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黎の軌跡〜目線から考えるヴァンの気持ち〜

黎はヴァンの気持ちが分かりづらいとありますが、実はそんなことは無いと思っています。
彼は目線で気持ちを表しています。

目線から考えたヴァンの気持ちを考えて
行きたいと思います。視線の方向で相手の
気持ちがわかるとよく言われているデータ
を元に書いています。絶対というわけでは
無いので、そこはご了承下さい。

エレインと会話する際は、
目線が「左上」に寄りがち

左上に目線が動いたら、過去に見た映像が
働くとされています。つまり、ヴァンは
エレインに対して常に過去の姿を見ている
状態と言えます。

久しぶりにエレインと再開したヴァンは
目線が左上でした。

ルネについて語っている際も目線は左上。
エレインと話をしているヴァンは、彼女と
話しながら過去を見つめているのです。

逆にヴァンはルネといる場合はどの様な目線に
なっているのでしょう。

視線が右下でした。右下に動くのは、
内部対話が働いているときだと言われています。
この際のヴァンはエレインについて問われ、
言葉に詰まっていたので心の中で色々と呟いて
いる可能性があります。

こうして見るとヴァンはエレインについて
悩んでおり、それを自分で上手く解決
出来て無い気がします。

ヴァンの運命を変える出会い

それがアニエスとの出会いです。彼は彼女に
どんな感情を抱いているのかー。
それを見ていきたいと思います。

まず最初にアニエスを見た際のヴァンの
目線は左下。これは身体的感覚が働いています。
つまりアニエスを認識した瞬間です。

そしてヴァンはアニエスの真っ直ぐな瞳を
見て驚いた瞳をします。

瞳孔が大きくなるのは、相手に好意を持って
いる、話に興味を持っているとされている
ので、初対面でこの反応を持ってこさせる
アニエスは凄いと言えます。

「過去」と「未来」

せっかくだから、未来と過去について
お話ししときましょう。

未来は「右」、過去は「左」だと言われて
います。黎は過去と未来を対比していると
思っています。

なぜ黎が過去と未来を対比していると思って
いるかというと、ヴァンの過去とアニエスの
今が被っている部分があるからです。

例えば、幼馴染全員、生徒会に所属していると
言った形に。

ならば、だれが「過去」を象徴する存在で
だれが「未来」を象徴する存在なのでしょう。

「過去」を象徴する存在はエレインだと思って
います。何故エレインが過去を象徴している
と思っているというと、それはエレインは
「今」のヴァンでは無く「過去」のヴァンを
見ていると思っていると考えているからです。

エレインは、よく過去の話を持ち出して話を
します。良い言い方をすれば、「人の思い出
を大事にする人」。悪い言い方をすれば、
「思い出を引きずり過ぎている」。

思い出を大事にするのは、悪いことでは
ありません。しかし、ヴァンが過去を
乗り越えて今の自分になったとしたらー。
その過去の頑張りを否定するのはとても
傲慢に思えるのです。

そして「未来」を象徴する存在はアニエスです。アニエスはなぜ「未来」を象徴する存在
なのかー。それはアニエスが諦めて
しまったら、ヴァンが生きているという
未来はなかった。

依頼を持ち込んでこなかったら、
物語は始まらなかった。

アニエスはヴァンの未来を繋ぐものだと
思っています。

ならば、エレインはどう言った存在なのか。
それはヴァンとの「思い出」を繋ぐものと
捉えています。

エレインが「未来」にならないのは
ヴァンを諦めてしまったから。

諦めてしまったら、未来は掴めません。
エレインは過去の出来事から諦観といった
諦めの姿勢があります。だからこそ
中々進めないのがエレインだと思っています。

また、エレインとアニエスは「過去」
「未来」だけでは無く、考え方も違うと
思っています。

エレインは「まだ頼ってくれない」。

アニエスは「無理は禁物」。

エレインの言葉は、自分を頼って欲しいと
いう自分本位な気持ちが浮き出てしまう
言葉に対して、アニエスはヴァンが無理を
するのを承知で支えるといった気持ちが
読み取れると思います。

というより、裏解決屋のメンバーは全員
そうなんですよね。ヴァンが無理をする
性質なのを知った上で支える。
裏解決屋は「家族」ですから。

踏み込めるもの、踏み
込めないもの

アニエスたちは、なぜヴァンに踏み込めて
エレインたちは踏み込めなかったのかと
いった問題については、ヴァンが他人
だからこそ、踏み込めたんだと思います。

裏解決屋は家族に何かしら問題を抱えて
いる人が多いです。そして、踏み込めない。

アニエスは父親と最初はいい関係かと
言われると首を傾げる関係でした。
でも、裏解決屋と関わった事により良くなった。

裏解決屋のメンバーが自分の家族に
踏み込めない理由はなにかというと、
それは今の関係を壊したく無いといった
恐怖心からくる行為から踏み込めないんだ
と思っています。

