日本の教育は成功している。

日本で私は子どもの施設で働いていて、そこは本当に素晴らしくて、社会のゆがみの被害を受けた子どもたちを必死ですくいあげようと、常に試行錯誤しているところだ。

こんな時代だから、常に扱うべきテーマがたくさんあったんだけど、そのうちのひとつが「どうやって子どもたちに人権意識を持ってもらうか」だった。

学校で、家で、社会で、「お前なんて必要じゃない」「お前の代わりはいくらでもいる」「みんなと同じことができないお前は価値がない」という間接的でわかりにくメッセージを受け続け、それがしみ込んでいる子どもたちに、あなたたち一人ひとりがいかに大切で尊い存在か、を伝える努力をしている場所だ。

とうぜん、いまは大人もそのメッセージを社会から受けているので、非常に難しいテーマではある。

ここまで前置き。というか宣伝?笑


いまここカナダで、日本人の若者の人権意識の低さを痛感している。

彼らは、こんなカナダの片隅の、何事にもゆる~~~いこの町で、超ブラックな働き方をしているのだ。

信じられないことに、給料は固定給で、週6とか7日働いて、一日10時間とか拘束されて、文句を言わずに働いているのだ。

当然、そんな働き方を「受け入れる」のは日本人しかいない。そしてみんなワーホリの若い子。


私は最初、職場が悪いのだと思っていた。

だから彼らにこういう方法があるよ、と解決策を提示して、はげまして、なんとか環境を改善させたいと思った。

しかし…


いまは受け入れている彼らのほうに問題があるのではないかと考えるようになった。

というのも、アドバイスしても、はげましても、彼らはこういうのだ。

「大丈夫です」「そんなに大変じゃないです」「でもオーナーがすごく親切なんです」「言って、いづらくなるのが嫌なんです」。


べつに私は訴えろとか、そんなたいそうなことを言っているわけじゃない。

「休みをくださいって言っていいんだよ」「法律で決まってるんだから、多く働いた分はふだんの時給よりプラスされるんだから、請求していいんだよ」って、ただ自分の希望を、言葉にして伝えればいいんだよって。

でも彼らは今の状況を「選んで」いるし、何と言っても、彼らには希望がない。だから言うべきことがない。

よく言えば、、、柔軟? Acceptable or welcome person?

しかし、度が過ぎてるよねえ。


そしてやっぱりこれは彼らだけの問題じゃない。

次に働く人もそう働かざるを得ないし、日本人が文句言わずに奴隷のように働くことに味をしめた経営者は、それをあらためないだろう。


彼らをそうさせた日本の背景って何だろうって思う。

日本の子どもたちの学校での様子を聞くにつけ、その材料は学校のいたるところにあるって思う。

日本の教育は、奴隷づくりに成功しているなあ、とつくづく思う。

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