資産所得倍増プランについて
岸田文雄首相は5日(日本時間同)、ロンドンの金融街・シティーで講演し、自身が掲げる経済政策「新しい資本主義」の具体策として、日本の個人金融資産約2000兆円を貯蓄から投資へと誘導する「資産所得倍増プラン」を始めると表明した。人材投資や先端技術開発にも積極的に取り組むとし、「安心して日本に投資してほしい。インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と呼びかけた。
岸田首相は、日本の個人金融資産の半分以上が現預金で保有され、「その結果、この10年間で米国では家計金融資産が3倍、英国は2・3倍になったのに、我が国では1・4倍にしかなっていない」と説明。「ここに日本の大きなポテンシャル(潜在力)がある」とし、少額投資非課税制度(NISA)の拡充や預貯金を資産運用に誘導する仕組みの創設などを通じて「投資による資産所得倍増を実現する」とした。
家計金融資産が2倍3倍と増加することは悪いことではない。一方、家計金融資産が3倍となったアメリカ国民は10年前より3倍幸福になったのか。1・4倍の日本人はアメリカ人より不幸なのか。
お金を増やすことは知識と技術があれば相応に実現できるが、お金を増やすことのみが目的ではないはず。事実、私のお客さまで数十億の金融資産を保有していても悩みに絶えない方もいる。
もちろん生活を維持していくためのお金は絶対必要。一方、お金を増やすことに執着するのではなく、お金をどう使うかに思いを馳せるべき。お金が増えないのであれば、生活レベルをコントロールして、お金がなくても幸せになる方法を考えればいい。
一国の首相が「お金増やしまっせー」と世界で公言していることに違和感を感じてしまう。5月5日の私の誕生日に思ったことでした。
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