良かったと思う話

歪んだ感情。様々な記憶と知識の元、色んな形にねじ曲がった私の感情は案外簡単に笑顔を浮かべ、そしてその裏に言葉にするのも憚るほどのものを隠している。

歪んた感情と共に、価値観も、願いも、何もかもが壊れてしまった。 ような気がする、実際はよく分からないが。
その1つに、愛しい人への想いも含まれている。歪んで、捻れて、そうして堂々と思考の中に鎮座するそれを私自身はどうしても普通だと、可笑しくないと認めてやれない。身体は子を孕む為のものを持ち合わせているのに、ふと脳裏に浮かぶのは孕ませたい、の1つ。何時からこうなったかはすっかり記憶にない、ただ気が付けばこのどうしようもない、叶いやしない願いは心の中に、思考に、当たり前のように存在していた。
別にいいよ、力で勝てたらね?なんて、咎めることも、否定することも無く、受け入れてくれる彼をどうにも大切に護りたいと思う。
力があれば良かった?いいや、確かにそうも思う。けれど同時に、勝てなくて良かった、負けていてよかった、と。ぶつけ所もなくただふつふつと湧き上がるこの情を力で押さえ込んでくれてよかった、と思っている。確かに、悔しい。力があったら、とも零す。それは、事実だ。それも、私の思いであることに違いはない。けれど、やっぱり。
大切に出来なかったら?溢れたこれが壊す理由になってしまったら?愛おしい彼を、困らせてしまったら?そう考えればやはり、これで良かったのだ。
力で負けていて、簡単に抑え込まれるような軟弱な身体でいて、どうしようも無いただの妄想で終わるしかなくて、良かったんだ。

… でも、やっぱり悔しいよね。だから来世に期待大!今世は、ただ幸せに彼と想い想われ、過ごしていこう。出会った頃から変わらず、どうしようもなくお兄ちゃんの彼と、どうしようもなく妹な私たちで歩んで行こう。時々甘えん坊な弟と、甘やかしたがりなお姉ちゃんみたいになりながら、今世も幸せだったと〆れるように。




まぁ、諦めてないけどね。大好きな貴方を、何時か私だけの特別な『女の子』に出来るように。沢山教えて貰ったことを、お返ししないとだもんね。私、まだ足掻きます!

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