見出し画像

【旧裏デッキ解説】ゴルバチョフも知らない未来(ハレツー殿堂2302)

くろまいです。


R6.5/11のハレツー旧裏バトルで使用したデッキについて書きます。いつものナツモルとは全然違うコンセプトなので、単独の解説記事にしました。





デッキレシピ





ハレツー殿堂2302に準拠


殿堂内訳:

ポケモンぎゃくしめい 2(★★★★)

エネルギー・リムーブ 2(★★★★)


合計8点


概要


ワンキルも可能なアグロデッキです。


3色のエネ1枚20~30打点+プラパ&ぎゃくしめいで弱点を突きながら相手のたねを倒し続け、取り逃して育った大物はリムーブでテンポを遅らせつつ、ESP+ライフダウン+わるいゴルバットorムチュールで仕留めにいきます。


アグロは序盤に高HPの壁を構えられるとテンポがとれずジリ貧になりがちですが、このデッキには1エネ確定毒・ライフダウンという省エネの突破手段があるため、勢いを止めずに攻め続けやすくなっています。


またハレツー環境のトップメタであるワニカメ・わるクロ・エネエネに対し、ズバットを確1にできるナツメのケーシィが3枚採用されていたり、ライフダウン3枚に加えてオーダイルを弱点込み確2(=ワニノコは確1)にできるアタッカーが2枚入っていたり、ビリリダマ確1のグライガー+エネエネ成立しても切り返せるリムーブを二段階で構えていたり等、対抗手段が比較的多いのも特徴です。



そういった豊富な攻め筋を逃げ0のたね同士で自在にスイッチし、相手が最も嫌がる展開を1ターン目から押しつけていく、というのが基本戦術になります。



構築の経緯と完成までの流れ




実績解除したハレツー殿堂では今年からナツモル以外のデッキも時々使う事にしており、折角ならナツモルと対極にあるアーキタイプにした方がプレイングの幅を広げられるかな、と思ったのがきっかけです。


ナツモルデッキの特徴として、


・長期戦志向(無限リソース)
・ニコタマに依存しない
・殿堂はポケモンや特殊エネに割く


というのがあるため、今回はこの部分を反転して

・短期戦志向(有限リソース)
・ニコタマを積極的に使う
・殿堂はトレーナーに割く


というコンセプトを立てました。


ニコタマを使う短期戦志向のデッキだと、動きのイメージとしてまず思い浮かぶのはビリリダマメタモンです。


(ハレツー黎明期なので、今とは殿堂が違うことに注意)



このデッキの最大の魅力は『メタモン以外のポケモンが全て逃げ0なため、初手バトル場が誰であれ即座にメタモンと交代して最短ルートを走れる』という点で、それがそのままワンキル性能の高さに繋がっているんだと思います。火力も1ターン目に出せる打点としてはかなり高い部類に入りますが、一方でたねのHPが超貧弱、要求値的にエリカ必須、2302殿堂では呼び出し札に多くの枚数を割けない等の理由から、後攻やベイビィ・高HPの壁のせいでテンポをとれなかった時の捲り手段には乏しい印象です。



ビリリダマ以外に目を向けると、ニコタマ多色プテラあたりもこの系譜になります。


(晴れる屋2さんのXのポストより。左上の画像のやつ)


無色2個20打点わざ持ちのたねを全色用意することにより、『プテラ展開後の最大HPが下がっている状態で、20打点×弱点2倍+プラパ1枚=多くのたねが確1になる50打点をニコタマ1枚で即座に出せる』というのが強みです。プテラが立っている限りは相手のHPが増えることがなく、ビリリダマメタモンよりは自軍HPが高めで殴り合った際にテンポ負けしにくい、というのもメリットですが、プテラ依存なのでププリンやブビィで盤面崩壊する点と、採用している多くのたねが逃げ1以上のため、必要なポケモンをバトル場に出すまで若干窮屈な点が気になります。



そういった感じで無視できない欠点こそあるものの、上記二つは店舗大会で全勝経験もある完成度の高いアーキタイプなため、ニコタマで短期戦志向のデッキを組む場合にはしっかり意識する必要があります。



具体的には差別化点として

・デッキ中のたねは基本逃げ0
・たねの打点は最低でも弱点+プラパで50に届く1エネ20
・後攻時/高HP壁への回答あり
・特殊能力に依存しない

の4点が全てクリアできていないと劣化になるな、と思いました。


そんな思考を前提にカードプールを漁ったところ、上記の条件を満たすカードとしてナツメのケーシィ(エネループ)とグライガー(neo1)が見つかりました。


並べるとBWのパッケージみたいに色合いが対をなしてて綺麗


両方とも逃げ0で、ニコタマ採用前提であれば1エネ20打点を出すことができます。


ナツメのケーシィは進化してナツメのユンゲラーになることで、初代MOTHERのPKフリーズγよろしく壁だろうが鋼を貼っていようがライフダウンで残りHP10まで追い込むことができます。


