人間もどきとせんしちぶなお話。

ぐわんぐわんと脳みそが揺れるような感覚、次いで酸素を得ようと呼吸は荒くなり身体はビクビクと痙攣しその感覚から逃れようと布団を握りしめた__
とまぁ、これはよくある成人向けな内容のお話。

「ねぇ、しよ?」と可愛らしくお強請りなんかされてみろ。

疲れちゃうしなぁだとか、ゲームしたいなぁだとか、そしてそれから犯されちゃうのかぁ、だとか。
ぐるりと廻る思考の中きゅうきゅうと下腹部の、ちょうど子宮の辺りが疼く感覚。
逃げれない、まぁ逃げる気は無いがそれはそうとして逃がしてなんかくれやしない。

機械越し、そう。私達には物理的には到底すぐ会おう!なんて言えない距離がある。
なんでこんなに離れてるの、なんて思っちゃいるが仕方がない。
相手は間の県全部潰してくっつけようなんて冗談を言ったことがある。それじゃあこの国は半分ほど吹き飛ぶことになるのでそれは流石に、と止めたが。

余談はここまでにしよう。私達を繋ぐ便利な文明の器具。
それは携帯電話だ、なんて分かりやすいんだか。それを通して厭らしく立てられた水音が響く。

何時だかに出会った時にされたことを思い出せば耳の辺りにゾワゾワとした感覚と、それからその音が脳に響くような感覚がする。

覚えている、嗚呼忘れるわけも無い。毎日のように飽きもせず求め、求められ。そうして過ごしたあの時をどうして忘れられようか。おかしくなりそうだ、1度味わった感覚を鮮明に思い出すこの体は、言葉一つで簡単に絶頂を迎える程には壊れている。

弱々しい声を上げ身体を震わせれば、またいく、なんて追い打ちをかけられて。そうしてドロドロに蕩けさせられる。おかしくなりそうな感覚の中、まともに思考すらできない脳みそのまま、ねぇ入れていい?なんて、そんな。身体も心も捧げたいと願う相手に言われて誰が嫌と言えるものか。

まぁ言うんですけどね、それを無視するのが愛しい我が御相手様ってワケ。

ゾクゾクと脳を支配するのは気持ちよさ。自分でも嫌になるほど分かりやすく期待する身体に力が入り、それから脱力。
忘れることの無いあの感覚に浸れば後はもうどうしようもない。言葉で支配され、体を直接ではなく、頭も心も犯されるしかない。ガクガクと身体を震わせ、逃げるように布団に縋り、求めるように腰が揺れる。

まぁ、それが普通。私にとって、否、私達にとっての普通で、何の異常もない極々当たり前の風景だったり。

まぁこれでも立派に絶頂を迎えているから体のダルさは言わずもがな。更に言えば繰り返す快楽の波に溺れ意識を飛ばすこともしばしば。
そこまでするのは勘弁して欲しいところだけど、それ程求められているという証拠なのだろうと思えばまた一興。
許す訳では無いが、生憎嫌いではないし、そんなに嫌ということもないので大人しく受け入れるのみ。

さて、これは立場が逆転する話。

ほら、いっちゃうね。気持ちいね。そう言葉をかければいつもは滅多に聞くことの無い可愛らしい喘ぎが耳に入る。随分と可愛らしいご様子で。
ねぇ、いって?とゆるゆると甘えた声をあげれば簡単に絶頂を迎える。可愛さにつられていじめてしまうが故に、もう無理、やめてなんて懇願もされるが。

辞めるわけないんだよなぁ、普段の自分見返してみ?これはお返しだよボクくん。

独り占めしたい可愛さなので此方はこの程度に。


これは、感覚も、認識も、そして思考も歪まされ、壊された話。

ぐちゅ、ぐぽ、と耳の時とはまた違う水音。それはまさに、そう、咥えている時のような。
実際のところない訳だが、しっかりと認識を歪まされたおかげでぞわぞわと気持ちよさが募り、ぐっと押し付けるように絶頂を。

正直これ説明難しすぎるんだが?なんせ、普段とはまた違う、言葉にするには曖昧且つ可笑しな感覚なのだから。

暫く波が続いた後に、ゆっくりと引いていく。そしてまた刺激を与えられれば引ききらない波が返して…と言った感覚。
普段なら緩やかな波が続いて、その波が大きくなった瞬間に絶頂する。此方は波がなかなか引かないから思考と感覚がとにかく歪みに歪んで休みがなければ最後には絶頂し続けたりするものだ。

無いはずのそれを咥え、トドメと言わんばかりにいっぱい出して?なんて実に可愛らしくお強請りなんしてしまう彼に、どうしようもなく興奮する私がいることは認める。認める、が。
まさに未知の感覚であるそれを教え込むのも、癖つかせるのもよくないと思う。非常に、非常にこれは良くない。もうこれからどんな思いで生きていけばいいのか。

もしやこれも彼が居なければいけない私を作り上げるためか?そうだとしたら飛んだ策士だ。あまりに理解が深すぎる、そういった行為に弱いことを利用するだなんて。
もし違うなら。これはただの希望で、ただの我儘だが。犯せたらいいのに、と嘆いていた私の言葉に感化されていてくれれば。なんて。これはただの夢だが。
実際はどう考えていたかなんて分からないので私はこの考えで生きていこうと思う。残念だがそうして欲情する節があるので、さらに深い理解のためにこれも学んでいてほしいところだ。

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