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「1-2-3,2.9倍。」「ヨシッ!!」

きょう6/17、記録的に珍しいわけでもないが、
なかなかお目にかかれないと言ってもいい水準の、「人気が偏ったオッズ(=投票)」があったので、あてどなく綴る。手持無沙汰な週末前夜、今この文字に目を落とされているのも何かの縁。興味の続く限り、読んでいってくださればと思う。

黒猫は毎日、競艇のオッズを監視している。誰に頼まれているわけでもない。
例えば12場開催なら各場の開催が12Rで、144Rの確定オッズがある。競艇は6艇で争うので3連単は120通り。これを乗じれば17,280個のオッズ。
時系列データ、つまりオッズの推移となれば…それはもう、たくさん。

そんなオッズの大河には一桁から四桁まで様々な数字が流れる。
人気が集まれば数字は小さくなるし、所謂、穴ならば数字は大きくなる。

ギャンブルは不確実性の境地。究極、何が起きるかわからない。
参加者各々は120通り結果の発現確率を評価し、リターンに照らしてベットする。この結果がオッズだ。ここではそのメカニズムを微に入り細に入り解き明かしたりはしない。
確率とリターンの積(期待値)への納得が積み重なってオッズというものが蠢き、締め切りを迎えたとき、答え合わせが始まる。それだけの事だ。

参加者の多くは誤った確率をもって行動しているし、決心に至らしめたオッズもその場にとどまってくれない。理不尽なゲームである。

前置きはこれくらいにして、この記事のきっかけになったレースに話を移そう。2022年6月17日〔桐生9R〕。なんでもないショートシリーズ(4日間開催)の2日目に組まれたなんでもない女子戦。

〔桐生9R〕出走表

このレースの「確定オッズ」において、3連単1-2-3が2.6倍となった。
記録的に珍しいわけでもないが、なかなかお目にかかれないオッズである。

この目が100%の確率、つまり絶対来るなら期待値260%。すごい。
50%なら期待値130%。期待値100%を割り込む投票は合理性に欠ける。そのラインを逆算すると、確率38.4%。
数字をひっくり返して遊んでいるだけだが、このレースを何度か繰り返すとして、2.6回に1回は1-2-3になると評価して利益なしのトントン。2回に1回とみて、ようやく1.3倍のギャンブルになる。
これらの数字にどれだけシビアになれるかが、このゲームの生存確率を大きく上下させる。

果たして、2回に1回の確率で発現する競艇の結果というのはあるのだろうか。

その有無については予想屋に任せる。黒猫は予想をしない。
そして、さらに参加者の投票動態に迫っていく。このレースの確定売上は3連単の券種で513,248票だったと推定している。金額に直せば、約5千万。

そのうち最終表示オッズの裏側に売り上げていたのは239,146票。対確定売上で46.6%である。締切1分前までの売上が全体の半分に満たない。

売上票数推移

オッズの話になると、いつも言うことは同じ。
”私たちはなんて不確かな情報を拠り所に投票させられているんだ。”ということを競艇の売上の少なさとともに自覚しなければ、どこまでも不利な戦いに嵌っていくだけ。

オッズ推移

オッズ推移も観よう。結果的には、一言で言って「急落」が発生した。
2.9倍と2.6倍の差はひたすらに重い。132.9倍と132.6倍の差とは違う。

ぎりぎりまで粘って2.9倍を見届け、清水の舞台から飛び降りるかの思いで、厚ベット。スタート直前にオッズを更新すると確定オッズが現れ、2.6倍。
結果が当たろうが外れようが、この下落に耐えられる期待値計算はおそらく誤っている。
そして、繰り返せば繰り返すほどマイナス収支を伸ばしていくことになる。

そう、本質的には③片岡選手が3着を競り負けたこと、「結果」なんてどうだっていい。(因みに、結果は1-2-6で33.1倍)

最後に、最終表示オッズから締め切りの間になされた投票、投票全体の53.4%のそれについて少しだけ。粘りに粘った熟考の英知、約2700万の投票だけでオッズを計算してみた。彼らの1-2-3は2.3倍だった。

〔桐生9R〕出走表、再び

本当に?
冷静になろう。冷静に。

この熱狂に満ちた〔桐生9R〕から何かの教訓が得られるならこうだ。

確率を見誤ってないか、
見ているオッズは確かか、
そのレース、勝負していいのか。

ひとつひとつ、指差し確認をして、投票ボタンの押下を。
その慎重さが、貴方を守る。

ここまでのご拝読に、心より感謝申し上げて。
黒猫合唱団事務局 拝


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