グライガーはどくばりによって逃げるコストが高めの壁にスリップダメージの負荷をかけることができる上、ベロリンガ(ジャングル)・ラッキー(拡張)・エレブー(第一弾)といった採用率の高い壁の弱点を突くことができます。


ライフダウンもどくばりもコイン次第なのが玉に瑕ですが、1エネで気軽に使える点は短期戦志向のデッキと噛み合っているように感じました。


加えて超と闘は共通して『抵抗力で止まりやすい代わりに弱点も突きやすい』デザインになっているため、得手不得手をスイッチ可能な逃げ0との相性が良く、2色の掛け合わせで幅広い範囲のたねを確1にすることができます。


メジャーどころでの役割対象はこんな感じ。

[1]超弱点
・HP40以下(プラパなし確1)

ズバット各種、マンキー(ジャングル)、ケーシィ各種、ナツメのケーシィ(ジム拡張2種)、メタモン(化石)※、ミュウ(サザン)、ミュウ(ニュートラルシールド)、アンノーンUNDO、FIND、WANT、E、Q、Z

※こちらのナツメのケーシィに強制変身するため

・HP50(プラパ1枚で確1)

ニドラン♀️(拡張)、わるいゴルバット、ナツメのケーシィ(ナツメデッキ)、ワンリキー(第一団)、ヤドン各種、ベトベター(化石)、スリープ(ロケット団)、ドガース(拡張&イントロ)、バリヤード(拡張)

・HP60(プラパ2枚で確1)

ニドラン♀️(ジャングル)


[2]闘弱点
・HP40以下(プラパなし確1)

コラッタ(ロケット団)、コイル(neo2以外)、ビリリダマ各種、メタモン(拡張)、イーブイ(プロモ)、ポリゴン(ロケット団+拡張)、エイパム(neo1)

・HP50(プラパ1枚で確1)

ピカチュウ(WHF)、ピッピ(拡張)、ポリゴン(プロモ)、チョンチー各種、ドーブル(neo2)


・HP60(プラパ2枚で確1)

プリン(ジャングル)


上記の通り、メジャーなシステムポケモンや、特定のキーカードを軸にしたアーキタイプでは採用必須のたねを広くカバーできています。これはつまり多くのデッキに対し初手バトル場次第でワンキルのチャンスがあるということで、ここも短期戦志向とマッチしています。


また特筆すべきはエネエネ・わるクロプクリン・わるクロランターン・スライ・わるマタ・ニドリーナといった2ターン目が強いデッキに対し1ターン目から負荷をかけられる点で、同様の事ができるビリリダマメタモン/ニコタマ多色プテラとはコイン要求(すごいへんしん・たまごの化石)の有無で差別化が図れています。


総じてメリットがかなり多い組み合わせなので、この2色2種をメインアタッカーにすることで決定。


あとはこの2色だと弱点をつけない炎・水にも初手から負荷をかけるため、どちらにも弱点を突かれずニコタマ1枚で30打点出せるサカキのニドラン♀️を3色目のアタッカーとして採用。逃げ1ですがプラパを2枚貼れれば弱点に関係なく50打点を出せるので、初手バトル場に来ても展開が詰まりにくいです。ベイビィ確1、ワニノコ確1、オーダイル確2の打点を即座に出せるのも評価点で、ワンキル対抗馬であるカスミのニョロゾへ逆にワンキルをしかける札としても有用。



ねねしさんと対戦した時に教えてもらったカード



これら3種とニコタマ・プラパで最低限のパワーを確保できたので、アタッカーの色はこれ以上増やさず、残りの枠で弱いところの補強を行うことにしました。


まずはコイン判定かつ次ターンの追撃が必須なライフダウンに対するテコ入れです。育ちきってしまった大物相手は一発で成功させないと負けに直結しますし、表のあともユンゲラーと後続でサイドを2枚とられては元も子もありません。戦術の根幹に関わるので、ここの補強に最も多くの枠を割きました。



コイン判定についてはナツメのESPを複数枚積むことで実用的な性能になるのと、相手の打点がまだ低い序盤~中盤に限れば、ディフェンダーで確定数を変えて試行回数を稼ぐ、という形でも代用ができます。ディフェンダーはライフダウン後の追撃役を相手の反撃から保護するのにも使えますし、サカキのニドラン♀️の自傷軽減の役割も担ってくれるため、汎用性が高いです。どちらにも違った良さがあるため、両方採用。





