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Doll感想まとめ

Dollの感想


注意

※dollの物語を読み解きたい!
※あくまでわたしが拝聴させていただいた感想
※「貴方」が女の子なのでは?という仮説自体受け入れ難い方には向かない文章です




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 聴いてみての感想や解釈が三転くらいしたので、せっかく色々考えたのでTwitterにあげていたものを少しだけ直して記録しておきます。




第一層

 Dollは凄く綺麗な世界を想起しやすくて想像力を掻き立てられる曲だった。『華やかで煌びやかな』というよりは仄暗さの中にあるシーツの上で戯れ合う2人の間に生まれる一瞬の幸せを思うととても綺麗だなぁと思ってしまうようなそんな世界だった。自分の恋や愛の仕方に歪みを自覚しているからこそ変わらないで居てくれる彼にそのままで居てほしい。そういう気持ちはとても分かるので突拍子もない強い言葉で表現しているけど多分その辺に沢山転がっている恋の一部なんだろうなと思った。

 そしてDollの人の彼氏さんはいい彼氏さんなんだろうな。この子にガラスケースに入って欲しいって言われたら入ってくれそうだなぁ。命を差し出すわけではないけど自分の愛し方にジレンマがありながら普通であろうとする彼女の歪んだ淋しさごと包み込んでくれていそうな彼氏さんが背景にいそうだなぁと感じたりもした。
 尚、その場合にそんな彼氏さんごと激的に重いカップルという事になるか、本当に優しさや愛情で素直にそうしてあげたいと思ってるパターンかを想定したがどちらなんだろうかと思った。



第二層

 なんとなくだけど初めはこの背景にいい彼氏がいるんだろうなぁってなぜか思ったんだけど、この歌詞の中の貴方は貴女である仮説を立ててから、もしかしたらこの子とその人の恋は叶ってはいないのかもしれないなぁって思うようになった。

 おそらく主人公は女の子で、一人称が「私」。その場合一般的というか大多数で言えば性的指向は異性である男性にあたるのだろうが、相手を表現する言葉は「貴方」になっている割に、形容として「嫋やか」という言葉を使っている。「嫋やか」はある一定の一般的な意味合いとしては女性を形容する言葉として使うことが多いように思う。そして多分少なくとも自分に「嫋やか」は使わないだろう。「頬染める貴方の声」これもお相手が男性であるとしたら大層可愛らしい殿方である。あとは単純にdoll=可愛く綺麗な女の子のお人形のイメージがあって、いくら好きでも彼氏を綺麗なお人形のようにガラスケースに入れておきたいかと言われたら自軍レベルじゃ無いとガラスケースに保管はしたくない。

 なんて一瞬思って、それからこの歌詞と無駄に向き合っていたら、女の子と女の子の恋か恋未満の物語に見えてきてしまった。

 この主人公の女の子とお相手はもしかしたら、お互いに心の中では好き同士であって、それをお互いに気付きあってるのかもしれない。もしくは主人公は好きで、お相手はそんな主人公の気持ちに気付いていて気恥ずかしく思いながらもその好意を受け止めて求められる戯れあいに応えてしまう。戯れあって見つめ合うような瞬間を持っていても、同性同士であり、肝心な言葉を飲み込み合ってしまい、恋人同士まではいけない2人。それを戯れ合う度困るようにに言葉を飲むと表現しているんじゃないかと思った。
 だけどそれは、言葉を使って結論を導き出すことで失いたく無いからで、何も言い合うことは出来ないけども、相手も自分も同じ気持ちであることを疑いようもないほど近くにいたい。そうやって応えてくれる相手にはそのまま変わらないでいてほしい。だけどたまにふと他の人と当たり前のように幸せになる相手の姿を想像してしまう。
 そんな風にこの人の心がいつか当たり前の幸せの方へ向いて変わってしまうくらいなら、閉じ込めてしまえたらいいのにと思ってしまう。

 これはちょっと考えすぎだと思うが、1番の「まるで灰のようになってしまうなら」という言葉に火葬を連想してしまって、同性であれば今の日本のルールでは(お友達と共同墓地でも申し込めばいいのだが、まぁ家族としては)同じお墓には入れない。いつか灰になったこの人が消えていく頃、離れ離れになるなら今のうちに閉じ込めておけたらいいのに、というやっぱり激的に重い恋の歌なのかもしれないと思い始めた。


第三層

 1番はドールをガラスケースにしまっておきたい側の言葉で、2番はガラスケースに入ってる側の言葉だったりするのかな〜と思い始めた。

 ドールは閉じ込めている子の理想でいられないからいつか愛想を尽かされるんじゃないかって思ってる。「呪い殺してしまえばいい」あたりがとてもお人形の呪いみたいだなって思ったりする。「何もない夜の不確かな夢」あたりのメロディに〝ガラスケースの中の綺麗なドールが夢見る外の世界〟をイメージさせられて、外の世界で、自分を閉じ込めている側の子が自分の知らない人と歩いている所を想像しているような。
 尚、2番はドールの気持ちを語っているのだとしたら閉じ込めている人よりも閉じ込められている人(ドール)の想いの方が重かったということになる。



番外編として

「淋しさが埋まるまでそばにいて」に玩具に対する身勝手な要求にさえ感じて、もはやト◯ストーリーの遊んでもらえなくなった玩具たちが病んでしまう回を思い出してしまって、自分に飽きてしまうならその前にその子を呪い殺してやろうと思ってしまった正真正銘の綺麗なお人形と持ち主の歌だったという意外な展開も考えてみたりもした。



結語

 選ばれた言葉が綺麗で重くて強いために、すごく重い悲しい恋の歌かという印象で入ったわけだが、聴けば聴くほどこの曲に何故かすごく2人だけの世界を感じちゃったんですよね。何でなのかはわからないんですが。2人ともガラスケースに入ってる様な。音調のためなのか暗い曲だけど完全なる不幸ではないものを感じるんですよね。最終的にはやっぱり1番初めに感じたような2人きりでシーツの上で過ごす小さな幸せな光景が心に残って終わるような曲でした。私にとっては。

 もしかしたら閉じ込めようとしたのも呪殺そうとしたのものも自分の心だったのかもしれないけど。多分この2人はこの2人なりに幸せなんだろうと思わせる音調と歌詞のバランスでした。

 どこかの世界に、ドールと閉じ込めている子、両方の想いが報われて「子供騙し」だと言い表してしまったような、外で好きな人と歩くような極々ありふれた幸せな時間を過ごす2人がいてほしいと思ってしまいました。

 




※その後雑誌でこのアルバムに「片想い」が関係しているという言葉があったので両片思いに一票を投じた今日この頃です

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