いま学ぶ!渋沢資本主義

『週刊エコノミスト』で2021年2月から5月にかけて、今をときめく(?)渋沢栄一の連載に携わりました。企画提案し、ミニ特集のうち1本編集、連載12回のうち7本編集、2本執筆しています。

ラインナップは以下です。

https://is.gd/8EtJBR

栄一について調べることで、近代日本を少しずつ知っていきました。国のかたちを変え、一気に西洋に追いつこうとし、海外に勢力範囲を広げていく。活躍した人たちは栄一をはじめ20代〜30代、すごく躍動感があっただろうと思う反面、一庶民の立場だったら、自分のあずかり知らないところの激変に翻弄される木の葉のようで、無力感にさいなまれそうだとも思います。

栄一を通じて出会ったのが、孫の敬三です。実は栄一よりも惹かれる人物であったりもします。志した動物学者の道は祖父の懇願であきらめ銀行に就職。民俗学に傾倒し、学者を経済的に支援するとともに屋根裏部屋に民具を集め、アチックミューゼアムと名乗る。戦争中はやむなく日銀総裁に就き、終戦直後は大蔵大臣、自分が決めた財産税で自身も自宅を物納し、集めた資料はそれぞれ託す先を見つける。

経済人と民俗学者という二面性というだけでなく、欲はないけれど志はあるというところとか、自分の立場ゆえ思う通りには生きられないことを受け入れているところとか、気配りの人と言われ頼られながら、誰も自分をわかってくれないと内に寂しさを抱えているところとか、魅力を感じるを超えて、惚れているかもしれません。

たくさんの史料と、その行く末と、いくつかの謎と。まだ歴史にはまる日々は続きそうです。