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2020/04/12_#仕事論_抽象度

「具体的な事象を、汎用的に再現可能な水準を保って、ギリギリまで抽象度を上げて、事象の本質だけを記憶する」

若手育成にあたって、この言葉を伝えています。

実務経験が浅い人たちは「やったことがない仕事なので、できない」とよく言います。実務での能力を向上させる唯一のパラメーターが経験値であれば、24時間のうち可能な限り時間を仕事に振り分ける必要がありますが、長時間労働を是とした勤務体系は、今日では現実的ではありません。また、長時間仕事をし続けられる人たちが必ずしも、能力が高いかといえば、そのような因果関係は(少なくとも私の経験では)観測されていません。

事象の記憶が具体的過ぎれば、汎用性が低くなります。実務上、全く同じシチュエーションは存在しえません。例えば、年度末決算を締めるにしても、20/3期と21/3期とが同じスケジュール、同じ法規制、同じメンバー、同じ財務諸表の内容等になることはありえません。1つの経験で得た学びをその事象にしか適用できないのであれば、上述の通り可能な限り、能力向上にあたっては仕事の量を増加させる必要があります。

一方、ビジネス書で記載されているような抽象度の高いアドバイスは実用に耐えません。前提条件が不明確であり、どのように適用すれば良いのか、実行難易度が高くなります。

具体的な事象を、汎用的に再現可能な水準を保って、ギリギリまで抽象度を上げて、事象の本質を積み上げていくことが、実務能力の向上において重要となります。

COVID-19の影響で仕事上、多くの影響が出ていますが、その話はまた今度。



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