編集仕事:「地方で働く」

『週刊エコノミスト』2020年5月5日・12日合併号にて「地方で働く」企画の編集仕事。

筆者の藻谷ゆかりさんは、編集部在籍時代にずっと連載担当としてお世話になったエコノミスト藻谷俊介さんの奥様。きっかけは藻谷さんから2019年5月に、奥様のご著書刊行をご案内いただいたことでした。

この本では、ハーバード大で学んだ経営学と、ご自身も長野に移住して事業を営み、譲渡した経験とをかけ合わせ、長野を中心に全国16事例を取材・分析しています。

「代替わり」(事業承継)と地方の産業というテーマは、私は『週刊エコノミスト』の企画でも取り上げたこともあり(&実家が代替わりせず閉じた地方の自営業こともあり)、刺さりました。銀座蔦屋で開かれたトークイベントに出かけ、本に登場する「風の人、土の人」という言葉が印象的だった長野の建築家、川上恵一さんのお話を伺う機会をいただいたりしました。

昨年末に企画が動き出し、2月末に原稿をいただいたのち、新型コロナウイルスという思わぬ事態に。都会から地方へ感染を広げる“コロナ疎開”が問題になりました。そんななかで地方移住を取り上げることは誤解を招かないかと心配になりました。

でも藻谷さんに相談すると、「今回のことは地方への移住が進むきっかけになるでしょう。働き方、暮らし方を考える読者が長期的に知りたい情報なのではないかと思います」と仰りました。

地方移住のイベントがオンラインにシフトして行われていると知りました。山口県の周防大島から各地をつないだオンライン移住イベントを企画する方にお話を伺うと、短期の移動を呼びかけるのではなく、長期的な視点に立っていました。

動くことを呼びかけるのではなく、考えることに役立つ記事になればと思いながら、編集しました。