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彼女が3人いる男。

桜の木が
次第に爽やかなグリーンへと
変わっていく頃。

日中の気温が20℃を超え
自転車に乗る小学生が
半袖のTシャツになり

杉花粉が徐々に治まりかける時期。


1ヶ月ほど前から

「4月〇日、そっちに行くから
 また一緒に飲もうや!」

(りょーかい!楽しみですね!)

そうやりとりだけして、
3人の彼女を持つ友人と

会う約束をしていた。


〇〇ちゃん

彼はまわりから、そう呼ばれているので
私は彼を

「〇〇ちゃんさん」

なんて呼ぶ。


ひとまわり年上の彼。
友人ではあるが
さすがに

「〇〇ちゃん!」

とは気軽に呼べない。


ちなみに、
このnoteでは彼のことを
チャンさん
と表現することにした。

中国人では、ない。
(チャンカワイでもない笑)


チャンさんには
特技がある。

まぁ彼女をたくさん作ることの
他に、なんだけど。


行こう!と思っていたお店が
臨時休業になる事だ。


決して、良い特技でも
誰かに自慢して羨ましがられる事もない。


なんならいじられて
笑われて、同行者を困らせる笑


4月〇日。

チャンさんと会う日も
もれなく臨時休業を喰らった。


行こうかと思っていたのは
チャンさんが泊まるホテルから
ほど近くの餃子専門店で、


一口餃子を売りにしている。
外側の皮が揚げ焼きみたいに
パリっとしている割には、

中の餡がジューシーで
鶏ガラスープが入っているのか
対照的な食感で

思わず笑みが出るのだ。

「ふおっふおっ」

と熱い餃子を無理やりに
口に押し込んで、
キンキンに冷えた黒ラベルの
生ビールを流し込みましょう!

とかなんとか
適当な事を言いながら
そのお店に向かったが、

程なくして臨時休業だと知る。


「チャンさん!さすがですね!」


せっかくはるばる
会いに来てくれた人生の諸先輩である
ひとまわり年上のチャンさんに向かって

予約もとっておかないで
冷やかすだけ冷やかして
笑っている自分もどうかと思うが

もうすでに
餃子の口になってしまった2人。


餃子屋の次に、
二次会として行こうと思っていた
近くの串揚げ屋さんへ駆け込んだ。




オーダーは
飲み物も含め
複写式の注文票に書いて

それを店員さんに渡す仕組みのお店で、


ビールも一回一回、
その注文票に書いて
ちぎって、渡す。


めんどくせー笑


とか思ったが、
チャンさんは
何も言わず

書いては
ちぎって
渡し、


私のビールが
無くなったのを確認しては

また書いては
ちぎって
渡していた。


(諸先輩よ、誠にすまぬっ!)


キンキンの生ビールが登場し、
「かんぱーーいっ」

と再会に喜びながら
グビグビっと飲み進めると


3人組の若いお客さんが
後から入って来た。


ん?



んんんん????




おーーーい、会社の後輩じゃねーかよっっっっ




「あっ!くるみさんじゃないですかー!」
「なんでこんなところで飲んでるんですか」(←失礼)
「お邪魔だったら違う店行きますー」(←行く気は無いだろ)


(あ、じゃあ、違うところ行ってー笑)


そう言ったが、
後輩は何食わぬ顔でテーブル席についた。



ぐおーーーーーー



これじゃあ
せっかくのチャンさんとの話、

なんにもできねぇーじゃ
ねーかよーーーーーーー。




ということで、

根掘り葉掘り
チャンさんの話を
聞き出すこととなりました。



(そういえば3人の彼女ってどうなったんですか)




「最近、そのうちのひとりと別れてさ」



「不倫しているのが、親にバレて」

「親に、連れて来いって言われたみたいで」


(え、その相手って結婚してないんでしたっけ)


「うん、してないんよ」


(いま、いくつなんですか)


「今年で43かな」


「もう8年付き合ってるんだよね」



(!!!!!!!!!!!!!!!!!)




(はぁ???www)



(こいつ、あほちゃうwww)









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