中国ルールについて
今回は日本ルールとの差異に注目しながら考えていく。
日本ルールでは地とハマを用い勝敗を決するが中国ルールは活き石と地を用い勝敗を決する。
セキ中の目も地として数える。
スーパーコウルールが採用されている。
駄目がなければ必ず奇数目差になる
それぞれ順に見ていく
①日本ルールでは地とハマを用い勝敗を決するが中国ルールは活き石と地を用い勝敗を決する。
日本ルールでは地をハマで埋め残り地の広さで勝敗を決するが中国ルールだと活き石と地の合計の広さで勝敗を決する。
これにより中国ルールは実践解決が容易に行える。そのため、中国ルールはより終局の合意がしやすいルールといえる
ここで、終局図で(黒の活き石の数)+(黒のハマの数)=(白の活き石の数)+(白のハマの数)の時を考える
そうすると、((黒地の数)-(黒のハマの数))-((白地の数)-(白のハマの数))=((黒地の数)+(黒の活き石の数))-((白地の数)+(白の活き石の数))も認められる。
左辺は日本ルールを表し右辺は中国ルールを表す。よって、細かなルールの事を考えなければ大部分は同じような勝敗になる。
また、中国ルールの駄目は双方が0.5目で分け合うのでダメがあっても差が広がることはありません。
しかし、黒番で終わった場合(黒の活き石の数)+(黒のハマの数)=(白の活き石の数)+(白のハマの数)とならない。
これを回避するために昔は黒番で終わった場合は黒が一目減らしていた。これを収後ルールという。
②セキ中の目も地として数える。
これは中国ルールがより実践解決が容易という点からくる差異である。
また、セキのルールの違いによって日本ルールと中国ルールで勝敗が異なる場合が生まれる。
③スーパーコウルールが採用されている。
日本ルールでは二手で同一局面反復になるコウではコウダテを用意しなければならない。しかし、それより多い手数の同一局面反復ではコウダテが必要なく発生しうる。
それに対し、スーパーコウルールではすべての同一局面反復にコウダテを用意しなければならない。
スーパーコウルール採用と不採用それぞれの利点と欠点を示す。
採用の利点
・三コウや長生などによる無勝負が発生せず必ず勝敗が決する。
・コウとそれ以外を分けないためより簡明なルールになる。
採用の欠点
・三コウや四コウなでコウダテするタイミングが極めて煩雑でプロであっても運用できないことが容易に期待できる。
不採用の利点
・より対局する者の立場に立っており、運用が現実的である。
不採用の欠点
・勝敗が決しないことがある。
以上のスーパーコウルール採用の欠点が重大だと評価され中国ルールの棋戦でもスーパーコウルールが採用されない場合がある。
④駄目がなければ必ず奇数目差になる
中国ルールは361目を二人で分ける性質上片方が偶数目もう片方が奇数目を獲得することになる。その差をとるので必ず奇数目差になる。
これにより現代で最も優位とされるコミ6.5目が活用できなくなっていたりなどコミのバリエーションが減るなどの欠点がある。
以上が日本ルールとの差異だ。日本ルールよりもより明確化にこだわった内容である。しかしながらスーパーコウルールなど明確ではあるものの運用が事実上困難なものも内包しており一概に日本ルールと優劣がつくものではない。
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