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真因

エピクテトスが船客に向かって言う「君はまるでこの大海をみんな飲み干さなくてはならないかのように、この嵐を怖がっている。しかしね、君、溺死するのには水の五合もあれば足りるのだよ」彼は恐るべき荒波が真の危険を正しく示すものではないことを確信している。

人はこう言いもし、考えもする。猛りたった海、深淵の声、荒波、威嚇、襲撃。これは決して真実ではない。重さによる動揺、潮流、それから風だ。悪い運命などというものではない。君を殺すのはこの物音や運動ではない。宿命などありはしない。難船して助かることもある。静かな水で溺れることもある。真の問題は次のことである。頭が水の外に出てるかどうか。

表層の乱れに一喜一憂せず、真因に対峙し前進していきたい。

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