超常事変ミリしら人間の「幻想のUtopia/安寧のDystopia」初見感想


2曲続けて聴くことでこんなに親切丁寧に「彼らが根っこの部分で分かり合える未来はありません」を教えてくれることあります!?


とショックを受けたままnoteを書いています。もっと「『超常事変〜対立スル正義〜』1周年おめでとうございます!」みたいなところから入るはずだったのに……

以下は『超常事変〜対立スル正義〜』について
・特設サイト
・ダイジェスト動画
・フォロワーさんのお話
くらいの知識しかない人間が「幻想のUtopia」「安寧のDystopia」から『超常事変〜対立スル正義〜』の輪郭を探ろうとしている文章です……そうなってるといいな……なんか「分かり合えそうにない〜」に終始しそう……
だいぶ的外れな心配とかしてたら指差して笑ってくださいね

 『超常事変〜対立スル正義〜』の終わり方って、能力者と無能力者がぎこちないながらも歩み寄って未来を描いていくエンドを想像してたけど、これ違うかもしんない……少なくとも学園・軍側の中心になってる(安寧のDystopiaの歌詞に近い)人々が「歩み寄る」って聞いたら鼻で笑いそう……これ人によっては酷いバッドエンドで終わりません???

 「幻想のUtopia」から先に聴くと「現実が厳しいのは分かってる、でもなんとか一歩ずつでも改善していくことを諦めてはいけない」ってひたむきな感じがかっこいいなって思えるんですけど、続く「安寧のDystopia」がアンチソングすぎて考えが変わるんですよね。「ただただ想像上のご都合妄想」で「幻想のUtopia」の歌詞一蹴してくんじゃん、好きだ……。
 特に対照的に感じたのは「痛みの境界線で向かい合っていよう」と「ここにこいよ」の部分です。「どうせ分かり合えないんだからせめて同じところまで引きずり下ろして、同じ苦しみを味わってもらいたい」みたいな、まさしく「重すぎる怨嗟」だなって……対話をするならまずは同じ立場になってみろって人と対話をするには、公安側の人々は平等すぎるように感じる、あくまで歌詞を見ての考察でしかないけど……。

 公安側は「対話のテーブルにつこう」「少しずつでも良い方向に変えていこう」って言ってるんだけど、学園・軍側の無能力者は苦しくてすぐにでも現状を変えたいんですよね。死にかけの人に「まあまずは座って話をしましょうよ」って言ってる感覚。なんていうか、公安側からしたら「取り組まなければいけない課題」だとしても無能力者にとっては「日常の延長線上にある苦痛」なのかなって思えてくるんですよね。
 それが曲調にも現れているような気がしていて、最初に「安寧のDystopia」を聴いた時、思ってたより静かな曲調だなって思ったんですよ。どちらかというと「幻想のUtopia」のほうが激しめで切羽詰まってる印象で非日常の危機感がありました。最初のイメージでは安寧のほうが鬼気迫る感じで差別される苦しみや激しい感情をぶつけてくると思ってて……それが余計に「無能力者にとっては日常に差別が絶えず横たわっていて、当たり前のように傷付き絶望している」という静かな怒りがわだかまってるみたいな想像を掻き立ててくるんですよ。
 本当に妄想だけで書いてるんだけど、多分無能力者側はもう何度も聞かされた理想論と変わらない現実のギャップに疲れ切ってるんじゃないですか。そこに「問題を今すぐに根本から変えることのできるカリスマ性を持った主導者」が現れたんだとしたら……たとえ鎮圧されたとしても意味のある行動だと讃えられるのだとしたら……それは、信奉してしまう人もいるような気がしていて。いやこれって自爆テロとかを起こす人々の話で聞いたことあるな……現実があまりに苦しくて、そんな時に死に価値をもたらされたら爆弾を抱えて飛び出せてしまうんだって聞いたことがあって……テロ……信玄さん、護部さん……ウーッやめましょうこの話!

 多分『超常事変〜対立スル正義〜』は公安側が学園・軍側のクーデターを鎮圧することで終わるんだと思うんですけど、疑念の種をまいた時点で「勝ち」ではあるんじゃないかなと思ってしまう。彼らが鎮圧されても無能力者の中には影響を受けて団結する者たちもいるかもしれない、公安側にも彼らの思想に感化された者がいるかもしれない。そういう人たちがまた、無能力者差別に対抗するための暴動なり何なりを起こすとしたら……それこそが学園・軍側の目論見の可能性もあるよなあって考えてしまいました。

 何度も新鮮に驚いては落ち込んでしまうんだけど、2曲セットで対比させることで「彼らが根っこの部分で分かり合える未来はありません」をひたすらに突きつけられてる気分になるんですよね……。

 あの……これだけ長々と書き綴ってる時点でお察しかとは思うんですけど、私、こういう世界観すっっっごく好き!!! ヒロアカの社会構造のいや〜な部分とかX-MENのあの感じとかさぁ……現実にはあってほしくないけど創作上でつらくなるのすーーーごい好き……。そんな人間が『超常事変〜対立スル正義〜』のこの感じ、刺さらないわけなくないです……? 絶対刺さる世界観の劇中劇がまさかのアイドルコンテンツに存在してるんだもんなあ、履修するの楽しみだ〜! まずは超常学園のアーカイブから、ゆっくり浸かってみようかと思います。私が超常事変であたまおかしなるとこ、みててね……

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