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追憶のポエミー【詩集】

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#死

to You

雨音の響くバス停で 窮屈に握る折り畳み はみ出た肩が濡れながら 袖が湿って重くなる 小さなブーケをぶら下げて わたしはひとりで立っていた “Happy Birthday to You” 頭の中で歌ったけれど この声はそこへ届くでしょうか 思い返すのは笑顔のあなた あなたと一緒に微笑むわたし 会えないあなたは笑えてますか 選んだ暮らしは楽しいですか まあるくほころぶ赤い薔薇 名前も知らない青い花 外では変わらず雨の音 茎が斜めに揺れている 水道の水を溜めた瓶 一粒の泡が浮

花束

薄墨に淀むぬるい部屋 苛烈な紅が宙を裂き 夕暮れ時を告げる音 絡みつく湿度 不安な視界 例えば君がここに居て 僕を見ていてくれるなら…… 微笑みかける君の顔 あの頃のまま 今も きっと 絶望色した花束抱いて かすれた時間を積み上げて 重さをなくした花びらが はらはら流れてゆくのです 瞼の裏に消えた熱 退屈の味が粘りつき 唾を飲み込む苦い音 悪夢の終わり 亡者の吐息 確かに君はここに居て 僕を見ていてくれるから…… 微かな気配に揺れるもの あの頃のまま 今も ずっと