だからこそ思うのです。エレインたちが、
ヴァンに踏み込めなかったのは近しい
存在だったからだと。

ヴァンに踏み込むことが出来たのは、
赤の他人の集まりである裏解決屋だから
こそ出来た事だと。

知らない人を知る為には対話が必須であり、
赤の他人で知らない事だらけだったで
あろうヴァン。

だからこそ「知ろう」と努力したのが
裏解決屋であり、「ヴァン」はこうであると
信じており、「今」のヴァンを知ろうと
しなかった幼馴染組。

裏解決屋がヴァンを幼馴染組より
理解するのは必然だと思います。

ヴァンにとっての裏解決屋

まずこちらのイラストを見ると分かるのですが、
基本「右」寄りの目線になっています。

未来は「右」とお話ししましたね。
このイラストは、光に向かって全員が
一つになっている力強さを感じます。

フェリは影から光に向かっていますし、
アーロンは「左」寄りですが光の方に
向かって立っており、希望を感じます。

ベルガルドが「左」寄りなのは彼が人を導く
性質なのが関係しているのでしょうか。

イラストからも色々読み取れるように、
裏解決屋はヴァンにとって「希望」であり、
同じ方向に向かって進む仲間たちだと
思っています。

ヴァンの変化

目線からヴァンの変化を見ていきたいと
思います。

序盤はエレインと出会っても、左上寄りの
目線。つまりエレインに対して過去を見ている。彼はエレインの元から去った理由もわかって
いませんし、エレインに対しての罪悪感が
強いイメージです。

実際、ルネに「連絡をしたか」と聞かれた際に

ヴァンは言葉に詰まっていましたし、
序盤の時点ではエレインの事を吹っ切れて
無い可能性が高いと思っています。

そんなヴァンですが、アニエスの真っ直ぐな
目を見た際には目線は左上寄りでも左下寄り
でもありません。

序盤では、人の目を何かしら逸らして
話すことが多かったヴァンが驚いた顔で
アニエスを見ている。この表情を序盤の時点で
引き出す時点で、かなり好感度が高いように
思われます。

第五章。無茶をするエレインに声を掛けたら、
逆にダメージを負ってしまったヴァン。

目を閉じるってことは、それほど見たくない
事実なんでしょうね。

エレインと話をするため、抜け出したヴァン。
目線は左上。つまり、エレインと今の話を
しながら過去を見つめている。

エレインと会う度、「過去」の状態が多く
エレインと向き合うのを何処か避けていた
ヴァン。

そんなヴァンはエレインと向き合おとしました。だからこそ目線は真っ直ぐです。

左上でも右上でも無い。
けれどー。肝心なエレインとは話すことが
出来ませんでした。

そんなヴァンは、エレインと改めて向き合うと
決めたのか、彼女から目線を逸らしていません。
今まであった罪悪感、そう言ったものを振り切る
事が出来た気がします。つまり、ヴァンの中で
過去を振り切る事が出来た。

アニエスの行動に驚きながら、どこか
嬉しそうなヴァン。彼は困った顔をしながら、
目を逸らしていません。

第五章は色々な意味で分岐点だったと思います。

終章。アラミスの話をヴァンはアニエスに
聞かせますが、目線は右上。
右上は経験してない映像を想像する場合なので
彼は中退してしまったこともあり、
見たことが無い景色を想像しているのかも
知れませんね。

アニエスからエレインとの関係を推察され
聞かされますが目を逸らさず、聞くヴァン。

目を逸らないで、話を聞く時点でかなりの
信頼度があると思います。

そんなアニエスから、気持ちを聞かされ驚く
ヴァン。人を真っ直ぐ見つめるのは興味が
あると述べましたが、ヴァンはアニエスが
目を見てしっかり話すと真っ直ぐ見つめて
答えるんですよね。

真っ直ぐ話す子だからこそヴァンの心に
響くんでしょうね。

エレインとの思い出を話している際のヴァン。
カトルに「群れたりするのが苦手っていう
のは苦しいんじゃない?」と言われた際、
目線は左横。

これは以前聞いた内容などを思い出しそうと
しているため、本当のことが多いと言われて
います。なのでこのヴァンの戸惑いは
本当でしょうね。

ゲネシスタワーに入ってからのヴァンの
表情の変化について語っておきます。

アニエスがなにか言うたびに驚いた顔をし、
持ち直す。この変化が大変興味深い。

アニエスたちのおかげで無事に帰って
これたヴァン。このときのヴァンの目線は
左上。過去の経緯などを思い出しているから
こそ、こんなに真剣な目をしているのも知れ
ませんね。

このヴァンは目線が左上なのは
裏解決屋が救い出してくれたことを
思い出しているのでしょう。

つまり、この言葉はウソじゃ無い。

この目は右上。体験してない映像を想像する
場合ー。つまりは未来を想像しています。
ヴァンはアニエスたちが諦めなかったことに
より、「未来」を想像するようになった。
全てを諦めていた男が。

黎の軌跡のED名はKUROーbeyond the
dawnーです。「beyond the dawn」は
夜明けを越えてと言う意味があります。

希望を捨てていた男が希望を持ち、夜明けを
迎えたと考えると素晴らしい名前だと思います。

長々と書きましたが、最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

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