追撃役には鋼貫通性能+ベイビィ判定を押し付けられるムチュール(プロモ)と、ベンチから打点を飛ばして相手に触らせないわるいゴルバットを採用しました。こっそりかみつくは特殊能力なのでベトン下だと使えませんが、その場合は進化前のズバット(neo3)で毒撒き→ライフダウン即きぜつ、のルートをとることで、ユンゲラーの生存率を上げて次のターンへ繋ぐ事ができるため、大勢に影響はありません。加えて確定毒効果持ちがデッキへ入ることで、グライガーのどくばりコイン判定問題も副次的に解決することができます。





ちなみにわるいクロバットは3ターン目以降にしか出番がない上、場にわるいゴルバットがいないと出すことすらできず、ライフダウン後に使う前提だと20ダメージの旨味もほぼないため、殿堂ランクとデッキの回転に負荷をかけてまで使うメリットが少ないと判断し、今回は不採用。それでも相手目線では殿堂が全て割れるまで入っている可能性を捨てきれないため、短期戦の妨げになるバリヤードやベイビィを抑止できる、という心理的効果もあります。実際ハレツーの店員さんも騙せてました。



晴れる屋2さんのXのポストより引用。
いつもお世話になってます


それ以外ではたねのHPが総じて低いことにより、1進化2ターン目始動の相手に後攻を踏んだ際の捲り手段がやや不足しているので、この点を改善できるカードを考えました。


これに関してはこちらのたねが1エネで動けるのに対し、1進化アタッカーの多くは2エネ始動なので、後攻1ターン目に1エネついた相手のたねを呼び出し札で倒すか、あるいはリムーブでエネ自体を流すことでテンポを取り返すことができます。



これらのカードは先攻になった場合もアド差を更に広げるダメ押しができて腐らないので、元々トレーナーにランクを割くというコンセプトだったこともあり、殿堂8点は全部ここに注ぎ込むことにしました。リムーブや呼び出し札をガン積みしたデッキが店舗大会で頻繁に実績を残しているので、自分で握って使用感を確かめてみたかったというのもあります。


(殿堂トレーナー多投型の一例)




あとはこれまで採用したポケモンだけだと超タイプ・弱点なし・闘抵抗持ちのゴーストに先攻をとられた瞬間蹂躙されてしまうため、ここへ背中を向けずに戦えるカードを考えることに。


とりあえず逃げ0で超弱点でない上に高HP、草・ニコタマとの相性もよいストライク(ジャングル)は採用確定ですが、1エネ攻撃不可・搦め手なし等の欠点もあり、さすがにこいつとムチュールだけで劣勢から巻き返すにはパワー不足だと判断、最低もう1種は超抵抗のアタッカーを採用する必要が出てきました。





最初は殿堂なし逃げ0超抵抗で一番HPの高いニューラ(pf3)で試運転しましたが、打点がコイン次第でとにかく安定しない上、超以外には全く頼りにならなかったので解雇。


仕方ないのでムチュールをかさまして誤魔化すか、と考えていたところで、ふとベロリンガ(ジャングル)を使うのはどうか?と思い付きます。




ベロリンガは逃げ3なので、一見すると今回のコンセプト上は御法度な気がしますが、呼び出し札を全てぎゃくしめいにすれば初手バトル場に出たとしてもベンチへ引っ込む事が可能なので、ピン差し前提であれば実はそれほど1~2ターン目の展開を邪魔しないです。加えてベロリンガ自体が序盤適正のあるポケモンなので、仮にバトル場から離れられなくてもまきつくベロを連打してるだけでサイド1枚ぐらいは結構取れたりするし、ゴースト含む超タイプには単騎でかなりの抵抗ができるようにります。


そしてベロリンガの高HP・状態異常撒きは相手に進化と先殴りによる処理を強要するという副次効果があるため、エネを複数枚つけた相手のメインアタッカーがベロリンガを落としに殴ってきた場合、返しのターンにライフダウンを当てることで、それまでの準備に要したターンとリソースをごっそり奪うことができます。


(ベロリンガの強みについてはこちらの記事を参考にしました)


この動きは相手のたね切れができずに攻め手が途絶えた場面での中弛み防止や、後攻になった時・事故を起こした時・相手が先に1進化を立ててぎゃくしめいの効果が薄まった時などにサーチ札1枚でお手軽に構えられるカウンターとして優秀で、対超以外のマッチであっても狙う価値があります。元々状態異常で粘るデッキを使い慣れているということもあってか、ないよりあった方がどことなく手に馴染む感じがしたので、この枠はこのままベロリンガで行くことにしました。



こういった流れを経て完成したのが、今回のデッキになります。



個別解説


それぞれの選定理由は既に結構な文字数を使って説明したので、ここでは主に採用枚数の根拠について詳しく触れます。


ポケモン15枚(たね10枚)


