黒猫的、耳タコ資金管理論
みなさん、“勝てて”いますか?
色んな「※」を付けて、「YES」と答えたい方も少なくないでしょう。
※トータルでは勝ってる。
(多分勝ってない)
※勝負レースは完ぺきだった。
(結局、収支では勝ってない)
※4回転がせたから初期投資は小さい。
(負けたと言っている)
※観戦料!
(無料です)
etc...
胸を張って勝てていると言える方は、ここで読了として下さい。
ただ、ここで数理的に突き詰めた話をしたいわけではありません。
バルサラの破産確率表を持ち出して説教するつもりもありません。
「なんとなく分かっちゃいる」という感覚、深く考えたくない自覚を整理することで、広い意味での資金管理、ギャンブルとの付き合い方について黒猫と考えてみませんかというお話です。
一応、競艇をモチーフに話を進めていきますが、普遍的なギャンブルの話としても応用できるでしょう。そして、難しい話は全くしません。
そうだよな。そうだよな(2回目)。そうだよなあ(溜息)。が目的です。
鉄火場からの徒歩道を指して、オケラ街道なんてよく言ったもんですが、ネット投票時代、博打の負けを反省する機会も失われてきているんでしょうか。
さて、貴方の月収は幾らですか?
そこから生活コストを差し引くと?資産は?借金は?
これは、自分しか知りえないコトにもかかわらず、熱くなった時にちゃんと計算できなくなるものです。
ギャンブルというのは、行動と結果から逃げも隠れもできません。
自分が何に幾ら賭けた結果がこう。勝つときも負ける時も独り。自分を生かすも殺すも自分次第です。
その為、自らをよく知ったうえで制約と戦略を立て、ルールを決め、破らないように律することが求められます。オッズで他者と戦う前に、自分との闘いがそこにはあるのです。
「そんなことが守れりゃ世話ないし、使っちゃいけない金で賭けてからが本当の勝負だぜ!」
凄くワクワクしますが、いけません。
すっからかんになることにひどく悦びを感じるなどでなければ、これは愚行です。
1か月、投票に使える額は幾らですか?
世の中というのは広いもので、これが数千円から数百万まで千差万別。
あまり極端な話をしても、他人事になってしまうでしょうから、手取り30万円の給与所得者をモデルにしましょう。
それぞれのご事情の中で自由に使えるお金の大半を競艇資金としても、まあ5万くらいでしょうか。
資金月5万。
少ないと感じませんでしたか?
少ないんです。
それは同時に、いつもの投票が行き過ぎていることを意味します。
毎日やるなら1日当たり1,600円。
月5日参加なら1日10,000円。
「全部坊主になんてならねーよ!」
これは投票の仕方によります。
各目の真の確率というものはどうやったって知ることができないですし、
もしそれに高い精度で近づくことができるなら勝確です。基本的にはできません。
それはそれとして、50%の確率で来る目の投票をしていたとしましょう。結構固いですよね。
(そもそも、50%来る舟券で期待値を100%上回らせる買い目って発現するのでしょうか…。まあ、するんですけど、見つけられるでしょうか。)
これでも5連敗の確率は3%を上回ります。
3回に1回当たる確率33%の舟券では12%、5回に1回なら32%でドボン。
確率を正確に捉えていたとしてです。
実際には、「確率を見誤っている」、「期待値をはじく確定オッズも分からない」、「そもそも均せるほどの配分を資金的にできない」など、ガバガバに次ぐガバガバなのです。
この絶望的な状況への対処法はいくつかあります。
券種も含めて、投票ボリュームを適正な状態に下げる。
集計期間を引き延ばす。これには、精確な確率・期待値評価と投票ルールの遵守が必要になってきます。
週に3日ほど1万円の勝負。月にすれば12万の投票です。
制度上の期待値は75%なので、9万円返ってきそうですが、1投票の規模が大きければ収束までに資金ショートしますし、分が悪い過熱オッズに投じていたりすると、控除率を超えて養分になります。
自分を律した強者のリターンに化け、残りはていちゃんによって社会が整備されるだけです。
もう一度伺います。1か月、投票に使える額は幾らですか?
そして、
「(期間内)資金」
「(期間内)投票回数」
「的中確率」
「目標期待値」
はそれぞれ幾らで、それは適正ですか?
競艇は楽しい。「賭けて、負けて、ゼニ作って」のループではいけません。
資金管理で端っから負けるのではなく、少なくとも不確実な結果で負けましょうよと黒猫は思うのです。
最初で最後、それっきりの大勝負なら、ビシっと元手を揃えてズドーンと行く。それが良いんだと江戸落語「紺屋高尾」で語られていますが、競艇に興ずる私たちはそうじゃない。今日も明日も明後日もボートが走っていて、賭けたくなる。全部スっちゃ、もう出来ない。じゃあ、そうならない為に何ができる?というお話。
こんなこと、誰だっていつだって頭の隅で考えたことです。孤独な勝負ゆえ、他者である黒猫よりあえて当たり前のことを申し上げる次第です。
ゴリゴリの数理論はまたの機会に。
黒猫合唱団事務局 拝
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?