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デザインマネジメント専門マガジン

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デザインマネジメント専門家 草野紀親がデザイン思考やデザインシンキングの学び方、そしてデザイン経営における役立つ情報をお届けします。デザインマネジメントは、経営において欠かせない… もっと読む
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2017年9月の記事一覧

デザイン マネジメントをさらに効果的にするために 〜感性と経営について〜

経営体制からみる、個人の感性が組織の命運を左右する時代に沿った価値を社会はクリエイトし続けなければ淘汰されていく。これが資本主義社会のルールとして定着されています。 私たち日本人はまさに新しいものをデザインし、世に生み出していかなければ生き残れない人種に近いのかもしれません。 デザインにも必要な感性と経営の重要性を今一度よく見つめ直してみます。 企業の先行き集団の中にいるとどうしても個が埋没してしまう傾向にあると言います。確かにその通りです。特に日本は戦後からの社会的変

ブルーノ・ムナーリの絵本の世界とデザイン思考(デザインシンキング)

文字のない世界で表現される、絵のみの絵本で養う感覚とは?絵本と聞くと文字と絵があるものを想像するかと思います。ほとんどがそうですし、きっと子供の時に親に読んでもらった絵本がそうでしょう。 けれども、ブルーノ・ムナーリの絵本は視覚情報の一部でもある文字が欠けています。アート作品として絵本も手がけている彼ですが、知育玩具としては作製していないのかもしれませんね。 今ブルーノ・ムナーリの絵本はアート以外の意図で見直されています。 それは感覚を養うための玩具としての役目です。 文

デザインマネジメントとは?アート思考とデザイン思考の融合がもたらす効果

アート思考 ✕ デザイン思考(デザインシンキング)=デザインマネジメント最近、アート思考という言葉が広まり始めています。なぜ私たちはアートやデザインに意識を向けるようになったのでしょうか。それは、そこに何らかの価値が生まれ、その結果として利益が生まれるからです。 アート思考の重要性は、私たちの感性をどれだけ揺さぶることができるかに関係しています。 今回は、異なる視点からアート思考を探求することで、アートの重要性にさらに気づいていきましょう。マインドセットを刷新し、より深く

映画「ボヤージュ・オブ・タイム」を通して感覚について試行錯誤してみる

ボヤージュ・オブ・タイムより現代社会に必要な感覚を養う視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚、私たちはそれらを日常生活で使っているはずですが、それぞれ何か外部から情報を得る時にどの感覚を活用しているか考えたことはありますか? 今、現代人はそれぞれ個々の感覚能力がとても鈍くなっている傾向にもあるといわれています。 今回は巨匠テレンス・マリック監督の映画「ボヤージュ・オブ・タイム」の世界を参考に感覚について考察していきます。 ボヤージュ・オブ・タイム作中では言葉による表現はとても少な

美意識について

あなたの中の美意識と向き合うみなさんはどれくらい美に関心があるでしょうか。そもそも、何を持って美しいと感じるのでしょうか。美女を見たときに息を飲む人もいます。登山家は達成感とともに頂上の景色を美しいと思うでしょう。 ここまでは視覚的な美ですね。どんな風に感じるかはその人の価値観なので、こうだと断定できません。けれども、視覚的な美意識以外にも美しく、価値あるものはたくさんあります。 では視覚に頼らない美とはどういったものなのでしょうか。 へレン・ケラーは視覚、聴覚障害者で

ブルーノ・ムナーリから生きるヒントを得る

人生のヒントを得る、ブルーノ・ムナーリの創作活動とは?「役に立たない機械」という芸術を生み出した、ブルーノ・ムナーリをご存知でしょうか。 彼は世の中に、近代的な芸術作品を多く輩出してきた芸術家です。今日の、現代社会の中で生きる私たちはもうこの資本主義社会に限界を感じつつあります。 今回はブルーノ・ムナーリより、芸術の視点から生きるヒントを得ましょう。 ブルーノ・ムナーリとは?彼は1900年代初期に、イタリアミラノに生まれました。 建築関係の出身でないにも関わらず興味深