「黒猫ツール」のトリセツ -「2MLAP解析」編-
10年以上前に買った、棟広良隆の「棟広馬券塾」という本。
確かその本の帯は、「総流し、してますか?」と棟広良隆がこちら見つめながらを煽ってきます。
テンプルにカチンと来て、本は今も手元にありますが、帯は処分してしまいました。
それでも、年に数回くらいの頻度でしょうか、馬券を買う時、舟券を買う時、棟広良隆が私に語り掛けてきます。
「総流し、してますか?」と。残念ながら、しない主義ですし、トラウマの一種なのだと思うことにしています。
決してそんなトーンで言うつもりはありませんが、このトリセツは次の言葉から始まります。
「目展示、出来てますか?」
この問いに対する私の答えは、「自信がない。」でした。
競馬には「パドック・返し馬」、競輪には「選手紹介(脚見せ)」、
オートレースの「試走」などがあるように、競艇には「展示航走」があります。
いずれもレース本番直前の気配を掴む非常に大事な予想要素。
「展示航走」には「スタート展示」と「周回展示」があり、
本番さながらの待機行動を含む、「スタート展示」。
進入に動きがあれば艇番順に並びを整えたうえでコースを周回する、「周回展示」。
これらは基本的に本場、ネット映像問わず、すべて見ることができ、
所謂、「気配」を予想に活かしていくということになります。
純粋な「展示の見方」については、
私が解説するより、より有意義なものが広いネットのどこかにあるので、そちらをご覧ください。
「黒猫ツール」では、「周回展示」における2M(マーク)のターン映像を分析する「2MLAP解析」を提供しています。
2マーク(ときに1M)に向いたフィックス(パン等をしない固定画)のカメラ映像のカットを使って、
その画格に舳先がフレームインした瞬間から、フレームアウトした瞬間までのタイムを計測し、画面上にストップウォッチを表示させます。これで得られるのは「オリジナル周り足タイム」。
「展示タイム」(公式)。「オリジナル展示タイム」(場独自)に続く、第3の指標を得ることができます。
この数値は1S1Mのターンや道中競りで優位に立てる足探しに有益です。
抜けたタイムの選手が捲り差しでズボッと来たりします。
さらに、各艇のターンをトラッキングし、どこを通ったのかという航跡を描画しています。
小さく回れた、バタついた、キャビった、膨らんだなどが線で表現された航跡で見てとれます。
間髪入れずに6艇が周ってくる中で、人間の目だけで優劣を処理すること。それを「目展示」と言います。
百戦錬磨の先輩方の中には、精確にやっておられる方がいるのは承知しています。本当に凄いことだと思います。あるいは、本場でなら五感を使って、まだ出来るのかもしれません。
ただ、私は目展示に自信が持てず…、
より分かりやすく見える化を行うことしました。
おおむね、映像は30FPSといって、1秒間を30枚の画で作っています。
したがって、LAPタイムは1/30秒単位の精度。
こうして、数値や線で分かりやすくすることで、
「気配」という中級者までには得体のしれないものに「手触り感」が出てこないでしょうか。
このツールの注意点は、各場で異なるカメラアングルです。
桐生などに代表されるほぼ真横から2Mを狙ってる場は良いのですが、
唐津などの斜に構えている場では、各艇の通り道によって、タイムの正確さが損なわれる場合があります。
極端に手前(奥)を通ると、航走距離が長い(短い)などが生じる恐れがあるため、航走位置にもご注目ください。
これは上級編ですが、選手毎のスタート展示に対するスタンスを掴むことがさらに舟券力を向上させると思います。
誤解を恐れずに言うと、「スタート展示はスタート展示として走る選手がいる可能性」です。決して本気を出さずに走るということではなく(あるかもしれませんが…)、展示でターンを試すなど、本番ではない場面特有の動きあるかもしれません。
そのため、選手毎の特徴を覚えていけるとより有意義なものになると思います。
最後に、開発者兼使用者の私自身の「使い方」ですが、「足し算」です。
「あるもの」は「ださない」ができますが、「ないもの」は「だせない」のです。
展示の悪さから消しという使い方もできますが、
組み立てた予想をベースに、展示の良い選手の評価を上げる。という使い方はいかがでしょうか。
百聞は一見に如かずです。
黒猫合唱団事務局(@mTjqCuphAl9hqLk)のTwitterでは、過去様々な「2MLAP解析」をご覧いただけますので、ぜひ。
「目展示、出来てますか?」
ここまでのご拝読に、感謝申し上げて。
黒猫合唱団事務局 拝
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