに多く

ソーシャルビジネスで活躍する「デザイン思考」〜LifeStraw(ライフストロー)篇

発展途上国におけるソーシャルデザイン ビジネス「デザイン思考(デザインシンキング)」を持つ人々は、一般的なビジネスの世界だけでなく、ソーシャルビジネスの現場でも活躍し、重宝される存在となっています。ソーシャルビジネスとは、日本では社会的企業と訳され、発展途上国における貧困問題、地域コミュニティ再開発、少子化高齢化、育児・教育問題、障がい者支援、環境保護など、解決されなければならない社会的な課題をビジネスの手法で解決することを指します。 ソーシャルイノベーションの事例「Lif

デザイン マネジメントを形どる「デザイン思考」

デザイン思考で環境と社会の課題に挑戦。ESGとのシナジーで解決策を生み出す!デザインマネジメントを形作る「デザイン思考」は、イノベーションや新しい価値づくりの重要な要素です。ESGの観点から見ると、デザイン思考は持続可能な経営や社会的な責任を促進する手法としても価値があります。 VUCA時代におけるデザイン思考とESGの関係を考えると、デザイン思考は環境への配慮や社会的な課題への取り組みを重視することができます。デザイン思考の手法を活用することで、製品やサービスのライフサイ