・ナツメのケーシィ(エネループ)×3、ナツメのユンゲラー×3

主軸その1。最初から最後まで使うので、必要な時にサーチを介さずユンゲラーへタッチしやすくなるよう、枚数は多め。

このデッキは相手のたね切れができない場合、最序盤に相手の弱点を突くかサカキのニドラン♀️で1枚、その後ぎゃくしめい2回で2枚サイドを引くところまでで攻め手が一度途切れるので、その後相手のメインアタッカーが3体立つ場合、勝ち切るためには最大で3回ライフダウンを成功させる必要があります。


そのためサイド落ちをケアするなら4-4か4-3になりますが、短期戦志向のデッキで最終盤のことまで考えて枚数を割くのはどうか?と思ったため、とりあえず2体は立てれる3-3ラインでの採用とし、サイド落ちで足りない1体はサイドレースの過程で拾ってくるか、リムーブやディフェンダーで2体を出来るだけ長持ちさせたのちに夜廃で再利用、という運用にしました。


地味にサイコショットがニコタマ対応しているので、ライフダウン後の返しを生き延びたらそのまま自身で殴って〆たり、そのまま次ターン以降のアタッカーも務められるのが綺麗。



・グライガー(neo1)

主軸その2。このデッキの中では初手バトル場適性が高め。


採用を最初に決めたカードですが、ユンゲラーラインと違って中終盤での仕事はあまりなく、運用には4枚しかないニコタマが前提、毒撒きはズバット、ワンキルはサカキのニドラン♀️でも代用可能等の理由から、枚数がどんどん減って最終的にはピン差し。


それでもマッチによっては必須級なため、夜廃で使い回すこともあります。


・サカキのニドラン♀️

主軸その3。令和には絶滅危惧種の暴力系ヒロイン。


先1で全てを終わらせる時、後1や先2以降に相手のエネ付きたねをぎゃくしめい込みで狩る時、対ワニカメで序盤におけるワニノコの殲滅と、オーダイルを夜廃経由したのち60打点×2で倒したい時に使う。


試合中に1~2発殴れれば役割が終わるのでピン差し。というか上記以外の場面でアタッカーとして運用すると、最大HPの割に反動が痛すぎて継続打点を出せず、サイド不利になります。



・ズバット(neo1)×2、わるいゴルバット×2


ライフダウンを補佐する生きたプラパでありながら、序盤はサブアタッカーとして運用することも可能。どくをとばすは先攻1ターン目にワンキルを狙わない場合の最強行動で、次ターン進化こっそりかみつく→ふらふらとぶに繋げることにより、60ダメージをバトル場に浴びせるか、バトル場30→ベンチ30を分散して与えるかを選択可能。草にタッチできなくてもニドラン♀️へ交代すれば同じバトル場60点を出せるし、もちろんユンゲラーに交代してライフダウンでもよし。強い。


とはいえどくをとばすは最終進化相手にも結構使うので、退化スプレーHYPER不採用なこともあって進化のタイミングはよく考える必要があります。枚数は3-3ぐらいあると素引きしやすくなるものの、後攻だとあまり強くない上、プラパと違って即消費できず事故率も高まるので、最低限の2-2。


・ムチュール(プロモ)


ライフダウン後に使う生きたプラパその2。後攻時の緊急用壁でもありますが、これ単体で2ターン目までにサイドを取ることはできないので、コンセプト上他のカードへ枠を譲ってピン差し。


・ストライク(ジャングル)


逃げエネの要らない序盤の壁。速攻要素には寄与しないためピン差し。とはいえニコタマ込み2エネ30打点を出せるので、相手のたねをしばく過程でベンチに準備し、ディフェンダー等でサポートしながらダメ押し役を務めることは可能。


積極的に狙う必要はないけど、1ターン目草エネ手貼りつるぎのまい→2ターン目ニコタマ手貼りきりさくで60打点を出せるようにもなっています。


・ベロリンガ(ジャングル)


シルバーバレット枠。2枚以上だと初手に来る可能性が上がるのでピン差し。


ニコタマを貼って即座にちょうおんぱを撃ったり、そこにエネ+1枚で実質逃げ2になったりと、ニコタマのあるデッキだと見かけ以上に器用な動きができます。


トレーナー34枚(ドロソ16枚・サーチ5枚)


・オーキドはかせ×4、ウツギはかせ×4、マサキ×3、クルミ×3、ナツメの眼×2


ワンキルに命を賭けるならウツギ不採用のエリカ4投ですが、その場合は後攻を取ってしまうと相手の事故に期待できずジリ貧になるので、今回はオーキドウツギ型。


ウツギはワンキル展開を狙う場合のみアンチシナジーになりますが、手札の少ない状態で使うと縦引き力が上がるため、リソース消費の激しい速攻デッキでも普通に優秀です。


加えてグライガーとケーシィは役割対象の相手ならプラパ0~1枚でワンキルが成立するため、このデッキだとトレーナーが使えないデメリットもそこまで気になりません。


はかせ8枚で縦引き力は十分担保されているため、残りのドロソはESPや殿堂トレーナーを守れるよう、クルミとナツメの眼をマサキよりもやや多めに採用。結果的にナツモルデッキと似たような配分になりました。



