見出し画像

仕事の「素質」の話

自分にはこの仕事をする素質がある!と思い込むことの恐さのお話です。

心理療法家の資質、あるいは素質について、よく尋ねられますが、正直なところ、私にもはっきりしたことは言えません。(中略)ただひとこと言えるのは、「自分はなりたい」というより、「自分こそ適任だ」と思うような人はあまり心理療法家には向かないということです。【河合隼雄/人の心はどこまでわかるか】

常に「初心忘れるべからず」「謙虚に」と河合先生は述べる。

自分の心理療法に疑いや迷いがまったくないという人がいたら、私はその人にこそ強い疑いの念を抱きます。人間の不可解な部分を対象としている限り、心理療法というのは、自分の知識や技術を適用して必ず成功するという仕事ではないからです。【河合隼雄/人の心はどこまでわかるか】

完成のない仕事に対して、忍耐強く前進し、多角的に物事を捉え、常に仕事への想いの原点を忘れないことがカウンセラーにとっては大事なのだろう。
ますますこの仕事が好きになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?