俺だけ【UR確定ガチャ】で世界最強♪貧乏で無料ガチャしか引けなかったけど、貯めたお金で引いた初めての有料ガチャで無事《ウルトラレア》が出ました!その後も引くたびに最強種の神獣、レア武器、手に入り放題!3話

「それじゃあ、いっしょに行こうか」
「うん」

 俺とシエルは冒険者ギルドを出て、クエストに出発する。
 シエルがモンスターに奪われた大事なペンダントを取り返すために!
 だが、ギルドを出たところで、シエルは立ち止まり、

「あ……そういえば、私武器も奪われたままなんだった……」
「武器……?」
「うん、武器もモンスターに飲み込まれちゃって……」
「そうだったのか」

 シエルはそのモンスターによほど苦戦したんだな。
 そりゃあ、武器まで奪われてしまったら、あそこまで負傷するのもしかたない。
 それより、よく生きて戻ってこられたな。それだけが幸いだ。

「あ、じゃあ代わりにこの武器使うか?」

 俺は先ほどガチャで出た紅蓮剣ドラグリオを手渡した。

「こ、これは……? いいの……?」
「ああ、うん。余ってるからな。ほら、俺は自分の武器がある。さっきエリクサーを出すために、ガチャを引いて余ったんだ」
「ガチャ……?」
「ああいや、こっちの話だ。なんでもない」

 おっと、口が滑った。

「とにかく、この武器いらないから、よかったら使ってくれ」
「うん、なにからなにまで、ありがとう。ウルト」

 シエルは俺から紅蓮剣ドラグリオを受け取ると、腰に刺した。

「って、これ……よくみたらUR武器じゃない……!?」
「ああ、まあそうだな」
「そうだなって……本当にいいの!? UR武器なんて、一生に一度手に入るかどうかってものよ!? 私も実物は初めてみた……」
「構わない、俺の武器もURだしな」
「ウルト……あなたいったい何者なの……? エリクサーももってるし……」

 シエルは俺のことを探るような目つきで見てくる。

「え、えーっと……それはぁ……」
「ま、どうでもいいか。ウルトは私の命の恩人。それだけで」
「そうしてもらえると助かる」

 ガチャのことを説明してもいいが、面倒だ。
 そうこう話をしているうちに、ダンジョンまで到着する。

「ここか……」
「気を付けてね、敵はかなり強いから」
「ああ……」

 俺たちはどんどんダンジョンの中を進んでいき、目的のモンスターを目指す。
 おそらくシエルがやられたのはボスモンスターだろうから、一番奥にいるのだろう。

「さすがはUR武器……! 全然苦戦しない!」
「そうだな。しかも二人ともUR武器だから、楽勝だ!」

 俺たちはまったく苦労することなく戦闘を切り抜けていった。
 UR武器のパワーはそこまですさまじかった。
 取りこぼしたモンスターや後ろからの不意打ちは、フェンリルのコハクがやっつけてくれる。
 その調子で、あっというまにボスモンスターのところへ。

「こいつか……」
「そう、武器をとられないように気を付けてね」
「ああ……!」

 ボスモンスターは超巨大なスライム型のモンスターだった。
 だがただのスライムじゃない。騎士のような形に変形したり、ドラゴンの形に変形したりと、変幻自在だ。
 さしずめ、究極ウルトラスライムってとこか。

「うおおおおおおおお! いくぜ!」

 俺はスライムに斬ってかかる。
 しかし、スライムは瞬時に騎士の形に変形し、剣でそれを受け止めた。

「なに……!? 硬いし早い……!」

 騎士の形になっているときは、剣の部分もそれなりに硬くなるのか?
 このスライム、形状を真似するだけじゃなく、その性質までコピーするのか!

「グオオオオオオオ!!!!」

 するとスライムは今度はドラゴンの形に変形した。
 そして、火炎ブレスを俺に向かって吐いてきた。

「っく……!」

 俺はシエルの前に立って、全身でそのブレスを受け止める。

「ウルト! 大丈夫なの!?」
「ああ大丈夫だ。俺はURのレッドドラゴン装備を着ている。このくらいのドラゴンブレスなら、耐性があるからなんとか大丈夫だ!」

 なるほど、確かにこれは強いな。
 いろんなモンスターをいっぺんに相手しているようなもんだ。
 そりゃあ、ソロでシエルが負けるのも無理はない。

「主、今度は我が引き付ける……!」
「ああ、頼む、コハク!」

 今度はコハクがスライムに食って掛かった。
 すると、スライムはフェンリルの形に変化して、コハクを迎え撃つ。
 まるで鏡合わせのように、2匹のフェンリルが向かい合っている。

「こいつ……我のことをトレースしている……!?」
「なかなかやるな……!」

 コハクが引き付けている間に、今度はシエルが攻撃にうつる。

「うおおおおおおおおおおお!!!!」

 ――ズシャ!!!!

「やった……!」

 シエルの攻撃は見事にスライムに当たり、ダメージを与えた。
 紅蓮剣ドラグリオのUR効果で、スライムの傷口に火傷を負わせる。
 だが、まだこの程度の攻撃ではスライムは死なない。

「よし、俺の攻撃でトドメだあああああああ!!!!」

 俺は破邪の剣を大きくふりかぶって、スライムに特攻をしかけた。
 だが……。
 スライムはいきなり、こんどは巨大なカエルの姿に変身した。

「なに……!?」

 そして、スライムは舌をべろーんと出すと、俺の武器をからめとってしまった。
 そしてそのまま、胃袋の中に飲み込む。

「っく……シエルがやられたのはこれか……!」
「ウルト……! 大丈夫……!?」
「ああ、俺は大丈夫だ……!」

 だが、ここからどうするか……。
 仕方がない。シエルの前だが、アレを使うか。

「ガチャ発動!」

 俺はその場で新しく、ガチャをひくことにした。
 別に俺は武器を失っても、新しくガチャを引けば、それでいいだけだ。

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