・ポケモン交換おじさん×3、礼儀作法×2

相手に合わせて有利なカードをぶつけるデッキなので、サーチは超重要。逃げ0を気軽に置けるので作法が強いけど、必要な時にすぐユンゲラーやゴルバットにタッチしたいので、配分はおじさんが多め。



・夜の廃品回収

短期戦志向のデッキなので0枚にすることも考えましたが、サイド6枚取りきるプランだとアタッカーとエネがギリギリなため、1枚だけ採用。戻すのは基本エネとユンゲラーラインで、刺さっている相手ならグライガーやベロリンガでも可。


1番再利用したいニコタマを拾えないのが痛手。



・ラジオとう

逃げ0でトレーナーも多く特訓ジムや錯乱ジムが致命傷になるし、ベロリンガはマダツボミのとう、リムーブはエコロジムで機能停止するため、それらを割るためにドロソ枠兼用で1枚採用。

このデッキは縦引きドロソとシャッフルできるサーチが多いため、プラパやニコタマを探す目的ならラッキースタジアムよりも優秀な気がします。



・プラスパワー×3

先1でニドラン♀️に2枚貼る事を考えると、3枚が最低枚数。


戦術の中心なので問答無用で4投、という考え方もあるかと思いますが、このカードのバリューが高いのは概ね序盤で、中盤以降のライフダウンには全く貢献しません。なのでそこに至るとディフェンダーやESPの方が有用になります。


また序盤でも2ターン目以降であればこっそりかみつくを追加のプラパとして運用できるため、ぎゃくしめいでたねを狩る時の補佐は3枚でも十分に果たすことができます。



よって4枚採用のメリットは『先1でニドラン♀️にプラパを2枚貼りやすくなる』のほぼ1点なんですが、このメリットが活きるのはこちらが先攻で相手がたねを1体しか出さず、しかもそれがケーシィでもグライガーでも弱点をつけないHP50の時だけなので、そんな限定的な状況のためなら他に枠割いた方がパワー高そう、と思い、今回は3枚にしました。


3枚でも先1でケーシィやグライガーに1枚貼る位なら十分にできますし、ニドラン♀️に2枚貼るのも不可能ではないです。



・ディフェンダー×2、ナツメのESP×2

個人的にはプラパより優先したいカード。


ディフェンダーはライフダウン以外にも使える汎用性が魅力で、こちらのきぜつが1ターン延びれば相手を殴る回数も1回増えるため、結果的にプラパ以上の効果を出せることがあります。よく使う状況はニドラン♀️に貼ってすてみタックルでサイドを2枚とる、とか、ズバットに貼ってどくをとばした返しの40~50打点を耐えてサイドは与えない、とか。


ESPは序盤完全に腐るものの、これ1枚でサイド0.75枚分、と考えればなかなかのパワーです。本当に大事な場面では重ねがけしてさらに確率を上げることも可能。中盤以降のサイドレースはライフダウンに依存しているので、使いたい時に手札に来るようできれば複数枚採用しておきたいところ。


この2種は役割が重複しているので、2種類合わせてプラパより1枚多い4枚採用、というのを最初に決め、この中で配分を考えることにしました。自分はどっちも大事だと思ってるので2:2にしましたが、運命力に自信があるならディフェンダー多め、2進化の強い環境であればESPを多めにする等、この辺はお好みに合わせて調整して下さい。



・ポケモンぎゃくしめい×2、エネルギー・リムーブ×2


殿堂トレーナー枠。リムーブはテンポロスの観点から特殊エネを優先して割りたいところですが、ピン差しだと大して効果がないため、配分は2:2、ぎゃくしめい1:リムーブ3、リムーブガン積み、ぎゃくしめいガン積みのどれかになります。


今回はベロリンガを逃がすために最低2枚はぎゃくしめいを入れたかったのと、3枚目以降のぎゃくしめいはプラパのリソースが足りずサイド取得に繋がらなそうだったので、2:2にしました。



エネルギー11枚


・草×2、超×3、レインボーエネルギー×2、無色2個エネルギー×4


技を使うポケモンによって貼りたいエネが異なるデッキなので、攻撃役が誰であれ必要なエネを引けるように配分。


体感ですが初期手札からドロソを回して所定のエネを1枚引き込む場合、そのエネが最低4枚はデッキに入ってないと厳しいと思っています。


ニコタマは4で確定として、草×4、超×4なら合計12枚必要ですが、一方で試合中に使う数だと草はズバットに1エネ×2体で2枚、超はユンゲラーに1エネ×3体で3枚あれば足ります。


