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山歩きのこと

低山歩きにはまっています。
自然の中を、ただ歩くだけ。
楽しいです。ただ歩くことが。

歩き始めの話〜女子大生編


最初は高い山に登りました。
それは遡ること40年前。
私は女子短期大学でワンダーフォーゲル部に所属していました。
入部のきっかけは、父の趣味が登山で活動に親近感があったこと。
それに、泊まりがけの登山が旅行感覚に思えたこと。

実態は、がっつり体育会系部活動でした。
我がワンダーフォーゲル部の年間の一番の目標は、夏合宿である北アルプス縦走。
北アルプスに向け、トレーニングを積み、コースの計画を立て、装備を揃え、遭難対策を勉強する日々。

そして迎えた7月の夏合宿。
JRの駅を降りた時、3000mの山々が連なる光景に感激し。
同時に、あの高い山に登るんだ、と身震い。
3000m級の登山と縦走は、もちろんハード!
けれど、山々の懐に包まれる体験は特別!
燕岳、槍ヶ岳、立山、白馬‥
自然は剥き出しに過酷で、神々しいほど美しかったです。

山歩き再開の話〜還暦目前編


卒業し、社会人になると徐々に山から遠ざかりました。
結婚し地元を離れると、ますますアウトドアの「あ」の字もない生活に。
小さな子どもの子育て中は、公園というアウトドアへ日参していましたけど。
山と私、は完全に切り離されたところにありました。
靴やリュックもとっくに手放し、二度と手にすることもないと思っていました、が。

職場の友人が声をかけてくれたのです。
その友人のお子さんが高校を卒業したら、一緒に山に行かないか、と。
山?私が?
登れるかなーーー。てか、歩けるかなーーーー。
でも、登山はシニアに人気だし、歩ければ楽しいかも?

実は、前から叶えたい目標がありました。
還暦の年に、学生時代、部活でトレーニングに登っていた地元の山に登りたい、と。
ノスタルジーが呼び寄せる目標で、体力的に自信などなく、でも登りたく。
体力つけないとなー、と思うばかりで行動に移せずにいました。
800mほどの高さながら、石段続きのしんどい山なのです。

そんな思いもあり、友人と一緒に山歩きを始めることにしました。
他の職場の人たち数人も誘い、当時全員50歳代女子(今は私だけ60歳)、
賑やかに、ハイキング気分で初登山。
いや、登る前はばてたらどうしようと不安もありました。
でも、体力的には意外とクリア。
しんどくてついていけないなんてことはなく。
後日しっかり筋肉痛にはりましたけど。
快晴の中楽しい山歩きでした。

総務省のページにあったデータです。
まだまだ、登れそうで嬉しくなります。

総務省統計局ホームページ
年齢5歳階級別「登山・ハイキング」の行動者率と平均行動日数(平成23年)ー女ー


山歩きを味わう

その後も月1〜2回のペースで400mから1000m級の山まで、
歩く歩く。

山は、土と石と植物と水でできてると思ってます。
地面はアスファルトで固められてない。
踏み固められた土の道、粘土状の土の道、所々、木の根っこが張ってたり草が生えてたり。
岩が張り出していたり、岩の上を登ったり。
渓流が、トレイルの脇をずっと流れていたり、道に染み出したり。
木々の隙間から溢れる木漏れ日が道の上に降り注いだり。
木々を縫って吹き抜ける風は、街には決して吹いていない風。
それらを全身で感じることは、まさにキラキラの体験、なのです。

皆さんも興味があれば、ぜひ一度自然のなかに自分を置いてみて!

念願の山を歩く

学生時代のトレーニングの山、行きました。
地元の、あの頃一緒に登った友人が付き合ってくれて。
スムーズに頂上まで歩けたのは、山が歓迎してくれていたのかも、
と、思うくらい染み入る山行でした。
40年が過ぎても、山の様子が変わらないことが嬉しかった。
静かに待っていてくれたみたいでした。

けれど山だって自然災害などで様子が変わってしまうこともあります。
自然に対し、油断は禁物。
低い山だから絶対安全、なんてことはない。
畏敬の念を持ち、謙虚な気持ちで歩く。
そうすれば、きっと受け入れてくれます。

そんなこんなで、山で撮った大量の写真を眺め、
次に行く山に想いを巡らせる日々。
北アルプスは思い出の中に置いておいて。
いつでも待っててくれる近所の低山に
また歩きに行きます。






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