「黒猫ツール」のトリセツ -「ST展示スリット解析」編-
※特殊な訓練を受けています
そんな方には必要のないこのツール。
「2MLAP解析」編と同様に、「目展示」が出来ればお役御免です。
人並みに「目の錯覚」クイズに騙されたり、スマホ画面で展示をご覧になったりされる方に、便利に感じていただければ良いなと思いながら作ったツールです。
競艇では、すべてのスタート展示で目にする「スリット写真」。
競馬などでも、僅差でゴール板を駆け抜けた際に「〇着、×着は写真判定となります。」
とアナウンスされ、その判定に用いられるのはご存じかと思います。
「スリット写真」を撮影する「スリットカメラ」の説明はコチラ。
通常のカメラがフィルムが固定された状態でシャッターの隙間が移動するのに対し、スリットカメラはシャッターの隙間(スリット)が固定された状態で、フィルムが横に移動します。(現在は電子式ですのでフィルムはありませんが考え方としては同じです。)
通常のカメラが一瞬を記録するのに対し、スリットカメラはある場所(スリットライン)に おける時間の流れを記録したものと言えます。(「MIYAJIMA KYOTEI FREAKS」HPより引用)
ちなみに、現在では24の競艇場のうち、10場はJPF社(旧:日本写真判定)が請け負っているそうです。
そんな「スリット写真」から何を読み取るのか。
その答えは速度です。
通常の写真では被写体は静止し、そのスピードを知ることはできません。
しかし、「スリット写真」では、可能になります。
「スリット」を通過する速度が早ければ、写真に写る時間が短くなり、現れる像も水平方向に短くなります。
つまり、艇の全長が速度に負比例します。
速ければ短く、遅ければ長く写るということです。
当然、手前のものは大きく、遠くのものは小さく写るレンズ特性はそのままなので、垂直方向の艇の大きさ(厚み)に騙されてはいけません。
あくまで、水平方向の長さのみが重要なのです。
このnoteにたどり着かれる方のおよそ7割はここまで常識、これ以降も常識かもしれませんが、念のため。
「黒猫ツール」の「ST展示スリット解析」では、
各艇の長さを計り、それを比較することで速度の相対値を出しています。
便宜的に、1コース進入艇を100%として、他コース艇が何%となるのかという寸法です。
%の値が小さいほど、速度は速いということになります。
ツールとしてそれ以上のものはなく、3種の神器の中で最もシンプル。
ただ、手前味噌ではありますが、侮れません。
「短く見えるな」と思っていても、案外計ったら違っていたり。計測して数値にする強みがそこにあります。
また、「捲れるか」(あるいは「捲られないか」)を考える上でも有用です。
相手(内)の艇に対して、4%、5%と小さい値を示している場合、
(かつ、そのスピード関係が本番も同様の場合、)スタートで少しでも覗けば、1Mまでに叩いてしまうことが可能でしょう。
本番スタートタイミングを推理し、展示スリットの相対速度を読み解くことで、1Mまでの展開を描く。
そのカギに「ST展示スリット解析」を使って欲しいと思います。
道中の逆転が難しい競艇の性質から、1Mまでの展開予想を制する者が舟券を制すると言っても過言ではありません。
最後に、開発者見使用者である私の、具体的な注目点です。
先ず、ツールとは関係ありませんが、スタートが見えているか、届いているかの確認はここで必ずするべきだと考えます。
次に、「抜けた数字」への注目です。上下の差で6%、隣との差で4%程度あると、該当の速い艇が1M展開の「きっかけ」になります。
必ずしも頭とは限りませんが、展開を動かす存在になる可能性は高いと考えるべきで、そこから、頭を取るのか、乗ってくる艇がいるのかなど、展開予想のベースづくりに活用できるのではないでしょうか。
「2MLAP解析」編で触れた通り、「スタート展示をスタート展示として走る選手」にも推理を巡らせられると、より高みに行けると思います。
以上、3本にわたり解説をしました「黒猫ツール」。
現在、新宿租界にて公開中です。
どうぞご贔屓のほど、お願い申し上げます。
黒猫合唱団事務局 拝
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