そのため基本エネの枚数を草超ともに最低限まで絞り、4枚に足りない分のかさまし+ストライクorムチュールに貼る分+サイド落ち考慮分を全て虹エネにまとめることで、配分を効率化するとともに枠の節約を図りました。



草エネは実質4枚のままなのでゴルバットのふらふらとぶも頑張れば使えるし、虹エネでグライガーがどくばりを撃てるようになるため、ニコタマにタッチできなかった時もプラパ込みでワンキルのチャンスを残すことができます。


虹エネとエネループの相性が良くないところだけ注意。



サイドボード


・エレブー(第一弾)

殴れるベロリンガ。虹エネ前提の運用だから実質HP60になるけど、安定30+αの高打点と、無色じゃなくて雷なので弱点を突けるのは魅力的。


ゴーストを重く見ないのであれば虹エネを増やしてから採用してもいいかも。



・わるいクロバット


不採用の理由を今回記事にして種明かししちゃったので、相手が平然とベイビィやバリヤードを展開してくるようなら次の大会ではちゃんと入れて黙らせた方がいいです。


・ブビィ(neo1)


わるクロに殿堂を割く場合の残り1点候補。


わるラフに耐性ができ、メガバナやエリウツにもほんのわずかながら抗えるようになります。



プレイングのコツ


アグロデッキは1ターン目からクライマックスが来るので、初動だけでもパターン分けして覚えておいた方が良いです。


気になったことがあれば追記・修正します。


・初手バトル場の優先順位


ムチュール>ストライク>グライガー>ズバット>ナツメのケーシィ>サカキのニドラン♀️>ベロリンガです。今後のカウンター展開に備えてユンゲラーラインの体力は大事にしたいところ。


相手からのワンキル警戒で手札にあるたねはガンガン場に出していいですが、ニドラン♀️とベロリンガは両方出すとぎゃくしめいが使いにくくなる場合があるので、どちらか1枚で留めておいて下さい。


その後じゃんけんの勝ち負けと、お互いのバトル場次第で1ターン目のルートが分岐します。


・こちらが先攻で相手バトル場がHP40の場合


弱点を突くか、それが無理ならニドラン♀️+プラパ1枚でバトル場のたねを倒しにいきます。相手ベンチにもポケモンがいる場合は次のターンの追撃を見越し、こちらのベンチへ最低1体はズバットを置くようにします。


・こちらが先攻で相手バトル場がHP50の場合


相手が超か闘弱点ならプラパが+1枚必要な以外はHP40のルートと同じ。弱点を突けない場合は相手バトル場のポケモンを見て、不利なアーキタイプであればニドラン♀️によるワンキルを全力で狙いに行きます。


既に相手ベンチへポケモンが出ている時や、相性差がそこまででもないマッチの時は無理してワンキルを狙わず、1ターン目ではニドラン♀️を出さずにケーシィかグライガーで相手バトル場へ20ダメージを与え、相手の攻撃を誘った上で次ターンにニドラン♀️を立て、貼ったエネもろとも相手のたねを落としてテンポをとります。


・こちらが先攻で相手バトル場がHP60以上の場合


相手が逃げ0ならニドラン♀️ですてみタックルし、逃げ1以上ならベンチにケーシィを置いてからズバットで毒状態にします。


次ターンに弱点を突いて殴る/すてみタックル/ライフダウンのいずれかできぜつを狙います。


・こちらが先攻でベロリンガスタートの場合


相手バトル場がHP40の時や弱点を突ける時、不利マッチと判断した時にはぎゃくしめい経由のワンキルを目指します。


それ以外ならケーシィをベンチに置いてまきつくベロを連打し、あわよくば相手バトル場を倒してサイドをとりつつ、後続のメインアタッカーにベロリンガが落とされたらライフダウンで切り返すプランを目指します。ベロリンガにはニコタマを貼る前提で採用エネが配分されているため、手札へ来たら優先的に貼って下さい。


・こちらが後攻の場合


相手がベンチを空にしたまま番を渡してきた場合は先攻時と同じプランを選択します。ただし先攻時と違って次ターンに相手は進化ができるため、相手バトル場が進化先のない壁ポケでもない限りはどくをとばす等の悠長なことはせず、最初から弱点を突くかニドラン♀️を使って最大ダメージを与えます。


相手が既に複数体ポケモンを展開している場合は、保険としてムチュールかベロリンガをベンチに出したのち、リムーブかぎゃくしめい+プラパでテンポを取り返しにいきます。リムーブの方がトレーナー1枚ですむため簡単ですが、成功した時のリターンはぎゃくしめいの方が大きいため、どちらを選択するかは相手の盤面と自分の手札、サイド落ちの状況等を加味して決めます。


