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『○月○日、区長になる女』

↑駅地下のパフォーマー。時々動くんだが、それがなんかオートマター(機械仕掛けの人形)みたいでかつ、なんか動きが可憐で品がある感じでよろしい!

ここんとこずーっと県知事選追っかけで、今日はようやく課題レポート仕上げて提出(社会人だが学生もやっている)し、気づいたら今日までだった静岡市美術館の『京都細見美術館の名品』見てきました。
若冲の絵が結構来てて、これだけまとまった数見られてしかも人垣ナシ、つうのは地方ならでは!ですな。

で、選挙戦最中でもこれだけは見なくては!と、見に行ってきました、こちら!

https://youtu.be/dSwzB1oZ7To?si=7Nu78kA_Gu6udPle

静岡市では限定1週間公開、現在は浜松市のシネマ・イーラで上映。
2022年、東京・杉並区の区長選挙のドキュメンタリーで、杉並区って投票日の日曜に即日開票じゃなくて翌日の月曜日に開票なんだよね。
その月曜日の午後に激震がネット上を走ってたのを今でも覚えてます。
新人の岸本候補が現職区知事を破り初当選!
その差はわずか187票!!
最近の島根補選選挙以上の話題になったんだよね、日本の民主主義はまだ死んでいない、可能性は消えていない!ってね。
知らない他住民から見たら、それはまさに『奇跡』な結果なんだけど、それは単に降って湧いた奇跡ではなくみんなの努力とやる気の結晶なんだよねー。
この杉並区長選は、現区長や都が住民には十分な説明のないままに道路拡張や家屋の立ち退きとかの計画を立てていて、それを止めるには区長を変えるしか無い!
で、住民団体が、なんと区長になって欲しい人を探してスカウトしてきたのが岸本聡子さん。
当時、ヨーロッパで住民自治活動とかされていた人で、ビッグイシューとかにも寄稿していたそうだから、実は私も、彼女を知ってたハズだったのだ!(ビッグイシュー読者だが全然気づかなかった^_^;;←ビッグイシューとはホームレス自立支援のための雑誌で、東京や大阪なんかの都市ではホームレスの方が自ら販売している。静岡では一部のお店で取り扱っていたり、通販で入手できます)
聡子の聡は耳に公の心と書く、つまりみんなの心を聞く、に繋がるとご自身で行ってまして、普通聡子って名前つけるとしたらその意図は『聡い(賢い)になるように』って事に思えたが、なるほどねー、表形文字である漢字だからこそだねー、もしそう考えて名づけたならすごいご両親だねぇ。
で、彼女が『公』をハム、と説明してるとこが、あ!動物のお医者さんだー!と思った私でありました(笑/主人公の名前が公輝・きみてる、なんだけどみんなハムてると呼ぶのだ)

で、この映画、ドキュメンタリーなんだけど普通のドキュメンタリー映画ってカメラを回してる存在の主体をなるべく意識させないような作り方するケースが多いように思います。
撮影や編集で明らかに作り手の、観客に対する誘導意図があるのにそれをなるべく感じさせずに、観客が自分から率先してそう考えた、みたいにさせるような、意図ある客観性を潜ませている、みたいな。
しかし、この映画の場合は主体はあからさまに製作者・カメラを回している監督であり、監督のその場での思いや迷いがリアルタイムでその撮影場面に隠す事なく出てるとこが面白い。
一歩引いたとこではなく、まさに現場でその当事者の一人として、って映像で。
それまで別に普通に毎日暮らしていて、政治とか社会は実感的な事ではなかったが、道路拡張計画により自分の当たり前の静かな、いつまでも変わらないと思っていた自分の小さな世界が無くなってしまう、それを覆す事が政治、つまり私の生活は政治と繋がっているんだ!って事で、区長選挙に岸本候補のお手伝いをする事に。
で、岸本候補を応援するボランティア仲間の中も、みんな微妙に意見は違うし、岸本さんへの要望も異なるし、自分達の希望を実現したい、期待値が高い分、要求も高くなり、とかの難しさとか。ほんとリアルだなあ。
それで仲間割れ分裂するボランティア団体も少なく無いし。
もう区長選挙は終わってるし結果もわかってる、んだけどそれでも見ている側はハラハラドキドキ、いけるかな?いや、そんなに既存勢力は甘くないか、でももしかして??とか、の繰り返しで。
監督視点からの主観的ドキュメンタリー映画ならでは、って事なんだろう。
そーいえば監督はワガママボディの猫さんと同居していて、落ち込みと猫吸いをして浮上するようだ、わかるわかる(爆)
あと、ベランダでアカミミガメも飼っている。
途中、畠山さんも出てきたよー、そういえば畠山さん確か杉並区民だったような?
で、選挙結果はご承知の通りなんだが、この映画の真価はその後!
選挙勝ちました、めでたしめでたし、では終わらない。
今度は私たちが選んだ区長を私たちが応援するんだ!と、区議会傍聴席は満員御礼!
今まで通常運転、区長・議長・議員でなあなあ、はもう通じない、わけで。
さらに岸本区長選挙ボランティアやっていた面々が今度は自分が区議会議員に立候補して次々当選して議員の勢力図を塗り替えちゃったわけで。
区長選挙と違い区議会選挙は個人戦で、今度はボランティア仲間がライバルともなるわけだが、そのあたりはどうだったんだろうか?
公明党みたいに票割りしたのか??
で、その区議会議員候補、それぞれ推薦もらってる元が共産党だったり立憲民主だったりれいわだったりいろいろなんだけど、みんな色の違うタスキをかけつつも仲良く並んで手を結んで・・
まさにこれこそ『野党共闘』ではありませんかっ!って感じでねー、とにかくムネアツな映画でした。

パンフのイラストは浅生ハミルトンさん!
『私は猫ストーカー』の作者さん、だよね。

ミュニシパリズム、地方自治。
地方自治は国の下ではなく、国と対応な立場である、って今の日本には決定的に欠けている視点。
自民党推薦候補がよく『私は国とのパイプが太いから国から利益を得やすい』を売りにしてるが(静岡県知事選挙もまさにこれ、でありました)その対極にある話、明石の泉元明石市長もよく言ってますなー、これ。
この呪文のような言葉、ミュニシパリズム、これ浸透させていきたいねぇ。

杉並区議会、傍聴してみたいなあ。

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