「河合隼雄先生と夢理論」の話

河合隼雄「人の心はどこまでわかるか」読書中。

河合先生と夢理論の出会いから丁寧に書かれた本だが、夢など非科学的なことを信じない方も、押し付けがましくないので気持ちよく読めると思う。

夢理論のシュピーゲルマン博士が、留学に来た河合先生に対してこう述べる。

西から太陽が昇る夢を見て、なにか西からおもしろいことがやってくると思ったときに、ちょうど貴方(河合隼雄)が西(日本)からやって来たのだ。−シュピーゲルマン博士


サイコセラピーの話で、「死」との向き合い方を学ぶ。なんとも不気味で真っ当な考え方に思う。

「他人の死」に対して、マイヤー先生が述べた河合先生への言葉。

君はその人が死んでいくための準備をしてあげたらいいではないか。(中略)たしかに死は恐ろしいけれど、死んだあとにいろんなものが残るでないか。

その後、河合先生のカウンセラー人生の中で幾度となくクライエントから「死にたい」と相談されることとなるが、逃げずに腰を据えることができた理由がここにもあるだろうと思った。

カウンセラーにとって必要なことは、直向きに学び、全てを受け入れ、同時に全てを疑い、全てを自分の目で確かめて、自分で答えを出すことだと学んだ。

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