リムーブにもぎゃくしめいも触れなかった場合は、ムチュールかベロリンガにエネを貼って攻めつつ、ケーシィとズバットを並べてライフダウンの準備をします。



・相手バトル場がベイビィの場合


先攻後攻に限らずニドラン♀️でワンパンを狙います。終盤に相手の打点が高い状態でベイビィ判定を押し付けられると負けが見えるため、リスクが少ないうちに盤面から消しておきたいです。



・サイド落ち確認は丁寧に


有限リソースかつピン差しの多いデッキなので、目指すプランが実行可能かを最初のサーチ札で必ず確認して下さい。


ニドラン♀️、ニコタマの数、ぎゃくしめいの数、プラパの数、夜廃あたりはマストですが、可能なら他のエネの枚数やユンゲラーラインの枚数もかぞえておきたいです。



・サイドを引けないぎゃくしめいは悪手



アグロの基本。

序盤に使うタイミングを逃して終盤の手札に残った場合、相手の逃げエネが重いポケモンを呼んでライフダウン、という動きができないかを検討して下さい。



・リムーブは気持ち早めに撃つ


これも基本。


相手の技が使えるようになってから撃っても手貼りで解消されて意味がありません。次のターンの相手の技宣言を封殺した上で、自分だけが2ターン続けて攻撃する、というのが理想です。



各対面ごとの相性


サイド6枚取りきれるだけのギリギリのリソースしか搭載していないので、特訓ジムで逃げエネを増やされる、リムーブで複数回エネを流される、回復札で確定数を変えられる等の動きが苦手です。特に回復札はライフダウンが確1を取れない都合上、鬼門中の鬼門。


とはいえ不利対面であってもワンキルやたね切れに持ち込めば勝てるので、最低勝率が多くのデッキに対して担保されている、というのはアグロの強みです。


・わるクロプクリン、わるクロランターン


相手のたねのほとんどに弱点を突けるため有利。わるクロランターンはたねの最大HPが50なので、高確率でワンキル可能。わるクロプクリンのニコタマにはリムーブが刺さる。


・ワニカメ


序盤からニドラン♀️で相手のワニノコをしばき、ラッキーを構えてきたらグライガーに交代してさらに殴る。オーダイルが立ってもストライク・ニドラン♀️・ユンゲラーを駆使すれば2~3回倒す位のダメージは出せるので、ナツメの眼の存在も相まって多分有利より。


ただしエリウツが立ってしまうと若干面倒なので、ぎゃくしめい1枚とプラパ2枚はエリカのマダツボミを落とすためにとっておくこと。


・エネエネ


ビリリダマを集中的に狙い、取り逃してエネエネされてもリムーブで流すかライフダウンすればいいので有利。

リムーブで動きの止まった大物へどくをとばすのも地味に強力。


・鋼ラッキー

 

毒・ライフダウン・リムーブという相手にとってキツイ要素と、大量の回復札というこちらにとってキツイ要素のせめぎ合いになるマッチ。


体感ではリソース総量とコイン判定の差でこちらがやや不利。



・ゴースト


ムチュールとベロリンガでコイン判定を押し付けながら削り、ストライクを準備したのちにそこへプラパとディフェンダーを集中して戦う。削りきれなかった大物は返しに倒されるのを承知でライフダウン。


ベロリンガがいることで大分戦えるようにはなったけど、ゴーストのナイトメアで混乱にされると面倒だし、わるゲン型の場合はガンガンたねを狩られてしまうため、有利まではいかず依然として不利より。


・メガバナ


60打点+ポケセン+エナジートランスというガン不利の組み合わせ。フシギバナが立った時点でほぼほぼサレンダー案件。



・エリウツ特訓ジム


リムーブ+特訓ジムというこちらも無理な相手。お付きにより事故が期待できないのも辛い。


・わるラフ


プテラはニドラン♀️+ぎゃくしめいで確1、ベトンはゴルバットにしか効果がない上ベトベターの弱点を突けるためワンチャン有利まであるものの、わるラフは完全に切ってるので無理。



・スイクン(neo3)、やさしいカイリュー


毒もライフダウンもまきつくベロもなげキッスも効かないという、このデッキをメタるために生まれてきたかのようなカード。どちらも動き出しが遅いところにまだつけ込む隙があるけど、完成して殴られ出したらそのまま蹂躙されて終了。



デッキ名の由来


わるいゴルバット・ムュール・サイコシット・ライダウンからとってゴルバチョフです。

またライフダウンはESPを使っても成功確率を100%にできないので、それを予知できない未来要素になぞらえました。



ライフダウン周りのカード達



元ネタはこれ。




最近自分の中でこのバンドのリバイバルブームが到来しており、よく聴いています。ゴルバチョフって名前の響きがオチ担当としてめちゃくちゃ優秀ですよね。ブラマヨの漫才ネタでもゴディバチョコと絡めて使われてた気がするし。



現場からは以上です。



戦績


R6.5/11 ハレツー旧裏バトルにて使用。


1戦目 カツウィンバクフーン鋼ラッキー


後攻。

HP60のカツラのガーディにもえあがられて番を返されたので、後1でガーディに中途半端な打点を当てるぐらいなら、一旦カツウィンに進化させてからまとめてリソースを奪った方がよいと判断し、ムチュールとベロリンガを準備。



数ターン後ベロリンガへほのおのあらしを撃たれた返しにディフェンダーを貼ったズバットでどくをとばし、これ以上のサイドを引かせず1体目のカツウィンを突破。その課程で相手ベンチにラッキーとバクフーンが立ち、アーキタイプを概ね把握。ラッキーの鋼にはリムーブを当て、ライフダウン後にすてみタックルしたら自傷できぜつするよう仕込み、バクフーンが2体以上立たないよう、ヒノアラシをぎゃくしめいで狩っていくことに。



その後ズバット、グライガー、ぎゃくしめい、サイコショット、ライフダウンを駆使してヒノアラシ1体・ベロリンガ・2体目のカツウィンを落としてサイドを4-4にするも、

・2枚目のぎゃくしめい使用時、ゴルバットへのアクセスができずあと10点が足りずにヒノアラシを倒し損ねる

・バトル場に出たバクフーンにライフダウンを当てて残りHP10まで追い込むも、次ターンいいきずぐすりで回復されてトドメをさせず


と、残り2枚のサイドをギリギリ引けずにバクフーンが3体立ち、そのままファイヤーにやまやきされてLO負け。


後攻から高HP高火力を倒して捲る、というコンセプト通りの動きができて満足ですが、お相手の構築とプレイングの上手さにやられた感じでした。

●4-4(LO)


2戦目 わるクロプクリン


先攻。

お相手のバトル場はプリン(サザン)、ベンチはなし。


ワンキルチャンスなのでグライガーを呼んで準備。ニコタマは探せなかったものの虹エネは貼れたのでどくばりで攻撃。



ワンキルこそできませんでしたが、お相手が3ターンの間1枚もたねを引けなかったため、そのままグライガーで殴り続けて勝ち。


対戦後に聞いたところ、お相手のデッキは諸事情でドロソが少なかったらしく、その辺が今回の結果に繋がったっぽいです。


○1-0(たね切れ)


3戦目 メガバナ


先攻。


お相手のバトル場はフシギダネ(拡張)、ベンチはなし。


フシギダネを確認した時点でワンキル以外に勝ち筋はないと判断、相手にターンを渡したら即降参する覚悟のもと、交換おじさん使用。幸いニドラン♀️、プラパ3枚、ニコタマ4枚の中にサイド落ちはなし。ニドラン♀️をバトル場に出して走り始めます。


幸いプラパ2枚はすぐに付けられたものの、オーキド→マサキ→ナツメの眼→オーキドと繋げても一向にニコタマを引けず、残すドロソはウツギのみ。


礼儀作法で手札とデッキを圧縮してからお祈りしつつウツギ使用。ギリギリでニコタマを引くことができ、ワンキル成立。



お相手はこの日が25年ぶりの旧裏復帰だったそうです。気まずい…。


○1-0(たね切れ)





ここで全試合終了、自分は2-1の10人中4位でした。




同率4位がもう一人いますが、サイド取得数は確実に自分がボロ敗けなので、実質5位ですね。



所感


見た目は脳筋で計算は緻密、というインテリヤクザみたいなデッキでした。


特にプラパ・ぎゃくしめい・リムーブの多投にはこれまで何度も煮え湯を飲まされてるので、割と人を選ばず使えて雑に強いカードなのかな、と思ってたんですが、実際使ってみたら強く使うにはある程度の大局感とカード知識に基づく先読みが不可欠で、上手い人はちゃんとした練度のもとで実戦にて結果を出してるんだな、と気付けたのは大きかったです。


構築自体はそこそこ時間をかけたこともあって概ねコンセプト通りにできた実感があり、特に実戦で後攻からの捲り・先攻からの弱点押し付け・不利体面のワンキルによる解決という想定していた動きが全部できたのは中々の達成感でした。


今後も環境に一石を投じたい時や、何かにムシャクシャしている時には店舗大会で使ってヤクザムーブをしていこうと思います。



おまけ





今回使ったサプライ。小物が速攻するアグロデッキなので、幼体であるリトルゴジラのスリーブと、不名誉なネットミームが多くてどことなく小物感の漂うラドンのデッキケースを組み合わせてみました。VSシリーズだとこの二匹は実質的な兄弟だというのもエモポイント。



KOMのサプライ販売を事前に教えて下さったべーやんさんにはマジで感謝しています。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?